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元スレ楽「俺、小野寺と付き合うことになったから」千棘「!?」
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集「すごいこと、考えるね。俺、そんなつもりで君に、鍵を渡したんじゃないんだけど」
千棘「……でしょうね。ごめんなさい。軽蔑、した?」
集「……というより、引いてるかな。桐崎さんは只者じゃないとは思ってたけど、ここまでする人だとはね……」
千棘「……」
集「特に桐崎さんをすごいと思うのは、俺が君に協力をするって、本気で思ってそうなところだ」
集「俺は基本的に、小野寺と楽がくっついてくれて、嬉しいと思ってる立場なんだ」
千棘「……そう、ね。報告を受けて、もらい泣きしたって、言ってたものね」
集「いや、泣きそうになっただけ。……とにかく、この作戦が成功して、桐崎さんと楽がくっついたとしたら……」
集「あの二人の関係は、壊れちゃうよ? 桐崎さんは、あの二人の恋人関係を、ぶっ壊したいの?」
千棘「……違う」
集「でしょ? だったら――」
千棘「違う。壊すのは、私じゃない。アイツ自身よ」
集「……ほう」
ジャンプのゴリラキャラっていい奴ばっかりなのになんでニセコイのゴリラはクズなの
千棘「私とアイツがくっつくってことは、アイツが小野寺さんじゃなくて、私を選ぶってことなんだから」
集「……そうだね」
千棘「小野寺さんとの関係を壊してまで、私と付き合うって、ことなんだから……」
千棘「私との関係を壊してまで、小野寺さんと、付き合ったように……」
集「……」
千棘「だから壊すのは、アイツ自身。アイツが自分で選んで、小野寺さんとの関係を、壊すの」
千棘「アイツが夢だったっていう、小野寺さんとの関係を、アイツ自身が、壊すの」
集「……桐崎さん?」
千棘「でも、そうなっても仕方ないわよね」
千棘「だっていくら小野寺さんが美人で清楚で、可憐でおしとやかで、笑顔が素敵な、理想の女の子でも――」
千棘「――『約束の女の子』である私には、敵わないものね」ニコッ
集「……うわお」
舞子もう返事するのもメンドくなってるだろwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
集「……あっはは。只者じゃないどころか、今の桐崎さんはもはや、クレイジーだよ」
千棘「……失礼ね。そんなこと」
集「あるよ。大体こんな作戦、失敗するに決まってるじゃん」
千棘「……」
集「鍵が桐崎さんのものだと、楽が信用する保証もない。鍵がペンダントの鍵穴に、入る保証もない」
集「そもそも、あいつが小野寺じゃなくて『約束の女の子』を選ぶって保証も、ない」
千棘「……分かってるわよ。失敗する可能性の方が、高いくらい」
集「成功する可能性なんて、ないに等しいよ。そもそも――」
集「桐崎さんが鍵で、楽のペンダントを開けたことを、小野寺が知ったら、どうするの?」
集「絶対、怪しまれると思うよ? 『私の鍵を、使ったんじゃないか』って」
千棘「だから、あなたに協力を頼んでるんじゃない」
集「……マジかよ、この女」ボソッ
千棘「そこら辺の細かいところをフォローするのが、あなたの役目。あなたには、なるべくこの作戦の成功率が上がるように、裏で動いてほしいの」
集「忍者じゃないんだからさ……。どんだけ都合の良いキャラだよ、俺」
千棘「いくらでも、やりようはあるでしょ? ようは小野寺さんを、諦めさせてくれればいいのよ」
千棘「『桐崎 千棘が約束の女の子で、小野寺 小咲の鍵は結局、ペンダントとは何の関係もなかった』……ってね」
集「……あのさぁ。俺が最初に提案した作戦じゃ、ダメなの? 楽と仲直りしたいなら、あの作戦が一番だと思うよ?」
集「……今なら全部、聞かなかったことに、してあげるからさ」
千棘「聞かなかったことになんて、しないで。あなたには、協力してもらうんだから」
集「……」
千棘「ダメなの、仲直りするだけじゃ。あいつとはまた、恋人同士にならないと」
集「ニセモノの、だろう?」
千棘「ホンモノの、よ」
集「……なんだそりゃ。じゃあやっぱり楽のこと、好きだったんじゃん」
千棘「……」
もう抗争は目的じゃなく口実でしかないね
自分のことしかかんがえてないよこのゴリラwwwww
自分のことしかかんがえてないよこのゴリラwwwww
千棘「……そうなの、かな」
集「知らないよ。でもアイツとホンモノの恋人同士になりたいっていうのは、そういうことだろ?」
千棘「……そっか。そうだよね」
千棘「私、いつの間にかアイツのこと、好きになってたんだ」
千棘「嫌いだって、ずっと思ってたのに……。ずっと、言ってきたのに……」
千棘「いつからだろ……。なんで、だろ……。なんで、あんなヤツのことなんか……」
集「……仕方ないな」
千棘「えっ……?」
集「協力、するよ」
協力、するよ(千棘と楽をくっつける協力をするとは言ってない)
