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    元スレ紅莉栖「岡部……えっち、しよ?」

    SS覧 / PC版 /
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    1 :

    ……俺だ
    機関の精神攻撃により深刻なオカクリ分不足に陥ったためSS投下作戦を開始する
    何?シュタゲは古い?それに今時VIPでSSスレなど流行らないだと?
    流行る流行らないの問題ではない、やることに意義があるのだ
    では健闘を祈る、エル・プサイ・コングルゥ

    2 :

    くぅ~w疲れましたw

    3 = 1 :

    世界線・時間軸は映画終了直後。ネタバレ注意。

    岡部「フゥーハハハハ!戻ったぞ、我がラボメンたちよ!」
    岡部「……」
    岡部「なんだ……誰も居ないではないか……このラボの長たる鳳凰院凶ぉぅ真!が戻ったというのに出迎えも無しか!冷たいではないか!」
    紅莉栖「みんな岡部のこと心配してたんだからそういう言い方は無し。けど、誰も居ないのは珍しいわね……」
    岡部(だが、これは考えようによっては好都合……)
    岡部(アメリカで勢い余って思いを伝えてから1年近くが経ってしまった)
    紅莉栖「岡部ー、ドクペ飲む?あんたが居ない間もまゆりが買ってきてたのよ」
    岡部(しかし、はっきりと恋人同士という関係になるわけでもなく、「友達以上恋人未満」のような状態が続いてきた……)
    岡部(紅莉栖も俺のことを、す、好きでいてくれてるのはもはや確定的に明らかなのだ!)

    4 :

    くぅ疲の臭いがする

    5 = 1 :

    紅莉栖「おい岡部ー?おかべ?」
    岡部(恋人同士になるには、今しかあるまい!)
    紅莉栖「岡部、聞こえてる?ねえ、大丈夫!?」ズイッ
    岡部「ってわあああ!近い、近い!なんだ紅莉栖、急にどうした!」
    紅莉栖「急にじゃないわよ、何度も声かけたのに……大丈夫?なんでもないのよね?」
    岡部「あ、ああ……ちょっと考え事をしていただけだ」
    紅莉栖「あんなことの後だから心配するじゃない……バカ岡部」
    岡部「すまない、紅莉栖……」
    シーン
    岡部(なんか妙な空気になってしまった……だが、俺のことを心配してシュンとなってる紅莉栖はなんだか可愛いな……クッ、静まれ、我が鼓動よ……)
    紅莉栖(キャー!「すまない、紅莉栖……」だって!こ、こういう素直な岡部もいいわね……それに助手でもティーナでもなく名前で呼んでくれてる……)モジモジ

    6 :

    ごめん読みにくいから
    1行空けて

    7 = 1 :

    紅莉栖「ゴホン、ところで!」
    岡部「な、なんだ!」
    紅莉栖「私のこと無視するほど重大な考え事って、いったい何?もしどうでもいいことだったら……」ジトー
    岡部「も、もちろん非常に重要な考え事だ!」
    岡部「考えてたのは……お前の、いや、お前と俺の事だよ」
    紅莉栖「えっ」
    岡部「紅莉栖……俺はお前が好きだ」
    紅莉栖「な、何を改まって……」アセアセ
    岡部「だから、今のお前との関係に、物足りなさを感じている……」
    紅莉栖「それって」
    岡部「俺はお前と……恋人になりたい」
    紅莉栖「!」
    岡部「俺と付き合ってくれ、紅莉栖」

    8 :

    そろそろ疲れた?

    9 = 1 :

    紅莉栖「……」ギュッ

    岡部「くっ、紅莉栖?急に抱きt」

    紅莉栖「こっちみんな!」

    岡部「( ゚д゚)」

    岡部「( ゚д゚ )」

    紅莉栖「じゃなくて、グスン、えっと、今……わたし、ひどい顔してると思うから……」

    紅莉栖「しばらくこうさせて……」

    グスン……スン……

    紅莉栖「……岡部」

    岡部「なんだ」

    紅莉栖「私の返事……伝えるから」

    紅莉栖「目、つぶってほしいな」

    岡部「うむ」

    紅莉栖「岡部……私も、岡部のことが好き。誰よりも、大切に思ってる」

    紅莉栖「だから……これから、よろしくお願いします」チュッ

    10 = 1 :

    SSっぽい書き方だとなんか書きづらかったのでこっから地の文ありの小説風

     こうして紅莉栖とキスをするのは、もう何度目になるだろうか。

     世界線を越えそれなりの回数を経験したはずだが、全く慣れる気配がない。神経がむき出しになっているかと錯覚するほど鋭敏になった唇からの信号が、ビリビリと脳を痺れさせる。

