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元スレ男「最近、変な声が聞こえるんだけど」
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猫『おい、ガキ。それでおまえさんはどうするんだい?』
男「どうするって、そりゃ…」
猫『このデブ猫いうことを、一から十まで信用すんのか?』
男「……」
猫『おれはどっちだって良いんだぜ。ただ、おまえには話が通じるから話しているだけなんだ』
男「…まずは俺が確かめる」
猫『お?』
男「確かにお前の言うとおり、たかが猫が言ってることだ。信用も出来ない」
男「…けれど、放っても置けない」
猫『ガハハ! さてはガキ、お人好しってやつだな?』
男「うっせ」
男「どうするって、そりゃ…」
猫『このデブ猫いうことを、一から十まで信用すんのか?』
男「……」
猫『おれはどっちだって良いんだぜ。ただ、おまえには話が通じるから話しているだけなんだ』
男「…まずは俺が確かめる」
猫『お?』
男「確かにお前の言うとおり、たかが猫が言ってることだ。信用も出来ない」
男「…けれど、放っても置けない」
猫『ガハハ! さてはガキ、お人好しってやつだな?』
男「うっせ」
猫『いやこの場合だと、お猫好しってやつか。こりゃまた面倒くせぇなぁ!』
男「…自殺だなんて、そう簡単に…ハイそうですかって聞き入れられるかよ」
猫『期待してるぜ。なんせ、おれの数少ない食事をくれる人間様なんだからよぉ』
男(…とんでもねえことに巻き込まれちまったな。俺がどうにか出来るのかって、そんなのわからん)
男(問題自体が俺に解決できるものなのか?)
男「…自殺か」
~~~
男(とりあえず放課後になったが、あの女の後をつけてみよう)すっ
女「……」スタスタ
男「…どう見ても俺、不審者だよな」
猫『だなぁ』
男「うおおっ!? ね、猫!?」
男「…自殺だなんて、そう簡単に…ハイそうですかって聞き入れられるかよ」
猫『期待してるぜ。なんせ、おれの数少ない食事をくれる人間様なんだからよぉ』
男(…とんでもねえことに巻き込まれちまったな。俺がどうにか出来るのかって、そんなのわからん)
男(問題自体が俺に解決できるものなのか?)
男「…自殺か」
~~~
男(とりあえず放課後になったが、あの女の後をつけてみよう)すっ
女「……」スタスタ
男「…どう見ても俺、不審者だよな」
猫『だなぁ』
男「うおおっ!? ね、猫!?」
猫『おぅ。さっきぶりだな!』
男「…なんだよ、付いてきたのか」
猫『おっちゃんは心配なんだよ。あんま頼りにならねえ奴に頼んじまったってな』
男「なんだその言い草は…」
猫『いいじゃん、ちょっとぐらい付き合わせろって。おっ? そうこういってるうちに、どっか行っちまったぜ?』
男「えっ? マジかよ! ……見失っちまっった…」
猫『ばかだなーおまえー』
男「うるせ! くそ、何処に言ったんだアイツ…」
猫『聞いてみればいいじゃね?』
男「…誰にだよ」
猫『ほれ。あそこに居る犬に』
男「…なんだよ、付いてきたのか」
猫『おっちゃんは心配なんだよ。あんま頼りにならねえ奴に頼んじまったってな』
男「なんだその言い草は…」
猫『いいじゃん、ちょっとぐらい付き合わせろって。おっ? そうこういってるうちに、どっか行っちまったぜ?』
男「えっ? マジかよ! ……見失っちまっった…」
猫『ばかだなーおまえー』
男「うるせ! くそ、何処に言ったんだアイツ…」
猫『聞いてみればいいじゃね?』
男「…誰にだよ」
