元スレまどか「あの子の名前を」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ○
51 = 1 :
ほむら(………もしかしたら……)
この魔女は、さっきメスを取り出すときに、何かから受け取るような素振りを見せた。
そして、台座が邪魔で見えないけど、何やら近くにわらわらと蠢くものの気配がする。
――あの時、爆弾を貼り付けた使い魔が近くにいるのかもしれない。
54 = 1 :
ほむら「……ッ」
――迷ってる暇はない。
躊躇ってる時間もない。
ほむら「……ッ!」
カチッ
――私は形骸化した盾と連動させた起爆装置を作動させた。
55 = 3 :
さる回避
56 = 1 :
ドゴォ!!!
魔女『アギャアアア!!?』
使い魔『・・・!!?』
ほむら「……ぐッ…!」
58 = 1 :
ほむら「……ッッ」
――上手くいった。
…何とか絶体絶命の窮地を脱することができた。
ほむら「……」
台座が上手く爆発を緩和してくれたようで、私の損傷は爆砕した手術台の木端によるかすり傷と、片方の鼓膜を少々傷めたのみ。
想定よりも非常に軽微なものだった。
日頃の行いにも因果にも自信はないけれど、なんという僥倖だろう。
素早く体の具合を確かめてすぐさま立ち上がり、対敵である魔女を見据える。
59 = 3 :
いいペース
60 :
しえん
61 = 1 :
魔女『アギャー!! アギャー!!』
ほむら「……」
この魔女にとっての肉体であろう手術衣が大きく裂け、そこから結構な量の血のようなものが吹き出している。
魔女『アギャギャ! アギャ!』
使い魔『・・・! ・・・!』ワサワサ
魔女が何かしらの指示を出したからか、使い魔たちが手負いの魔女に群がる。
――どうやら大きな傷を負った際は使い魔に治療させるらしい。
62 = 1 :
ほむら(今なら…!)
盾から手榴弾を取り出してピンを抜き、すぐさま魔女に投げつける。
魔女『ギャ!?』
――二度目の爆音が響く。
63 = 3 :
しえんぬ
64 :
支援
65 = 1 :
ほむら「……ッ」
……仕留め損なったか。
魔女『アギャギャ! アギャギャ!』
手榴弾はピンを抜いて爆発するまでラグがある。
その隙に――その短時間に治療を終え、見事に爆発を回避したようだ。
66 = 3 :
さるよけ
67 = 1 :
魔女『アギャー! アギャー!』
魔女は酷くご立腹なようで、先ほどのメスと、どこからか取り出したハサミを手に早くも臨戦態勢に入っていた。
ほむら「……」
爆撃は有効、か。
銃撃はいまいち。
――なら斬撃ならどうか。
ほむら(…備えあれば患いなし、ってとこかしら…)
68 = 1 :
――時間操作能力を喪失する前。
暴力団関係と思しき事務所から、どうにもきな臭い物品を拝借していたとき。
その際に見つけた、日本刀。
どんくさい私のことだからと使えないと思ったけど、後で何かの役に立つかとも思い、ついでにと取っておいたものだった。
69 = 3 :
さる
70 = 1 :
ほむら「……」スッ
盾から日本刀を取り出し、鞘を抜く。
刀身は怪しく艷やかで、抜き身になった刀は空恐ろしく思えたけど、今はそれも頼もしく感じる。
ほむら(剣術の素養なんて持ち合わせていないけど……)
ほむら「………」
片手に持った鞘をどうするか考えていたら、どうやら痺れを切らしたらしい魔女が怒り心頭といった様子で駆け出してきた。
71 = 1 :
――来る。
魔女『アギャギャギャギャア!』
私は鞘を投げ捨て、柄を両手で持ち直し、縋るような気持ちで力を込めた。
ほむら「…ッッ!!」
―――――
―――――――――
―――――――――――――――
73 = 3 :
おーさるさーんだよー
74 = 1 :
魔女『アギャアァ!』ブンブン
ほむら「……ッ…、………ッ!」カッ…キィン…
――攻撃が深く入らない。
さっきから斬り合っては離れ、斬り合っては離れといったことの繰り返し。
こっちの攻撃は魔女の手術衣を浅く裂くだけで、それも次の斬り合いでまみえる頃には跡形もなく再生してしまっている。
私は魔女の攻撃をかろうじて捌きつつも、並々ならぬ腕力に圧倒され、何度も突き飛ばされつつも何とか命からがら応戦しているといった感じだ。
76 = 3 :
あーいあい
78 = 1 :
もちろんこちらが無傷ということはない。
体には無数の細かな裂傷が刻まれている。
こちらが劣勢なのは一目瞭然だ。
ほむら「……ッッ」
……一撃だけでいい。
下準備はさっき終えた。
後は破れかぶれでも、こいつに一太刀浴びせることができたら。
先と同じように使い魔たちに治療させることができたら――。
81 = 1 :
刃を交える度に、冷や汗を伴った緊張が走る。
普段の、銃火器の使用を主として戦う時とはまた別種の命のやりとりに身が縮む。
さっきから細かな隙を見つけては目ざとく斬りかかっているが、どれも決定打には至らない。
ほむら(……隙を作る必要があるわね……)
82 = 3 :
しえん
83 = 1 :
ほむら(この魔女に銃撃はあまり効果がない。でも決して無効というわけでもない…)
ほむら(この魔女は自己修復能力があっても、痛みに対して鈍いということは無かった…)
ほむら(なら…!)スッ・・・
魔女『アギャアアアア!』ドタドタドタ
ほむら「…ッ!」チャキッ
パパンッ
85 :
86 = 1 :
魔女『アギャアア!?』
ほむら(今だ…ッ!)
脳天を打ち抜かれて悶絶する魔女に対して一気に詰め寄り――。
その胴体を、大きく切り裂いた。
魔女『アギャアアアアアアアアア!!!!』
今までよりも一際大きい、絹を割くような悲鳴が響き渡る。
88 = 1 :
魔女『アギャァ!! アギャー!!』
――この使い魔たちは、魔女が大きな傷を負った時に魔女に群がり、その傷口を治療している。
使い魔『・・・! ・・・!』ワラワラ・・・
ほむら「……」
魔女との鍔迫り合いの中、私はわざとこの使い魔の群れに突き飛ばされるように流れを誘導していた。
使い魔『・・・! ・・・!』アセアセ
そしてその使い魔たちの中に突き飛ばされたとき、どさくさに紛れて先と同じように数体に爆弾を貼り付けた。
89 = 3 :
しししし
90 = 1 :
ほむら「……」スッ
後はその使い魔の習性を利用するだけ……!
魔女『アギャギャ! アギャ!』
使い魔『・・・! ・・・!』ワサワサ
93 :
ほむほむ
94 = 1 :
ほむら「…これで…終わりよ……!」カチッ
ピピ・・・゚ピピピピピ・・・
魔女『ア――』
―――――
―――――――――――
――――――――――――――――――――
96 = 3 :
しえんた
97 = 1 :
――シュウウゥゥ・・・
キィン・・・
コロロロロ・・・
・・・ポトリ
ほむら「………やった…」
今回も……生き延びることができた。
100 = 1 :
ほむら「……」
張り詰めていた緊張の糸が切れ、思わずその場にへたりこんでしまう。
GS『 』コロコロ・・・
ほむら「……」
私の善戦を労うかのように、都合よくこちらにグリーフシードが転がってくる。
みんなの評価 : ○
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