     唇を触れさせ合う、ただそれだけの行為なのに、脳内を電気信号が激しく駆け回っているのが分かる。軽い眩暈すら覚え、よろめいてソファに座り込んでしまった。

    「あっ……大丈夫?岡部」

     紅莉栖が心配そうに声を掛ける。だが、その表情はキスが中断された残念さを隠しきれてないぞ。このHENTAI処女め。

    11 = 1 :

    「少しクラッと来ただけだ」

    「体調悪いなら、無理しないで……」

    「いや、お前の魅力に、クラッと来たんだ」

     勢いで言ってしまってから、死ぬほど後悔した。顔が熱い。誰かクーラーをつけてくれ。

     見れば紅莉栖も真っ赤になっていて、今にも火を噴きそうだ。

    「ば、バカ岡部!こっ、このHENTAI!何言ってんのよ!」

    「ふ、フゥーハハハ、天才少女も動揺すると酷く語彙が貧困になるのだな!」

     照れ隠しに軽口を叩く。

     その時、聞きなれた着信音が聞こえてきた。

    Beginning of fight……Beginning of fight……

     無視して紅莉栖とイチャつきたいところだが、この携帯の着信は今まで非常に重大な意味を持ってきた。

     この世界線で特殊な電話やメールが来る可能性は低いが、せめて発信元だけでも確認して……なんだ、ダルか。

    12 = 1 :

    「ふぅん!」

     ちょうどいい位置にあったうーぱクッションに向かって携帯を投げつける。

    「ちょ、おま……出なくてよかったの?」

    「機関の妨害工作だった。俺には今、妨害に屈せず遂行しなければならない任務があるのだ」

     そう、人生初の恋人とイチャつくという重大な任務がな!

    「任務?」

     ソファーから立ち上がり、紅莉栖の目をじっと見つめる。そして肩に手を回し……

    Beginning of fight……Beginning of fight……

    「ダァル……」

    「電話、出てきなさいよ。緊急の用事かもしれないし……そ、それに、私とキスとか…する時間はこれから沢山……いや、別に私がキスしたいわけじゃないけど!ほら、岡部がしたいならって!」

     それもそうだ。正式に恋人になったのだからそう慌てることもあるまい。任務遂行は樽型お邪魔虫を一喝してからでも遅くはない。

    「ふむ、お前がそう言うなら」

    Beginning of fight……Beginning of fight……

     携帯を確認すると、やはり着信はダルからだった。

    13 = 1 :

    「……俺だ」

     くだらない用事だったならば、今度フェイリスにないことないことダルの悪評を伝えてやろう。

     そう思っていたが、耳に飛び込んできたのは全く予想だにしない内容だった。

    「何……場所は……分かった、すぐに行く」

     電話を切り、一つ深呼吸する。だが、頭の中は混乱したままで、ちっとも落ち着けそうになかった。

    「どうしたの岡部、ひどい顔してる……」

    「まゆりが……」

     ここはシュタインズゲート世界線だというのに。ようやく辿り着いた場所だというのに。

    「まゆりが倒れた」

    14 = 1 :

         ( ゙、_.`゙ _n_    .`_゙  , __  __  ::γ,r'"''t!: .
        `''- 、ヽ.゙f!''γ゙ニヽ1| 1!'".゙f! (、_`゙ o::{. {::::::t-r ''~〕! 十 γ゙ニヽ
        f 、__ノソ l:しヽヾ_ィ 」:!_._!L j.l_ ,、,_) i7::ヽヽ ノ_j:: ど,j!、 lレヾゞ
         ~ ̄~ .~   ̄         ̄
    ―境界領域のライトニングボルト―

    15 = 1 :

     まゆりが死んだ。


     ダルたちラボメンは俺と紅莉栖を二人きりにしようと画策し、みんなでメイクイーンに行っていたらしい。そこで突然まゆりが倒れ、救急車で病院へ。だが、運ばれている時には既に脈が無かったそうだ。

     原因不明の心臓麻痺。らしい。医者からそのような説明を受けた気もするが、本当にそんなことを聞いたのかどうかはっきりしない。どうも、ダルから電話を受けてからの記憶が曖昧だ。

     ただ一つ、はっきりと記憶しているのは。

     体温を失っていく、まゆりの手の感触だけ。


     まゆりは、死んだ。

    16 = 1 :

     気づけば、俺は病院の中庭を一人で歩いていた。

     太陽が高い。携帯を確認すると、どうやらまゆりが死んだ翌日の午前十時。

     昨晩をどう過ごしたのか覚えていない。

     ダルや紅莉栖はどうしたのだろうか。何かを話した気もするが、よく分からない。大方、一人にさせてほしいとでも言って出てきたのだろう。

    「まゆり……」

     シュタインズゲートへと来る時に覚悟はしていたつもりだった。シュタインズゲートでは未来はすべて未確定。まゆりも、紅莉栖も、あっさり死んでしまう未来だってあり得ると。