猫『ほれ。あそこに居る犬に』
男「犬にって…あの犬?」
犬『……』
猫『おう。あの人間さんに家畜のように飼われてる、哀れな生き物によぉ』
男「なんかペットに恨みでもあるのかよお前……だ、だけど聞いてみろってさ…」
犬『……』ぴく
男(…犬種は、ラブラドールって奴か)
男「あのよ、そこの犬……ちょっと俺の話し聞いてくれるか」
犬『ほぅ』
男「…なんだよ」
犬『人間。貴様の声がわかるぞ、音でもなく、音程でもなく、我と同じ仲間と同様に聞こえるぞ』
猫『なんだこのしゃべり方…』
男「そ、そっか。そんな人間も居るんだぜたまには…」
犬『……』
猫『おう。あの人間さんに家畜のように飼われてる、哀れな生き物によぉ』
男「なんかペットに恨みでもあるのかよお前……だ、だけど聞いてみろってさ…」
犬『……』ぴく
男(…犬種は、ラブラドールって奴か)
男「あのよ、そこの犬……ちょっと俺の話し聞いてくれるか」
犬『ほぅ』
男「…なんだよ」
犬『人間。貴様の声がわかるぞ、音でもなく、音程でもなく、我と同じ仲間と同様に聞こえるぞ』
猫『なんだこのしゃべり方…』
男「そ、そっか。そんな人間も居るんだぜたまには…」
犬『左様か。ならば聞くこととはなんだ、我の耳は遠い……出来れば大きな声で頼む』
男「お、おう。あのな、さっきここを通った女の子のことなんだが…」
猫『耳が遠いんじゃ、目も見えてないんじゃね?』
男「うっさいな、ちょっと黙っとけ」
犬『おなご、か。ふむ、見たといえば見たな。見てないとも言えぬが』
猫『あーだめだこりゃ。ボケちゃってるよ。おっちゃんでもわかる、このジジ犬もうだめだ』
男「……髪が真っ黒で、こう、ぼんやりしてる感じの子なんだが」
犬『ああ、なるほど。我にたまに菓子をくれる人間か!』
男「菓子?」
犬『うむ。しょっぱくて、辛くて、犬の我には少し塩分がきつすぎるのだがな…欲望には勝てん。甘じて食べておる』
猫『その気持わかるわー』
男(もうやだこの会話)
男「お、おう。あのな、さっきここを通った女の子のことなんだが…」
猫『耳が遠いんじゃ、目も見えてないんじゃね?』
男「うっさいな、ちょっと黙っとけ」
犬『おなご、か。ふむ、見たといえば見たな。見てないとも言えぬが』
猫『あーだめだこりゃ。ボケちゃってるよ。おっちゃんでもわかる、このジジ犬もうだめだ』
男「……髪が真っ黒で、こう、ぼんやりしてる感じの子なんだが」
犬『ああ、なるほど。我にたまに菓子をくれる人間か!』
男「菓子?」
犬『うむ。しょっぱくて、辛くて、犬の我には少し塩分がきつすぎるのだがな…欲望には勝てん。甘じて食べておる』
猫『その気持わかるわー』
男(もうやだこの会話)
男「その女の子なんだが、えーっと、どこにいったか分かるか?」
犬『探しておるのか? なるほどな、では早めに見つけてくれ』
男「え、どうして?」
犬『我は犬だ。人間とは違って、また異なった観点で物事を見つめることが出来る』
猫『早く本題に移れよ』
男「だぁーもうお前は黙っとけよっ」
犬『その人間。悲しんでおるぞ』
男「えっ?」
犬『顔がいつも泣いておるのだ。我に菓子をくれる時も、くれぬ時も…』
犬『…この道を通るとき、おなごは何時も悲しんだ匂いを発しておる』
男「そんなの、わかる……もんなのか」
犬『我は犬なり。ただ、それだけはわかるのだ』
犬『探しておるのか? なるほどな、では早めに見つけてくれ』
男「え、どうして?」
犬『我は犬だ。人間とは違って、また異なった観点で物事を見つめることが出来る』
猫『早く本題に移れよ』
男「だぁーもうお前は黙っとけよっ」
犬『その人間。悲しんでおるぞ』
