元スレ勇者「長老、なんかこの剣喋ってない?」長老「なんじゃと」聖剣「>>4」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ○
201 = 129 :
勇者「せめて、聖剣があれば安価で打開策を得られるかもしれないのに……!」
勇者「……」
勇者「ん?」
大臣「ああああああああ!!」バシュッ、バシュッ!
勇者「……あるじゃん、聖剣。大臣の手元に」
202 = 129 :
勇者「剣に直接触れていなくても安価は貰える」
勇者「台座の剣を引き抜く前にも聞こえたんだ。今ここで聞こえない道理はない……!」
勇者「聖剣よ、力を貸してくれ! 大臣を倒す方法を!」
聖剣「>>205」
203 :
気合と根性とガッツだ
204 :
びっくりするほどユートピア!!
205 :
魔物の腕を使え
206 :
全裸になってちんぽを振り回す
207 :
なんで矢は溶けないんですかね
208 = 204 :
>>207
アルミが強酸で溶けずに弱酸でだけ溶ける的な
209 = 129 :
聖剣「魔物の腕を使え」
勇者「魔物の腕を……使う……!?」
勇者「使うって、どうやって!」
聖剣「……」
勇者「……自分で考えろってことか。相変わらず不親切な剣だよ」
210 = 129 :
勇者「けど確かに、これを利用するのはアリだな……」
勇者「この爪とか普通に凶器みたいなもんだし。大臣はこれを大事そうに扱ってたから、もしかしたら盾にするだけで攻撃を遠慮してくれるかも……!」
勇者「よし、そうと決まれば!」
大臣「!、それに触るな! 何をするつもりだ!」
勇者「なに、ちょっと借りるだけだよ!」
ガシッ!
腕「……!」ビチビチッ、ビクンビクンッ!
勇者「うわ、動いたっ、キモッ!!」ブンッ!
ビュッ!
大臣「えっ」
グサッ!
勇者「あっ」
211 = 129 :
大臣「ぐあああああ!?」
大臣「痛い! 痛いぞぉ!!」ジタバタジタバタ!
大臣「腹に! わしの腹に悪魔の右腕がぁ!!」ゴロゴロゴロゴロ!
勇者「……」
勇者「計算通りだ」
212 :
超大作だな
213 = 187 :
悪魔の腕とか触っただけで呪われそう
214 :
普通に面白いから設定詰めてなろうとか送ったらいいと思う
215 = 129 :
大臣「ぐああああああああ!!」
勇者「……えぇと。とりあえず聖剣は回収させてもらうけど」
大臣「ああああああああ!!」
勇者「……」
大臣「助けてくれえええええ!!」
勇者「……いくら悪い奴だからって、このままにしておく訳にも行かないよな」
216 = 129 :
勇者「大臣、少しジッとしていてくれ。いま引き抜くから」
大臣「早く! 早くせんか!!」
勇者「大の大人がそんなに痛がるなよ。腹の脂肪が厚いんだから少しくらい我慢しろって」
勇者「よっと」
グイッ、グイッ!
勇者「……あれ?」
グググググッ…!
勇者「ぬ、抜けない……」
217 :
かわいそうなのは抜けない
218 = 129 :
腕「……」ズリュ…
勇者「抜けないどころか、これ……」
腕「……」ズリュズリュズリュッ!
勇者「こいつ、大臣の身体に入り込もうとしてやがる!」
ズリュズリュズリュズリュズリュズリュッ!!
219 = 129 :
ズリュンッ!
勇者「か、完全に入り込んじまった」
勇者「……」
大臣「……」
勇者「……大臣?」
大臣「……」
勇者「おい、どうしたんだよ。さっきまで元気にのたうち回ってたってのに」
大臣「……」
大臣「……」
220 = 129 :
ズズズズズズ……!!
カッ!!
大臣「……」バサッ!
勇者「立ち上がった……けど」
勇者「肌が黒く変色して、翼まで生えちまって。これじゃあまるで悪魔じゃねえか!」
221 = 129 :
バン!