     だが、それにしても。それでも思わずにはいられない。

    「早すぎる……」

     どうしてこんなにも早くまゆりが死ななければならないのだ。直前まで元気にしていたというのに。大体なんだ、心臓麻痺だと?原因不明だと!?ふざけるな!!これではまるで。まるで……

    「アトラクタフィールドによる、収束……?」

    「さっすがおじさん、そこまでわかってるんだ」

     突然、聞き覚えのある声が背後から掛けられた。

    「お前は」

    「ラジ館屋上に来て。詳しい話はそこで」

     慌てて振り返ると、走り去っていく背中が見えた。見覚えのある後ろ姿だ。

    「まったく……7年後に会う約束はどうしたのだ」

     あいつが俺の前に現れる時は、未来がろくでもないことになっている時と相場が決まっている。

     ただでさえまゆりが死んだばかりだというのに、これ以上何をやらせようというのか。

    「鈴羽め」

    17 = 1 :

    「やあ、オカリンおじさん。久しぶり……でいいのかな?」

     ラジ館屋上。そこには予想通り、人工衛星のような機械――間違いなくタイムマシンだろう――があり、阿万音鈴羽が待っていた。

     記憶にある鈴羽よりも、少しだけ大人びて見える。

    「……久しぶりだな、鈴羽。会いたくなかったぞ」

    「うわー、いくら落ち込んでる時だからって失礼なこと言うね!っていうか、私のことほんとに分かるんだねー。お父さんの言ってた通り」

    「お前とは、7年後……いやもう6年後の予定か、お前が生まれた時に再開したかったよ」

     心の底からそう思う。

    「で、今回はなんなのだ?第三次大戦か?SERNによるディストピアか?」

     自棄になりながら尋ねる。未来の世界がどうなろうと、どうでもいいことだ。


     俺は……まゆりが、紅莉栖が、生きていてくれるだけで良かったのに。

    18 = 1 :

    「さすがオカリンおじさん。何でそこまで分かるの?私は2048年、SERNによってディストピアが築かれた未来から来た」

    「それで、俺に未来を変えろと言うんだろう?俺はやらんぞ」

     過去改変はもうこりごりだ。もう……俺は疲れた。

     それに、あれだけ苦労して辿り着いたSG世界線を離れることなど考えられない。

     人生は本来やり直しの効かない物なのだ。俺は偶然にもやり直しの術を手に入れてしまったこともあったが、もうあんなものには頼らない。


     現実を――まゆりの死を――受け入れて、生きていく。


    「オカリンおじさんならそう言うだろうって、父さんは言ってたよ」

     それが分かってるなら、さっさと帰れ。

    「でもね、聞いてオカリンおじさん。ここは――」



    「ここは既に、シュタインズゲートじゃない」

    20 = 1 :

    「SG世界線は、α世界線からもβ世界線からも独立し、アトラクタフィールドの影響を受けない世界線。だから、とても不安定らしいの。世界線を電流に例えるならば、アトラクタフィールドというのはいわば導線のような物。導線の無いところに無理やり電流を流すと……」

     脳裏に、電流の流れる様を思い浮かべる。

    「ジグザグに、揺れ動くな。時には分岐もしながら、複雑な軌道を取る。稲妻のように」

    「そういうこと。SG世界線はDメールなどの過去への干渉手段を用いずとも、常に揺れ動いていたんだ。リーディングシュタイナーが反応しないような、ごく僅かな範囲で」

     太い世界線の境界領域で揺れ動く小さな世界線のイメージを浮かべる。小さな物が動き回る様は、まるでブラウン運動のようにも思えた。

    「こうしてSG世界線が動いた結果、不運にもα世界線のアトラクタフィールド内に侵入してしまった。アトラクタフィールド内の世界線は、糸を束ねて紐になるように『収束』される。そうして他のα世界線群と同じように、椎名まゆりの死に収束したのが、今、この現実だよ」

    「だが!だが他の世界線ではまゆりが死んだのは1年も前のことだ!今更それが収束する物なのか!?」

    「椎名まゆりの死は毎回ちょうど同じ日時ではなかったって、父さん経由で聞いてるよ」

    「……」

     その通りだ。世界線漂流の中で、まゆりの死は1日ずつズレていった。だからといって……

    「推測でしかないけど、椎名まゆりの死のタイミングが1年程度違っても、α世界線のアトラクタフィールド内に収まってしまうんだろうね」

    21 = 1 :

     くそ。

     あの憎たらしい「収束」というやつは、また俺から大切な人を奪っていくのか。

    「……状況は分かった。納得はしていないがな。それで、お前は俺にどうしろと言うのだ」

    「簡潔に言えば、未来から持ってきたタイムリープマシンで、過去を変えてほしい」

     鈴羽はタイムマシンの中からヘッドホン型の機械を取り出す。紅莉栖が作った物より小型だ。耳当ての部分に小さく印字されている「FG203」が、何故かやけにくっきりと見えた。