男「えっ?」
犬『顔がいつも泣いておるのだ。我に菓子をくれる時も、くれぬ時も…』
犬『…この道を通るとき、おなごは何時も悲しんだ匂いを発しておる』
男「そんなの、わかる……もんなのか」
犬『我は犬なり。ただ、それだけはわかるのだ』
男「………」
猫『テキトーなこと言ってんじゃねぇぞアホ犬』
犬『我は本当のことを言ったまでだ』
男「…そっか、ありがとな」ポンポン
犬『お役に立てたのなら、幸いだ』
猫『立ってないよな。何処に向かったのか、これぽっちも教えてくれなかったよな』
犬『ぐーぐー』
猫『おぉいい!!』
男「……。今日はもういいや、また明日に探そう」
猫『そんなんで大丈夫なのかよ? 嬢ちゃん、ぽっくり逝っちまうぜ?』
男「だ、大丈夫だ。ちゃんと探すし、明日には……」
男「……明日には、ちゃんと頑張る」
猫『テキトーなこと言ってんじゃねぇぞアホ犬』
犬『我は本当のことを言ったまでだ』
男「…そっか、ありがとな」ポンポン
犬『お役に立てたのなら、幸いだ』
猫『立ってないよな。何処に向かったのか、これぽっちも教えてくれなかったよな』
犬『ぐーぐー』
猫『おぉいい!!』
男「……。今日はもういいや、また明日に探そう」
猫『そんなんで大丈夫なのかよ? 嬢ちゃん、ぽっくり逝っちまうぜ?』
男「だ、大丈夫だ。ちゃんと探すし、明日には……」
男「……明日には、ちゃんと頑張る」
コミュ障キモブサ汚物ステロイダーゴミ粕ニートがわんとか言ってると思うと胸が熱いな
自宅
男「…悲しんだ顔している、か」
男(あの犬が言っていたこと、それに猫が言っていた…自殺の事)
男「はぁー……俺は、どうしたら良いんだよ……」
男(俺なんかが何か、出来るとでもいうのか? 自殺だぞ、自殺……)
カリカリカリカリ
男「…んな重い悩みなんて…俺にどうにか……ん?」
ネズミ『美味しいよぉ美味しいよぉ』
男「…なにやってんの、お前」
ネズミ『あー! にんげんさんだよ! にんげんさんにんげんさだよぉ!』
男「お、おう…お前、まさか妹が飼ってる奴か?」
男「…悲しんだ顔している、か」
男(あの犬が言っていたこと、それに猫が言っていた…自殺の事)
男「はぁー……俺は、どうしたら良いんだよ……」
男(俺なんかが何か、出来るとでもいうのか? 自殺だぞ、自殺……)
カリカリカリカリ
男「…んな重い悩みなんて…俺にどうにか……ん?」
ネズミ『美味しいよぉ美味しいよぉ』
男「…なにやってんの、お前」
ネズミ『あー! にんげんさんだよ! にんげんさんにんげんさだよぉ!』
男「お、おう…お前、まさか妹が飼ってる奴か?」
ネズミ『どうもだよ! 人間さん、どうもだよお!』
男「…逃げ出したのか」
ネズミ『逃げ出した? なにいっているの人間さん、ぼくはぼくで、生きてるだけだよ?』
男「ま、まあそう感じるよな…」
ネズミ『人間さん人間さん。どうもぼくを助けてくれて、ありがとだよ!』
男「助け? いや、俺は別になにも…」
ネズミ『ぼくの仲間は半分こ、それに散り散りになっちゃって、ぼくだけが残ったんだよ』
ネズミ『それを助けてくれたのは、人間さん。あなただよ?』
男「…妹に水槽とか餌を用意したのは俺だけどさ」
ネズミ『ありがとだよ! ぼく、あのおうち広くて落ち着かないけれど、とっても暖かくて居心地いいんだよ!』
男「…逃げ出したのか」
ネズミ『逃げ出した? なにいっているの人間さん、ぼくはぼくで、生きてるだけだよ?』
男「ま、まあそう感じるよな…」
ネズミ『人間さん人間さん。どうもぼくを助けてくれて、ありがとだよ!』
男「助け? いや、俺は別になにも…」