女騎士「大臣! ご無事ですか!」
勇者「!」
大臣悪魔「……」
女騎士「……これは……どういうことですか」
勇者「ええと、あんたは?」
姫「わたしのお付きの女騎士です」
勇者「姫!」
姫「しかしこれは……勇者様、いったいなにがあったのですか!?」
勇者「……」
222 = 129 :
勇者「……これ、説明するの時間がかかりそうだし後にしてくれないか」
女騎士「いいから答えてください! この悪魔……大臣の面影があります! この方は大臣なのですか!?」
勇者「……うん。端的に言うと、そうなる」
女騎士「どうしてこのような姿に!」
勇者「だから、それを話せば長くなるんだって! こいつはそれを待ってくれるのか!?」
大臣悪魔「……」ズズズ…!
女騎士「ッ!」
224 = 129 :
女騎士「姫! 退がってください! 私の後ろに。決して離れないように!」
姫「は、はいっ」
女騎士「あなたは……ああもうっ、後でちゃんと説明してもらいますからね!」
勇者「……来るぞ!!」
女騎士「わかっています!」
225 = 129 :
大臣悪魔「グオオオオオオオオ!!」
ジャッ!
女騎士「くっ!」
ギィン! ズバッ!
大臣悪魔「グオオ……!」
シュウウゥゥ…
女騎士「斬った筈なのに……この再生力、本当に悪魔のような……!」
女騎士「けど、後ろには、行かせません!」
ガァン!
大臣悪魔「……!!」ズザァッ!
226 = 129 :
女騎士「勇者さん!」
勇者「ああ!!」ブンッ!
スパッ
勇者「くそっ、浅いか!」
女騎士「なんですかそのへっぴり腰は! そんな振りで当たる訳がないじゃないですか! あなた、本当に姫が言っていた言い伝えの勇者なのですか!?」
勇者「うるさいなちくしょう! 俺だって気にしてるんだ! こっちはまだ修行中なんだよ!」
227 :
面白い
228 :
寝て起きてまだ更新してる安心感
229 :
見てるぞ
230 = 129 :
大臣悪魔「グ……グオオオオ……!!」
勇者「……あれ? 意外と効いてる……?」
女騎士「えぇっ!?」
勇者「ああ、確か長老が言ってたな。この剣ってなんかすごい聖属性があるらしいぞ」
勇者「聖属性って悪魔に効くんだろ?」
女騎士「……その剣、私が使うことはできますか!?」
勇者「いや、どうだろ。なんか俺意外だと鞘から抜くことも出来ないみたいなんだけど。抜き身の状態で誰かに渡してどうなるかは試したことないし全然わからない」
女騎士「選ばれし者のみが使える聖剣……! くっ、もどかしいですね!」
勇者「俺を睨むんじゃないよ!」
231 = 129 :
女騎士「とにかく、私は姫の傍を離れる訳にはいきません。最低限のサポートしか出来ないのであなたががんばってください」
勇者「頑張るっつっても……!」ブンッ!
スカッ
勇者「く、」
女騎士「ものすごく警戒されているじゃないですか。さっきのチャンスで仕留めていれば……!」
勇者「……あの。ちょっと本格的に傷つくので俺への口撃を少し緩めてほしいかな」
232 = 129 :
勇者「このままじゃジリ貧だ……!」
勇者「聖剣、頼む! この悪魔を倒す方法を!」
聖剣「>>235」
234 :
啜れ羊頭の奴隷、鎖せ峻拒の天蓋。
黒鷺、標、射干玉、普く王座の簒奪者。
九泉を巡りて錆色に染まりし顎門よ。
歓喜せよ。
狂乱せよ。
地上に蔓延りし幽けき定命の者共、我が慈悲により苦痛なき死を賜う。
滅びよーーーー【獄闢分命・道断躑躅】
235 :
237 = 129 :
聖剣「啜れ羊頭の奴隷、鎖せ峻拒の天蓋。
黒鷺、標、射干玉、普く王座の簒奪者。
九泉を巡りて錆色に染まりし顎門よ。
歓喜せよ。
狂乱せよ。
地上に蔓延りし幽けき定命の者共、我が慈悲により苦痛なき死を賜う。
滅びよーーーー【獄闢分命・道断躑躅】」
勇者「……」
勇者「……!」
勇者「…………!!」
勇者(なにいってんだこいつ)
238 :
おっせええーーーーよ
頑張れ
239 = 129 :
勇者「いやいや待て待て。諦めるな。思考を止めちゃダメだ。一旦整理しよう」
勇者「これパッと見、指示というより何かの詠唱か? つまりこの詠唱で発動する何らかの魔法があって、それをこいつに打ち込めば効くってことか!?」
勇者「思えば、これと似たような謎の呪文っぽいのを一度聞いてるんだよな、俺。確かアバダナンタラだったか」
勇者「あの呪文の意味も結局わからず仕舞いだったが、こう、魔力的な何かを込めて叫んでいたらあの時何かが発動していたのかもしれない」
勇者「これは何かのチャンスの筈だ! ぶっつけ本番だけど、やるしかねえ!」
240 = 129 :
勇者「ええと、確か……!」
勇者「––––啜れ羊頭の」
大臣悪魔「グオオ!!」
ジャッ!