     だがタイムリープでは駄目だ。タイムリープマシンの弱点は俺が誰よりも知っている。

    「無理だ。タイムリープマシンで過去の俺の行動を変えても、世界線の収束に阻まれ、結果を変えることはできない」

     俺は何度も何度も、何度も何度も何度も何度もまゆりを助けることに失敗してきた。

     あんな思いは……もう、したくない。

    「その通り。だけど、今回の場合は事情が違う」

    「なぜだ!俺は何度も失敗して……」

    「ここがSG世界線だからだよ」

    22 = 1 :

    「……お前は、さっき『既にSG世界線ではない』とかなんとか言っていたではないか」

    「あれは言葉の綾というか、なんというか。
    アトラクタフィールドに取り込まれてはいるけれど、今いるこの世界線はSG世界線と『連続』してる。
    タイムリープマシンで過去へと辿っていけば、アトラクタフィールドに侵入する前のSG世界線に戻れるはず。
    そして、『自由に揺れ動く』特性を持つSG世界線ならば、オカリンおじさんの行動を変えるだけで微細なダイバージェンス変動を起こし、アトラクタフィールドから離れることが出来る……全部、父さんの受け売りだけどね」

    「……」

     SG世界線の特殊性、というべきか、不安定さに関してはつい先日身をもって体験したところだ。そして、SG世界線でタイムリープマシンを使ったことは無い。鈴羽の――未来のダルの言うことを、信じてみてもいいのかもしれない。

    「それで……俺は、具体的にどうすればいいのだ?」

    「それを説明する為には、この世界線が辿る歴史を知ってもらう必要がある」

     俺は鈴羽から未来の歴史を聞いた。俺が2020年に不慮の事故で死ぬこと。紅莉栖は失意のどん底に落ち、その後は俺を助ける為にタイムマシン開発に生涯をささげること。
    その為にSERNへと入り、SERNは紅莉栖から得た時間干渉技術でディストピアを構築する――これが、2048年。

     アトラクタフィールドの一番端に引っかかっただけだからか、俺の知っているα世界線の流れと随分違うところも多い。

    23 = 1 :

    「オカリンおじさんにここまで話せば、どうすればいいかは分かってくれるはずだって、父さんはそれ以上教えてくれなかったんだけど……」

     ダルめ。可愛い娘に作戦を伝えることが出来なくてヘタれたな。

     やるべきことは簡単だ。紅莉栖がSERNに入ってまでタイムマシンを作ろうとするような動機を無くせばいいのだ。

     そして、リーディングシュタイナーの発動したタイミングを考えれば、やるべきことは自明である。


    ――俺が、紅莉栖と恋仲になったことを無かった事にする――


     それだけ。単純なことだ。

    24 = 1 :

    「このタイムリープマシンが戻れる限度は48時間なんだ。タイムリミットを忘れないで」

    「分かった」

     俺が紅莉栖に告白したのは昨日の午後二時頃だったはず。余裕を持つならば……

    「明日の正午にはここに来る、待っていてほしい。」

     やるべきことは分かった。本来なら今すぐにでも過去へ飛ぶべきなのだろう。だが、俺には決心出来なかった。

     せっかく紅莉栖と恋人同士になれたというのに。それを「無かった」ことにする勇気が無かったのだ。

     我ながら馬鹿馬鹿しい。今までだって多くの人の思いを無かったことにしてきたというのに。

     女として生きるルカ子を無かったことにした。父親と仲良く過ごす瑠美穂の生活を無かったことにした。ラボメンとして楽しく過ごした鈴羽の数日間を無かったことにした。

     だというのに、紅莉栖の――そして自分のことになると、途端にもこんなに惜しいものか。身勝手にもほどがある。

    25 :

    これ再放送?オリジナル?
    オリジナルなら数年ぶりだなシュタゲSS

    26 = 1 :

     気づけば、足は自然とラボへと向かっていた。

     今ラボメンと顔を合わせたとして、いったい何を話せばいいのだろう。

     ラボの鍵は開いていた。

    「ただいま」

    「おかえ……岡部!連絡つかないから心配したじゃない!」

     ラボに居たのは紅莉栖だった。

    「わた、私、まゆりの後を追って、あんたまで居なくなったらどうしようかって心配で……ヒグッ」

     俺は紅莉栖をそっと抱き寄せる。

    「悪かったな。心配かけた」

    「携帯も全然繋がらないし!何してたのよ、もう!」

    「……病院で電源を切ってそのままだったようだ」

    「馬鹿!馬鹿岡部!」

    「悪かったよ……」

     そっと紅莉栖の髪を撫でる。嗚咽が止まるまで、ずっとそうしていた。

     紅莉栖が落ち着いたところで、並んでソファーに腰掛ける。

     数日前までの距離間より僅かに近い。直接触れてはいないけれど、互いの体温は感じる微妙な距離。

     ささいなことだけれど、とても愛しく、そして惜しく感じられた。

    27 :