ネズミ『ぼくの仲間は半分こ、それに散り散りになっちゃって、ぼくだけが残ったんだよ』
ネズミ『それを助けてくれたのは、人間さん。あなただよ?』
男「…妹に水槽とか餌を用意したのは俺だけどさ」
ネズミ『ありがとだよ! ぼく、あのおうち広くて落ち着かないけれど、とっても暖かくて居心地いいんだよ!』
男「…そっか」
ネズミ『人間さん。なにか困ってるの?』
男「えっ?」
ネズミ『困ってる顔をしてるんだよ。ぼくはそれがとっても気になるんだよ』
男「…ネズミのくせして、人の顔色伺えるのか」
ネズミ『ぼくたちネズミは、人間さんの顔色伺って行きていけるから!』
男(なんという事実)
ネズミ『それで、困ってるの? 困っちゃってるの?』
男「まぁな。だけどネズミに心配されるほど、やわじゃないぜ俺は」
ネズミ『そうなんだねぇ。人間さんは強いんだよ、かっこいいんだよ!』
男「おう。そうだぜ、だからお前も…あんま妹に心配させるな。脱走なんかするんじゃないぞ」すっ
ネズミ『人間さん。なにか困ってるの?』
男「えっ?」
ネズミ『困ってる顔をしてるんだよ。ぼくはそれがとっても気になるんだよ』
男「…ネズミのくせして、人の顔色伺えるのか」
ネズミ『ぼくたちネズミは、人間さんの顔色伺って行きていけるから!』
男(なんという事実)
ネズミ『それで、困ってるの? 困っちゃってるの?』
男「まぁな。だけどネズミに心配されるほど、やわじゃないぜ俺は」
ネズミ『そうなんだねぇ。人間さんは強いんだよ、かっこいいんだよ!』
男「おう。そうだぜ、だからお前も…あんま妹に心配させるな。脱走なんかするんじゃないぞ」すっ
ネズミ『妹? あのぼくに餌をくれる優しい人間さん?』
男「そうとも。俺に感謝するだけじゃなくって、アイツにも感謝しとけよ」
ネズミ『人間さんが言うならそうするよ! だから、人間さん! たまにぼくにかまってね!』とててっ
男「…わかった。じゃあ水槽に戻すぞ」
ネズミ『うんだよ!』
男「……」
男(動物ってのは、こうも簡単に……感謝っていうか、助けられたって思うんだな)
男「俺は別に大したことなんて、してないのに」
男「…………」
男「そうとも。俺に感謝するだけじゃなくって、アイツにも感謝しとけよ」
ネズミ『人間さんが言うならそうするよ! だから、人間さん! たまにぼくにかまってね!』とててっ
男「…わかった。じゃあ水槽に戻すぞ」
ネズミ『うんだよ!』
男「……」
男(動物ってのは、こうも簡単に……感謝っていうか、助けられたって思うんだな)
男「俺は別に大したことなんて、してないのに」
男「…………」
男「動物か。人間だって、ネズミと同じ……動物なんだよな」
男「たかが言葉が通じないってだけで、たかが…会話ができないってだけで」
男「悩んでることも、考えてることも、人間とそう変わりない──」
男「───………」
男「そっか、会話か……」
次の日 昼休み
男「よお」
女「……」
男「ちょっといいか」
女「……」すっ
男「ま、待ってくれ!」がしっ
男「たかが言葉が通じないってだけで、たかが…会話ができないってだけで」
男「悩んでることも、考えてることも、人間とそう変わりない──」
男「───………」
男「そっか、会話か……」
次の日 昼休み
男「よお」
女「……」
男「ちょっといいか」
女「……」すっ
男「ま、待ってくれ!」がしっ
女「……」
女「なに」
男「えっとだなぁ…その…唐突にすまん! ちょっと一緒にごはん食べようぜ!?」
女「……」
男「っ…っ…!」
女「いい」コクリ
男(あ、良いんだ…! よ、よかったぁ!)