勇者「あぶなっ!」
ギィン!
241 = 129 :
勇者「くそ、もう一度……! ––––啜れ羊頭の鎖す」
大臣悪魔「グオオ!!」
ジャッ!
勇者「邪魔すんなって!」
ガァン!
242 = 129 :
勇者「もう一度だ!」
勇者「––––羊頭啜る鎖せ……」
勇者「……」
勇者「……あれ、啜る羊頭がだったっけ」
勇者「––––啜る羊頭が啜れ鎖し……」
勇者「……」
勇者「……ええと」
勇者「……なんとかの天蓋が……」
勇者「……」
勇者「……やべ、何言ってたか忘れたわ」
243 = 129 :
勇者「もっかい!! もっかい言ってくれ!! 次こそちゃんと覚えるから!!」
聖剣「……」
勇者「……」
聖剣「……」
大臣悪魔「グオオ!!」
ドガァ!
勇者「ぐわー!!」
女騎士「ひとりでブツブツ何言ってるんですかさっきから!?」
244 = 129 :
女騎士「真面目に戦ってください!」
勇者「真面目にやってるよ! でも安価が!!」
女騎士「それならまださっきのへっぴり腰剣術の方がまだマシです!」
勇者「だって安価が!!」
女騎士「前を向いて、剣を振ってください!」
勇者「けど安価は守らなきゃ!!」
女騎士「安価安価って、さっきから何なんです!?」
245 = 129 :
大臣悪魔「グオオオオオオオオ!!!」
ガシャァァァン!!
女騎士「ああっ、悪魔が窓を突き破って外に!」
勇者「くそっ、俺が安価を守れなかったばっかりに!」
女騎士「もういいですから、それ!」
女騎士「それより、あんなものがこの部屋の外へ……王都はパニックになりますよ!」
勇者「ごめんなさい!!」
女騎士「本当ですよ!!」
247 = 129 :
大臣悪魔「グオオオオオオオオ!!」
ドッカンバッガンバキバキグシャア!!
姫「ああ、お城が壊されていく……」
勇者「な、なんとかしなきゃ……そうだ、また安価で!」
女騎士「それ一旦やめてください!」
勇者「何でだよ!」
女騎士「見てわからないんですか!?」
248 = 129 :
大臣悪魔「グオオッ!?」
バチバチバチバチバチ!!
勇者「な、なんだ……!? あの悪魔、空中で何かにぶつかったように……捕らえられているのか?」
女騎士「あれは……! そう、あなたが脱獄してから張られた、城の周囲の結界です!」
女騎士「まさかこんな形で使えることになるなんて」
勇者「俺の脱獄のおかげか」
女騎士「……」
勇者「……いや、ごめん。今のは俺が悪かった」
249 = 129 :
女騎士「悪魔、墜落します!」
勇者「倒したのか!?」
女騎士「いいえ、あの結界はあくまでも身動きを封じるためのもの。攻撃的な性能はそれほどありません……」
勇者「……なら、とどめを刺しに行かないとな」
ガッ
女騎士「えっ?」
250 = 129 :
姫「ゆ、勇者さま? 窓枠などに足を掛けて、どうするおつもりですかっ」
勇者「……自分の尻は自分で拭うよ。あいつは、俺が始末する」
女騎士「ちょっと! そんな所から飛び出したら……! ここ、何階だと思っているんですか!?」
勇者「大丈夫だ。……なんか、この聖剣を引き抜いてからちょっとばかり身体が頑丈になった気がする」
勇者「これくらいなら、平気だと思うんだ」
ググッ…
勇者「あの位置で結界に掛かってくれてよかった。もうちょい遠かったら、届かなかったかもな」
勇者「……行くぞっ!」
ダッ
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