    紫煙

    28 = 1 :

    「それで……何があったの?岡部」

    「何とはなんだ?」

    「ごまかせるとでも思ってるの?今のあんた、酷い顔してるわよ……自分がまゆりを殺してしまったような……いや、まるで『これから大事な人を殺しにいくんだ』みたいな、怖い顔」

    「!!」

    「言っておくけど、まゆりの死に責任を感じてるなら筋違いよ。医者だって原因不明だって言ってたし、誰にも防げなかった……」

     いや。そうではない。俺が、俺が世界線を動かしたから……

    「違う、違うんだよ紅莉栖……」

    「じゃあ、何が違うって言うのか説明しなさい。岡部から聞いた話だと、今まで私は何度も相談に乗ってあんたのことを助けてきた。でしょ?
    遠慮せず頼りなさいよ。その、か、彼女なんだし」

    「分かった、お前には辛い話になるかもしれないが……と、前置きして話すのも二度目か」

    「知らないわよ」

     紅莉栖は苦笑した。

    29 :

    来年にはカオチャSSが立てまくられるだろう
    だろう

    30 = 1 :

    「何よそれ、ばっかじゃないの?まゆりの命と、私との関係。釣り合うわけないじゃない」

     紅莉栖は呆れていた。そりゃそうか。そうだよな。

    「私は大丈夫だから。まゆりを……私の大切な友達を、助けて。お願い」

    「そうだな、だが俺は……お前との関係を無かったことにしたくない」

    「私は大丈夫だと言って――」

    「お前じゃなく!俺が嫌なんだ!俺が!!お前と恋人同士でありたいんだ!!」

    「岡部……」

     最低だ、俺は。自分勝手なことを紅莉栖に怒鳴り散らして、いったい何がしたいんだ。

    「ごめんね、岡部」

     やめろ。謝るな。どうかしてるのは俺だ。

    「岡部の気持ち、考えて無かった。岡部がそんな風に思ってくれるの、とてもうれしい」

     別に紅莉栖の為と考えたわけじゃない。俺のエゴイズムだ。

    「……それでね、岡部。私に、提案があるのだけれど」

    「なんだ」

    「ええと、その……私と……え……」

    「何だ、はっきり言え」



    「岡部。えっち、しよ?」

    31 = 1 :

     ……は?今こいつはなんと言った?「えっち」とか抜かしたか?

    「こ、こっこっこのHENTAI処女があああ!こっちは真面目に話をしとるというに、何を言い出すかあ!」

    「わ、私だって真面目に言ってる!そ、それにもうすぐ処女じゃなくなるし……」

    「だぁまれセレセブHENTAI処女ゾンビがあ!」

    「だ、だって!まゆりを助けたら私たちは恋人同士になれないわけでしょ?そうしたら、する機会はもう来ない」

    「だから今のうちにしようと!?HENNTAIめ!」

    「じゃあ岡部はシたくないの?」

    「…………」

    「………………」

    「………………………………シたいが」

     そりゃ当然。恋人同士ならそういうこともしたい。

    32 = 1 :

    「それにね、岡部。岡部は世界線を越えても記憶を継続できるのよね?」

    「ああ、リーディングシュタイナーの能力でな」

    「私も、岡部ほど完全な形ではないかもしれないけど、世界線を越えて記憶を保持している。
    今、……することで強烈な記憶を残しておけば、その記憶をまゆりが生きる世界線へ持っていけるかもしれない。
    それに、今度の世界線移動は、跳躍ではなく少し揺れ動く程度なんでしょ?記憶を保持できる可能性は高いんじゃないかしら」

    「それは……そうかもしれないが」

    「今、この世界線の記憶を私も岡部も持っていけたなら……まゆりを生かすために、アトラクタフィールドに接触しないために、恋人同士になれなかったとしても……きっと頑張れるって、そう思わない?」

    「そう……かもしれないな」

    「だからね、岡部……えっちしよ?」

    33 = 1 :

     紅莉栖の考えは分かった。恋人になった記憶を持っておきたい気持ちは痛いほど分かる。だが……

    「だが断る」

    「……こんな時まで用語使うな」

     真面目にえっちがどうとか話してられるか。ちょっとくらい茶化さねばやってられんのだ。許せ。

    「俺とて不純異性交遊に勤しみたい気持ちはある。あるが、そういうものは必要に駆られて無理にするものではないだろう?必要が無くとも、お互いに求めあって行為に至る……そういうものではないかね、助手よ」

