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元スレ唯「ついに念願のポケットアズニャンを手に入れたよ!」
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ダウンロードが完了しました。
唯「えへ。何かな何かな」
赤外線通信で本体にデータを送信してください。
唯「ほいほいっと」
唯「うふふ、あずにゃんと友好度マックス!」
唯「ここまで頑張った甲斐があったなぁ。ご褒美だよーあずにゃん♪」
送信完了。ありがとうございました。
唯「ん、どれどれ……あれ」ピコピコ
唯「あれ!?」
唯「画面つかない……? え」
唯「違う……あずにゃんが……いない……」
唯「あずにゃんいなくなっちゃった……」
唯「ねぇあずにゃんどこ!」シャカシャカ
唯「隠れてないででてきてよ!」シャカシャカ
唯「どこなの!」ツンツン
唯「会いたいよ! あずにゃんのためにすっごいのダウンロードしたんだよ!」
唯「スペシャルだよ!! きっとおっきいケーキだよ。特大のたい焼きだよ!!」
唯「あげるから……お願い……」
唯「なんでも買ってあげるから……」
唯「でてきて……あずにゃん……」
唯「お願いだから……私に、話しかけてよ……」
唯「やだよぅ……」シャカシャカ
『いままでありがとうございました。これをもちましてポケットあずにゃんは終了となります』
ピーー――― プツリ
唯「やだぁぁあああ!!」
あぁ…………
うわぁああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!
うわぁああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!
唯「あ……あ……」
唯「なんで……」
店員『たくさんある類似商品の中には、大変悪質なものもございますのでご注意ください』
唯「違う……違うもん……」
唯「あずにゃんは……そんなんじゃない……」
憂『こういうもんだって割り切ったほうがいいよ』
憂『ゲームじゃん』
唯「う……うっ、ぐ……ううっ、あ……」
唯「あずにゃんは……」
とみ『唯ちゃんが大事に大事にするなら』
とみ『その物はとっても幸せね。きっとなんにでもなれると思うわ』
唯「そうだよ……ただのゲームじゃない……ゲームだけど、ちゃんと、後輩で……」
唯「私の……大事な大事な宝物で……ぅわあああああああ!!!」
唯「なんで……」
店員『たくさんある類似商品の中には、大変悪質なものもございますのでご注意ください』
唯「違う……違うもん……」
唯「あずにゃんは……そんなんじゃない……」
憂『こういうもんだって割り切ったほうがいいよ』
憂『ゲームじゃん』
唯「う……うっ、ぐ……ううっ、あ……」
唯「あずにゃんは……」
とみ『唯ちゃんが大事に大事にするなら』
とみ『その物はとっても幸せね。きっとなんにでもなれると思うわ』
唯「そうだよ……ただのゲームじゃない……ゲームだけど、ちゃんと、後輩で……」
唯「私の……大事な大事な宝物で……ぅわあああああああ!!!」
追い付いてしまった
うわあああああああああああずにゃんあずにゃん
うわあああああああああああずにゃんあずにゃん
>>260
憂ちゃんを悪く言うな
憂ちゃんを悪く言うな
ガチャン
憂「お姉ちゃん! どうしたの!?」
唯「わぁあああああん、あぁぁぁ……うぅ」
憂「どうして泣いてるの? どこか怪我した!?」
唯「あずにゃんが……あずにゃんが……」
憂「あずにゃんが?」
唯「つかなくなっちゃって」
憂「? みして」
唯「うん……これ、画面真っ白で」
憂「電池切れかスリープになってるだけでしょ?」イジイジ
ピローン ニャーーン
憂「なんだつくじゃん」
唯「え?」
憂「もう、びっくりさせないでよね。何事かとおもっちゃった。ごはんもうすぐするから降りてきてね!」
唯「あずにゃん……?」
唯「あずにゃんあずにゃん! よかったぁ」
猫「ニャーニャー」
唯「……え」
猫「ニャー、ニャー♪」
唯「……どうして猫に」
唯「あずにゃんは……どこへいったんだろう……」
憂「どこって……画面の中にいるけど……」
唯「ち、ちがうよ! これあずにゃんじゃない! 憂知ってるでしょ!?」
憂「え? アズニャンだよ? ずっと私に自慢してた子だよね?」
唯「あずにゃんは猫じゃないよ!!」
憂「どうみても猫……なんだけど……」
唯「おかしい……」
猫「ニャー……」
唯「うっ、う……」
あれからしばらくたって、
猫のアズニャンは世間の人気のとおり、可愛かった。
でもやっぱり、その猫はあずにゃんじゃなくって、私にとってのあずにゃんはあの子だけで。
なんだか私、心がからっぽになっちゃったみたい。
ゲームに寂しいなんて言うの、おかしいよね。不思議だよね。
だけどね、いつのまにかかけがえの無いものになってたんだ。
そういうつもりで始めたわけじゃないのにね……。
部室
唯「……」ツンツン
猫『ニャーン』
唯「あは、かわい……でもただの猫だこれ」
唯「みんな早くこないかなー」
ガチャリ
律「うぃーっす!」
唯「おそいよー」
律「ごめんごめん掃除長引いて」
紬「あ、唯ちゃんちゃんとポケアズやってるのね」
唯「え、うんまぁ」
律「それにしてもほんとにどこで買ったんだ唯は」
律「そんなデザインの本物みたことないって!」
唯「……」
どうやら、みんなはあのあずにゃんのことは綺麗さっぱり忘れているらしい。
憂もおばあちゃんも、りっちゃんたちも、なにも誰も覚えてない。
しまいには私のポケアズが幻の試作品だーなんて言い出すし。
ほんと、どうしたんだろう。
あれ、そういえば私はこれをどこで買ったんだろ……なぜだか思い出せないや。
ガチャリ!