~~~
男(屋上か…あれ? 確か一般生徒立入禁止じゃなかったか?)
女「もっくもっく」
男「お、おお……カレーかよ…学校でカレーかよ…」
女「……」コクリ
男「…美味しそうだな、いや、匂いがきつそうだけども」
女「なに」
男「えっとだなぁ…その…唐突にすまん! ちょっと一緒にごはん食べようぜ!?」
女「……」
男「っ…っ…!」
女「いい」コクリ
男(あ、良いんだ…! よ、よかったぁ!)
~~~
男(屋上か…あれ? 確か一般生徒立入禁止じゃなかったか?)
女「もっくもっく」
男「お、おお……カレーかよ…学校でカレーかよ…」
女「……」コクリ
男「…美味しそうだな、いや、匂いがきつそうだけども」
女「たべる?」
男「…少しだけ」
女「はい」すっ
男(えっ!? ちょ、直接!?)
女「たべないの?」
男「待ってくれ、ちょっと箸とか用意するから…!」
女「……」
男「お、お待たせ……じゃその頂きます…」
女「……」
男「美味しいな…」
女「そう」もぐもぐ
男(…待て! 確かに順調だが、なにかがおかしい! 乗せられるなペースを!)
男「…少しだけ」
女「はい」すっ
男(えっ!? ちょ、直接!?)
女「たべないの?」
男「待ってくれ、ちょっと箸とか用意するから…!」
女「……」
男「お、お待たせ……じゃその頂きます…」
女「……」
男「美味しいな…」
女「そう」もぐもぐ
男(…待て! 確かに順調だが、なにかがおかしい! 乗せられるなペースを!)
男「そのよ、あのさ、女さん?」
女「なに」
男「……その、悩みとかある?」
女「?」
男(ぐぁー! もっと上手い聞き方ねぇーのかよ俺には!)
女「悩み?」
男「そ、そうだぜぇ…っ? なんか悩みとかないのかなーって、さ…」
女「……」
女「…教師も同じようなこと、聞いてきた」
男「え、あ、えっと…」
女「悩みがあるのかと、貴方と同じように」
男「…そっか、そうなのか」
女「なに」
男「……その、悩みとかある?」
女「?」
男(ぐぁー! もっと上手い聞き方ねぇーのかよ俺には!)
女「悩み?」
男「そ、そうだぜぇ…っ? なんか悩みとかないのかなーって、さ…」
女「……」
女「…教師も同じようなこと、聞いてきた」
男「え、あ、えっと…」
女「悩みがあるのかと、貴方と同じように」
男「…そっか、そうなのか」
キモブサ汚物ステロイダーゴミ粕ニートがにゃんぱすーとか言ってると思うと胸が熱いな
女「そんなこと聞いてどうするの?」
男「えっ!? いや、その~どうするんだろ…?」
女「…そんなことしって、どうするの」
男「ワカリマセン…」
女「わたしは別に、悩んでなんかいない」
男「………」
女「こんな私がいる理由が必要なの?」
男「えっ?」
女「悩んでなきゃ、闇を抱えてなきゃ、こんな私がいちゃ駄目なの?」
男「えっと……」
女「…………」
すっ
女「ごちそうさま」
男「えっ!? いや、その~どうするんだろ…?」
女「…そんなことしって、どうするの」
男「ワカリマセン…」
女「わたしは別に、悩んでなんかいない」
男「………」
女「こんな私がいる理由が必要なの?」
男「えっ?」
女「悩んでなきゃ、闇を抱えてなきゃ、こんな私がいちゃ駄目なの?」
男「えっと……」
女「…………」
すっ
女「ごちそうさま」
男「あ! も、もう食べちまったのか……!」
女「…」コクリ
すたすた