    「つまりヘタれたんですねわかります」

     お前こそ@ちゃんねる用語が漏れてるぞ。

    「……まあいいわ、私もその……いきなり最後まで、とかは怖かったし。無理しない範囲で記憶に残るような行為をするってことでどう?」

    「まあ、そのくらいならよかろう」

    34 :

    まゆりが死んだまで読んだ
    後でゆっくり読みにくるからちゃんと完結させてね

    支援

    35 = 1 :

    「そうと決まれば……ていっ」

     ソファに押し倒された。思い切り押された胸が少し痛い。

    「おまっ、何をする紅莉栖っムグ」

     そのまま口を塞がれてしまった。

    「ん……ぷはっ。時間は今日のうちしかないんでしょ?楽しむわよ」

    「まてお前、ここでか?誰か来るかもしれないぞ」

     まゆ氏が亡くなった直後に盛ってるとかマジありえねー、とかダルに言われたら……考えるだけでも死にたくなる。死なないが。

    「それもそうね、私のホテルに来なさい」

    「いいのか?ではお言葉に甘えて……おい紅莉栖、お前がどいてくれないと起き上がれない」

    「ホテルには行く、行くと言ったが、その時の指定まではまだしていない……岡部もそのことをどうか思い出して頂きたい……もう1回、キスしてからでもいい?」

     結局、ホテルへと向かったのは5回ほどキスをした後のことだった。

    37 = 1 :

    「おーかべー!」

    「のわっ!」

     ホテルに着くなり、ベッドに押し倒されてしまった。

    「ムフフ……ここなら遠慮なく何でもできるわよー」

    「おいどうしたのだ紅莉栖そのテンションは」

     明らかに紅莉栖のテンションがおかしい。無理して明るくしているような……

     そうか。きっと俺がまゆりのことを意識しないようにしてるんだな。

    「さて、何からしようかしら、まずは……この辺の味見を……はむ」

    「んっ……くぅ」

     いきなり耳たぶをくわえられた。紅莉栖の鼻息が耳にかかってこそばゆい。

    「レロ……チュプ……岡部、女の子みたいな声出てる。かわいい。気持ちいいの?」

     ええい、耳元で囁くな、耳元で!

    「ちょ、ちょっと驚いただけであって、ンむ!こら、そんなに舐めるな!」

    「ンチュ……ジュル……駄目?」

     駄目かどうかと聞かれれば。

    「駄目じゃないが……んっ!」

    「ふふ……岡部の反応面白いわね……これは全身くまなく、調べなくちゃ」

    38 = 1 :

     いかん、紅莉栖の目が完全に実験大好きっ子の目をしている。

     俺はさながら被験体だ。

    「次は首に行ってみようかしら……ん、岡部?」

    「い、息が……かかって……」

     紅莉栖が顔を移動させ、首筋に吐息がかかる。産毛が僅かに揺られるその感覚に、ビクリと体が反応をする。

     首など自分で触ってもなんともないのに。愛する人と体を密着させ、愛する人に触れられると、ささいな刺激が稲妻となる。

    「へえー。息だけでこんな反応だなんて、舐めたらどうなっちゃうのかしら。行くわよ」

     紅莉栖は軽く首筋にキスをした後、ペロペロと舐め始めた。微妙な舌先の動き一つ一つに体が跳ね上がってしまう。

    「岡部って首筋弱いんだー、本当に面白い。
    ……くすぐったさっていうのは動脈が近い危険部位を触れられた時の信号だっていうけれど、危険信号を気持ちよく感じちゃうのって不思議ね。
    危険を勘違いするって意味では、吊り橋効果に近いのかしら?じっくり研究してみたいわ」

    「べ、別に気持ちよくなど」

    「ないの?」

    「……あるが」

    「ふふ、素直な岡部って本当にかわいい」

     面白い実験が出来て生き生きとしてる紅莉栖もなかなか可愛いぞ。

    39 = 1 :

     だが、やられっぱなしというのは性に合わない。

    「吊り橋効果というよりは、ジェットコースターなどに近いのではないか?」

    「え?どういう意味?」

    「ジェットコースターは言わば『安全の保障された危険』を楽しむ遊びだ。今やっていることも似ていると思わないか?安全が保障されているからこそ……信頼しきっている相手だからこそ良いのだ」

    「面白い見解ね。検証してみる価値はあるか――」

    「ならばその検証、お前の体でやってやろう!」

    「きゃあっ!ちょっと、岡部!」

     体を返し紅莉栖の上に覆いかぶさる。

     やられた分はきっちりやり返してやろう。

     約束した明日の正午まで、時間はまだまだあるのだから。

    40 = 1 :