律「お、澪おつかれー。おせぇぞー」
澪「はぁ……はぁ」
紬「どうしたの息切らして」
澪「ビックニュースだ!」
律「なに? ビックとか言いつつしょうもないこと?」
澪「そう、すれ違い通信で私のアズニャンについに恋猫ができたんだ~!」
律「へー」
唯「……」
澪「じゃなくて!! これみて!!」バサッ
律「ん? おお!?」
紬「入部届……よね?」
澪「いまさわ子先生から受け取った! 下級生の子で、ウチに入部したい子が一人いるんだって!」
唯「あ、ほんと? よかったぁ、でもどうせなら4人くらいどばっと入ってくれたほうが来年のためにもいいよね」
律「へー、中野梓ちゃんね」
紬「どんな子か楽しみね!」
澪「うん……パートはなんだろ」
唯「中野……あず……あず?」
ガチャッ
さわ子「はぁいみんなー? 元気ぃー?」
律「騒がしい入り方しかできんのか」
澪「先生! もう用事終わったんですか? さっきまだ忙しいからって」
さわ子「うふふ、早くみんなに見せたくて連れてきちゃった」
さわ子「じゃーん、私からのスペシャルプレゼントよぉ!」
律「プレゼントて……」
さわ子「さぁさぁ、入って入って」
オズオズ……
唯「? 遠慮せず入っていいよー?」
梓「……」ヒョコ
唯「!!」
律「ええと、中野梓さんね」
梓「あ、はい」
唯「あず……?」
梓「ふふ」
こんなことってあるんだね。
そこには私が会いたかった子に、瓜二つの子が立っていて、
その子のほほえみ方は私がずっと見てきたものとおんなじで、優しくて。
だけど、私、頭がごちゃごちゃになっちゃってさ。
ピタって時間がとまっちゃったように、動くことができないんだ。
あずにゃんあずにゃんあずにゃんあずにゃんあずにゃんあずにゃんあずにゃんあずにゃんあずにゃんあずにゃん
梓「はじめまして。中野梓です、パートはギターです」
澪「ギターか!これでギター二人だな」
律「よっ、先輩がんばれよ」ツンツン
唯「……」
紬「ほら、念願の後輩だよ!」
唯「……」
驚きなのか喜びなのかよくわかんない気持ちがあふれてきた。
視界はなんだからうるうるぼやけるし、熱っぽいような気がするし、私どうしちゃったんだろう。
いや、私じゃなくて、どうかしたのはこの子の方。
本物? あずにゃんなの……?
どうしたらいいかわからずにうろたえていたら、
その子は私のことをじっと見据えてね
よーく耳に馴染んだあの声で
『はじめまして』
『唯先輩』
って……。
言ったんだ……。
それだけで……それだけでもう私は……。
唯「あずにゃああああん!!」ギュ
澪「お、おい唯いきなり失礼だろ」
律「それにあずにゃんて……もうあだ名つけたのかよ」
紬「いくらゲームのキャラと名前が似てるからってさすがにそれはどうかと思うわ……可愛いけど」
律「あれ、そういえば中野さんどうして唯の名前しってんの?」
澪「そういえばそうだな」
さわ子「梓ちゃんは憂ちゃんと同じクラスなのよ」
紬「それで知ってたのね」
律「へぇーそうなんだ。なんだぁもっと早く入ってくれればよかったのに」
澪「いやいや入ってくれただけでありがたいよ」
唯「あずにゃんあずにゃん……」ギュウウ
梓「イタタ……苦しいです」
唯「あずにゃんどうして? どうしてでてきたの?」
唯「探したんだよ……ずっと会いたかった」
梓「ダウンロードしたでしょ?」
唯「え……」
梓「私のこと、ちゃんとダウンロードしてくれましたから」
唯「あずにゃん……やっぱりあずにゃんは……」
>>295
もちろん!
もちろん!
梓「とっても仲良くなると、何かイイコトがあるかも?って書いてありましたよね?」
唯「あ……うん」
梓「私も、唯先輩にこうして触れてみたかった……」
唯「ありがとう……あずにゃん」ギュ
律「な、なんだぁあのオシドリ夫婦みたいなの」
さわ子「何か囁きあってるわね……」
律「なにがどーなってこうなるんだよ……」
澪「初対面であそこまで後輩を懐かせるとは唯、おそるべし」
紬「あらあらあらあら、いいじゃない。とってもいいと思う」
律「あのー、こっち自己紹介も終わってないんですけどー」
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