男「ちょ、待ってくれ! 女さん! 最後に1つだけ聞かせてくれ!」
女「……」
男「あの、そのっ……あんたは、えっと」
女「……」
男「…っ……ね、猫の…動物の声は聞こえたり出来るか!?」
女「……出来ない」
男「そ、そうか! やっぱりな!」
女「それがどうしたの?」
男「えっ!? えっと、あのっ! 実はだな! 俺は……俺は聞こえるんだ!!動物の声が!!」
女「…」コクリ
すたすた
男「ちょ、待ってくれ! 女さん! 最後に1つだけ聞かせてくれ!」
女「……」
男「あの、そのっ……あんたは、えっと」
女「……」
男「…っ……ね、猫の…動物の声は聞こえたり出来るか!?」
女「……出来ない」
男「そ、そうか! やっぱりな!」
女「それがどうしたの?」
男「えっ!? えっと、あのっ! 実はだな! 俺は……俺は聞こえるんだ!!動物の声が!!」
女「動物の声が?」くるり
男「そ、そうだ! 聞こえちまうんだぜ!? どうだ凄くないか!?」
女「すごい」コクリ
男「だろ! だからさ、だからってなんだよ…そうじゃなくって…あの時の猫のこと覚えてるか!?」
女「デブ猫?」
男「そうデブ猫! その時、あの猫が言いやがったんだ…その、お前が……」
女「……」
男「……じ、じさ……」
女「……」
男「自殺…を……」
女「……」
男(は、はっきりと言え男! がんばれよ、ここで言わなくちゃ何時聞けるんだ!?)
男「そ、そうだ! 聞こえちまうんだぜ!? どうだ凄くないか!?」
女「すごい」コクリ
男「だろ! だからさ、だからってなんだよ…そうじゃなくって…あの時の猫のこと覚えてるか!?」
女「デブ猫?」
男「そうデブ猫! その時、あの猫が言いやがったんだ…その、お前が……」
女「……」
男「……じ、じさ……」
女「……」
男「自殺…を……」
女「……」
男(は、はっきりと言え男! がんばれよ、ここで言わなくちゃ何時聞けるんだ!?)
男「ゴクリ……あの猫から聞いたんだ、お前がいつもやってることを……」
女「私が?」
男「お、おう。そのことを聞いて、俺は……お前に確かめたくなって、だな」
女「何を確かめるの」
男「……本当に、そのつもりがあるのかって」
女「……」
男「ほ、本当に……お前がその気があるのか、なんて聞きたくて」
女「…私には」
男「っ…」
女「──私には、ある。そのつもりが、あるの」
男「ッ…!じゃ、じゃあお前は…!」
女「私にはそうなる覚悟がある」
女「私が?」
男「お、おう。そのことを聞いて、俺は……お前に確かめたくなって、だな」
女「何を確かめるの」
男「……本当に、そのつもりがあるのかって」
女「……」
男「ほ、本当に……お前がその気があるのか、なんて聞きたくて」
女「…私には」
男「っ…」
女「──私には、ある。そのつもりが、あるの」
男「ッ…!じゃ、じゃあお前は…!」
女「私にはそうなる覚悟がある」
男「そうなる覚悟って……ち、違うだろ!? んな馬鹿な話があるかよ!?」
女「どうして貴方が決めつけられるの?」
男「だ、だってそれは!」
女「悪いこと?」
男「当たり前だろ! 悪いことだなんて、んなこと聞かなくても分かることじゃねえか…!」
女「…私には悪いことだなんて、思わない」
女「新しい自分に生まれ変わること。それが大切なんだって、思うから」
男「新しい自分…!?」
女「…」コクリ
男「んなっ……んなこと、俺が許さねえ!」
女「っ…」びくぅ!