    「そろそろ時間か」

     午前11時。まだ寝ている紅莉栖の頭の下から、そっと腕を引き抜き起き上がる。

    「んぅ……すぅ……」

     良かった、起こさずにベッドを抜け出すことが出来た。

     起きて下手に話をしてしまうと、名残り惜しくなってしまうだろうからな。

     紅莉栖が寝ていてくれて助かった。

    「さて、服を着なければ……なんでこんな所まで服が吹っ飛んでいるのだ?ええとこれとこれと……そっちは紅莉栖の下着だな、見なかったことにしよう」

     ちなみに今は二人とも全裸だ。「実験」をするために邪魔だったのだからしょうがない。

     紅莉栖の奴、本当に全身くまなく検証したからな……

     念のために、まだ俺が童貞であることも併せてお伝えしておこう。

     ヘタレなのだ。ご了承ください。

     いそいそと服を着て、準備を整える。

    「さて、さらばだ紅莉栖。また、二日前に会おう」

     紅莉栖の髪をそっと撫でる。

    「お前の記憶が、少しでも引き継がれることを祈るよ」

     そう小声で言い残し、俺はホテルを後にした。

    41 = 1 :

    「オカリンおじさん、待ってたよ」

     ラジ館の屋上では約束通り鈴羽が待っていた。

    「タイムリープの時間設定はどうする?」

    「今から約47時間前、二日前の午後1時で頼む」

     そうすれば、おそらく紅莉栖と一緒にラボへと向かっているくらいのタイミングのはずだ。

     後は、ラボについた後に俺が告白しなければ良い。

    「分かった……準備できたよ。こっちでやり残したことはもう無い?」

    「大丈夫だ……いや待て、行く前に確認しておきたいことがある。」

     俺はヘッドギアを被りながら一つ尋ねる。

    「お前、2048年から来たって言ってたよな?ということは今はさんじゅっ」

    「女性に歳を聞くんじゃない!跳べよおおおおおおお!」

    「う、うおおおおおおお!」

    42 = 1 :

    「――ハッ」

    「どうしたの岡部?すごい汗……」

    「なんでもない……ちょっと恐ろしい形相で睨みつけられただけだ……」

    「恐ろしい形相って……そんな人いた?どこ?」

    「もういない、大丈夫だ」

     話しながらそっと携帯の時計を確認する。

     確かに、二日前の午後1時に戻ってきていた。

    「ところで紅莉栖、俺の一番の『弱点』を知っているか?」

    「弱点?なんの話よ?……とりあえず、脳に電極挿しまくったら死ぬわよね」


     ……どうやら。

     紅莉栖は、『実験結果』を覚えていないらしい。


    「そうか……ならいい」

    「ならいいって、何よ今の質問は」

    「いいんだ、気にするな」

     紅莉栖に顔を見られないようにしながら、ラボへと歩いた。

    43 = 1 :

     ラボへ戻っても、俺は予定通り交際を申し込まなかった。


     それからは特筆すべきことは何もない。

     まゆりは翌日になっても死ぬことは無かった。3年が経った今も、元気に暮らしている。

     紅莉栖はアメリカへと戻り、物理的距離の離れた俺たちは自然と疎遠になった。

     稀に機会があれば会うこともある程度の、遠くの友達。

     まゆりなどはメールなどでやりとりをしているようだが、俺はほとんど連絡も取らなくなっていた。


    「――これで、いいんだ」

     そう、俺には僅かな時間とはいえ紅莉栖と恋人同士だった記憶が確かにあるのだから。

     紅莉栖の方だって、そのうち何かのきっかけで思い出すかもしれない。

     それだけで、俺は頑張れる。この世界線を、生きていける。



     そう、思っていた。

    44 = 1 :

    前半終了、呼ばれたのでちょっと離席

    45 :

    支援
    完走がんば

    46 = 1 :

    「紅莉栖……」

     昔を懐かしみ、半ば無意識に名前が口からこぼれる。

    「おお?オカリンの口から見知らぬ女性っぽい名前が出た件について。しかもなんか物憂げな表情。ちょっとkwsk」

     ラボに居たダルが、何故か食いついてくる。

    「見知らぬってなんだよ。紅莉栖だぞ、牧瀬紅莉栖。お前もよく知ってるだろ?」

    「牧瀬……紅莉栖?誰なんだお?あれだけフラグを立てておきながら誰とも付き合わなかったオカリンにもついに春が来たのかお!?」

     何をふざけているんだこいつは。

    「何を言ってるんだ、牧瀬紅莉栖。17歳にして飛び級で大学を卒業した天才少女にして、我がラボのNo.004だ」

    「はあ?No.004は桐生氏っしょ常考。ってか天才少女がこんなラボに入る意味が分かんねーし。それ、オカリンの脳内の住人?」

     駄目だ、ダルでは話にならない。

    「まゆり、まゆり!」

    「どうしたのオカリン?そんな大声出さなくてもまゆしぃは聞こえるのです」

    「まゆりは覚えてるよな?紅莉栖のことを……この間もメールしたと言っていただろう!」

    47 = 1 :