集「正直成功率は相当低いだろうし、失敗した時の君へのリスクは、計り知れない」
集「それに、俺がここで協力する可能性だって相当低いし、俺がここで断った時のリスクも、また大きい」
集「作戦の内容自体も、人の鍵を使って自分が『約束の女の子』だと偽るって……。君は、魔女か何かか?」
集「俺がせっかく提案した素晴らしい作戦を、蹴ってまで……。こんなリスクだらけで汚い作戦を、とるなんて。正気の沙汰とは、思えないよ」
集「――だけど、協力してあげる」
千棘「な、なんで……?」
集「俺はノリが良いからね。そこまでのリスクを負って頼んでくれてるのに、それを無下にするのも、ねぇ」
集「なにより、面白そうだしね」
千棘「いいの……? 小野寺さんとアイツが、別れることになっても……」
集「いいわけない。多分本当に成功しちゃったら、俺は君を恨むだろうね」
集「でも成功する可能性は、限りなく低い。でもでも万が一成功しちゃったら、破滅」
集「……スリルがあって、面白いじゃん?」
千棘「あんたの方こそ、クレイジーよ……」
893の息子と付き合うとか小野寺頭悪いだけあって考えなしだな
集「それに単純に、興味もあるし……」
千棘「興味……?」
集「なんでもない。とにかく、俺が色々とサポートするから、細かいことや事後のことなんかは気にせず、派手にやっちゃいなよ」
千棘「……信用して、いいのよね? 裏切らないでよ?」
集「確かに俺が裏切ったら、全部台無しだもんね。ま、裏切らないけど」
千棘「お願いね。舞子くん……。私も、頑張るから」
集「……うん。頑張ってね」
集「……ふふっ。すまんな、楽よ。俺は、桐崎さんの方に手を貸すことにしたよ」
集「このままいけば、順調にお前の『計画』通りだったのかな……? でもそれじゃ、面白くないもんな」
集「さてお前は、小野寺と『約束の女の子』、どちらを選ぶ? くくっ。面白くなってきた――」
――
放課後
楽「とうとう、見つからずか……」
小咲「あはは……。流石にもう、諦めがついたよ。もう遅いし、帰ろ?」
楽「そう、だな……。帰るか……」
集「よう、楽、小野寺。鍵は結局、見つからなかったのか」
楽「ああ、残念ながらな……」
小咲「うん。でも私はもう、大丈夫だよ」
集「そっか。あっ、そういえば、今日の二人を見て、思い出したんだけど」
集「結構前に、桐崎さんも、鍵を失くしたって俺に言ってきたことがあったな」
小咲「えっ? 桐崎さんも、鍵を……?」
集「ああ。いつだったかな……。大事な鍵らしくて、酷く焦ってたよ。俺も一緒に、探してさぁ」
集「……まあ、結局すぐに見つかったんけどね。それだけなんだけど」
楽「見つかったのかよ。なんだその話……。もう帰っていいか?」
集「うん。ばいばーい」
千棘「……」
千棘(やるわね、舞子くん。これで私が鍵を持っていても、不自然じゃなくなったわ)
千棘(……さて、二人の後をつけなきゃね)
千棘(あの二人はやっぱり一緒に、帰るのね……。なら二人が別れて、アイツが一人になってからが、勝負よ)
千棘(この鍵で……。あいつのペンダントを、開けるのよ)
千棘(小野寺さんには、悪いけど……)
千棘(アイツの恋人には、私がなる)
千棘(だって、ようやくこの気持ちに、気づけたんだもの……)
千棘(……これで、決着がつく)
千棘(失敗はもう、恐れない。ここで全部、終わらせるんだ――)
――
帰り道
楽「今日の弁当も、うまかったよ。多分、昨日よりな」
小咲「ほ、ほんと? 嬉しいな。昨日よりももっと、はりきって作ったの」
楽「……本当のこと、言っていいか」
小咲「え、なに?」
楽「正直、この前までの弁当は……。そんなに、うまくなかった」
小咲「えっ……」
楽「いや、ごめん。まずかった。うまいって嘘ついて、我慢して、食べてたんだ」
小咲「そ、そんな……」
楽「……ごめん。でもな、小咲。昨日と今日の弁当は、本当にうまかったんだ」
小咲「……」
楽「嬉しかった。小咲が、頑張ってくれてるのが、伝わってきて……」
楽「料理、上手くなってるよ。小咲」
小咲「……そう、かな」
楽「最初は、ダメでいいんだと思う。俺たちまだ、付き合ったばかりだし……」
楽「でも徐々に二人で成長して……。良い恋人同士に、なっていくんだと思う」
小咲「……」
楽「小咲も、言ってたろ? 俺と付き合ってからは、『初めて』の連続だって」
楽「そうやって、いろいろ経験して……。二人で、大人になっていくんだ」
小咲「楽くん……」
楽「だから、小咲が努力して、成長してくれたのが……。単純に俺は、嬉しいよ」
小咲「……でもやっぱり、ショックだな。最初は、まずかったんだ」
楽「うっ……。そ、それは」
小咲「ふふっ。知れてよかった。私もっと、頑張るから」
楽「……はは、その意気だ」
千棘(……やっぱりこの二人の仲を裂くのは、心が痛むかも)コソコソ
千棘(でも、やるのよ。やるしかないのよ、私……)
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