    「くりす……ちゃん?まゆしぃのお友達にはくりすって名前の子はいないかなー」

    「何を……」

     何を、言っているんだ。まゆりは。

    「でもね、なんか懐かしい気がする名前なのです。オカリンの知り合いなら、会ってみたいなー」

    「……そうだな、会わせてやるよ」


     この状況は、何度も経験してきた。

     周りの人間と、俺だけが話が噛み合わない。記憶に齟齬がある状態。これはまさに。

     ――世界線移動。

     ならば、俺のやるべきことは決まっている。


    「まゆり、必ずお前を紅莉栖と会わせてやる!」

     紅莉栖のいない世界など……俺は認めない!

    「お、オカリン?」

    「待っていろ、まゆり!」

     俺はラボを飛び出した。

    48 = 1 :

     走りながら携帯でネットを調べるが、結果は予想通り。

     牧瀬紅莉栖という人間がいた痕跡は一切なかった。間違いない、紅莉栖が居ない世界線に、リーディングシュタイナーの発動しないうちに移動している。

     なぜ世界線が動いてしまったかは分からない。

     だが、世界線を元に戻すならば電話レンジないしはタイムリープマシンが必ず必要になるはずだ。

     記憶を頼りにいくつもの店を回り、パーツを集めていく。

    「岡部倫太郎!」

     具体的にどうすれば元の世界線に戻れるかは分からない……だが、それを考えるのは電話レンジを作りながらでも良いだろう。

    「ちょっと、岡部倫太郎ってば!」

     誰だ、やかましい!今俺は忙しいのだ!

    「悪いが今は急いでいる、さらば……って、鈴羽サ―ティではないか」

    「さ、サ―ティ……なにその失礼な呼び方は!」

     ドビシィッと音を立ててローキックが突き刺さる。左ふくらはぎが破裂するかと思った。

    「ちょ、ちょっとした冗談だ、鈴羽よ。して、要件を聞こうではないか」

    「うん、でもここじゃちょっと話づらいから……」

    「ラジ館屋上か?」

    「さっすが岡部倫太郎、分かってるじゃん」

    49 = 1 :

     鈴羽と共にラジ館へと向かった。発砲を受けて壊れた鍵を見るのも、これで何度目だろうか。

    「それで鈴羽よ、何故お前がこの時代に来たか説明してもらおう。あれ?鈴羽?」

     鈴羽の姿が見えない。確かに俺より少し早く屋上に入ったはずだが。

    「おーい鈴羽?ったく、なんの遊びだ」

    「岡部倫太郎!ここだよここ」

    「うおっ?」

     目の前に鈴羽が突然現れた。何もない所から現れたように見えたぞ。なんだこれは、新手の未来ガジェットか?

    「ごめんごめん、ちょっと色々と不安定でさ。いきなり消えたり現れたりするかもしれないけどそういうもんだと思って」

     は、はあ?何を言ってるのかこいつは。

    「普通、人間は消えたり現れたりせんぞ」

    「まあまあ、その辺も説明するから。
    ――私は2048年、第三次大戦が起きた未来から来た。その未来を変えるためにも、岡部倫太郎。君には、牧瀬紅莉栖を救ってもらいたい」

     また、どこかで聞いたような話だな。

    「俺もつい先ほど紅莉栖救出の為に動き出したところだ。とりあえず電話レンジ作成に着手したが、何故紅莉栖が消えたかが把握できていない。それについてはどこまで分かっている?」

    50 = 1 :

    「それについては……あれを見てもらうのが分かりやすいかな」

     鈴羽はタイムマシンのハッチを開け、中から何かを取り出した。

    「それは、ダイバージェンスメーターではないか」

     いつか見たのと同じ……いや、桁数が一つ多いか?とにかくそっくりのダイバージェンスメーターだった。

     表示されている数字は、1.048956――最後の一桁が読めない。チカチカと表示が次々に変わり、時には数字が重なっていることもある。

    「これ、未来の岡部倫太郎が作った世界線の座標を表示する装置なんだけどさ。最後の一桁が常に動いてるでしょ?今まさにこの世界線は微小な変動を繰り返している極めて不安定な状態なんだ」

    「不安定、か。同じことを別の阿万音鈴羽にも聞いたぞ。SG世界線は稲妻のように常に揺れ動いていると」

    「それだけならここまで不安定になることはないんだけどね。この世界線は、β世界線のアトラクタフィールドに捕まってしまった」

    「……」

     せっかくα世界線のアトラクタフィールドを脱したというのに、今度はβ世界線か。

     2本の導線に挟まれたわずかな隙間に、電流を通す。SG世界線はまさに、奇跡の産物なのだろう。


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