男「馬鹿言うんじゃねぇ! お前が考えてることはただのガキ以下の考え方だ!」
女「どうして貴方が決めつけられるの?」
男「だ、だってそれは!」
女「悪いこと?」
男「当たり前だろ! 悪いことだなんて、んなこと聞かなくても分かることじゃねえか…!」
女「…私には悪いことだなんて、思わない」
女「新しい自分に生まれ変わること。それが大切なんだって、思うから」
男「新しい自分…!?」
女「…」コクリ
男「んなっ……んなこと、俺が許さねえ!」
女「っ…」びくぅ!
男「馬鹿言うんじゃねぇ! お前が考えてることはただのガキ以下の考え方だ!」
男「そんなこと考えてるやつを放って置けるかよ! ああ、なんとでも思いやがれ! お人好しだよ俺は!」
女「な、なに…」
男「許さねえぞ、俺は絶対に…そんな簡単に無くしちまっていいもんなのかよ、テメーの命ってやつをよ!」
女「私は…ただ…」
男「俺はな、命を大切にしやがらねえ奴は大っ嫌いなんだ。どんなちいせえ命でも、頑張って生きてるんだよ、努力してんだよ!」
男「だけど現実はそう甘くないよなっ? 仕方なく殺しちまうことも、当たり前のように過ぎてくことも……簡単に見過ごせる!」
男「だけどっ……俺にはもう、安易に見過ごすことができなくなっちまってる…!」
女「……」
男「…お前が新しい自分ってのになりたいんなら、手伝ってやる」
女「えっ?」
がしっ
男「お前が望む限りのことをやってやる。だから、俺にまかせろ。というか任せてくれ!」
女「な、なに…」
男「許さねえぞ、俺は絶対に…そんな簡単に無くしちまっていいもんなのかよ、テメーの命ってやつをよ!」
女「私は…ただ…」
男「俺はな、命を大切にしやがらねえ奴は大っ嫌いなんだ。どんなちいせえ命でも、頑張って生きてるんだよ、努力してんだよ!」
男「だけど現実はそう甘くないよなっ? 仕方なく殺しちまうことも、当たり前のように過ぎてくことも……簡単に見過ごせる!」
男「だけどっ……俺にはもう、安易に見過ごすことができなくなっちまってる…!」
女「……」
男「…お前が新しい自分ってのになりたいんなら、手伝ってやる」
女「えっ?」
がしっ
男「お前が望む限りのことをやってやる。だから、俺にまかせろ。というか任せてくれ!」
女「なにを…」
男「俺にはお前の声が聞こえてるぞ」
女「っ…!」
男「…周りはどうだか知らねえ。けどな! こうやってお前と会話出来ている!」
男「なら、会話しようぜ…もっと楽しんで生きようぜ…なっ?」
女「……」
男「どうだ、どう思った? 俺の言葉は…お前に伝わってくれたか?」
女「…私は自由になりたかった」
男「おう」
女「こんな場所がいやで、生きているところが不便で、なにもかも…無くしたかった」
女「その願いを……貴方は叶えてくれるの?」
女「望んでも……いいの?」
男「俺にはお前の声が聞こえてるぞ」
女「っ…!」
男「…周りはどうだか知らねえ。けどな! こうやってお前と会話出来ている!」
男「なら、会話しようぜ…もっと楽しんで生きようぜ…なっ?」
女「……」
男「どうだ、どう思った? 俺の言葉は…お前に伝わってくれたか?」
女「…私は自由になりたかった」
男「おう」
女「こんな場所がいやで、生きているところが不便で、なにもかも…無くしたかった」
女「その願いを……貴方は叶えてくれるの?」
女「望んでも……いいの?」
男「っ……お、おう! 頑張らせていただくぜ!?」
女「………」
女「──ありがと」にこっ
男「………お、おう…っ…」
女「…じゃあ貴方にだけ見せる」すっ
男「え、お、おう?」
女「これは誰にも見えたことはない事」
男(え、なんだ…マフラーを解いて…)
チャリ…
女「……見て」
男「………なんで首輪してんの?」
女「………」
女「──ありがと」にこっ
男「………お、おう…っ…」
女「…じゃあ貴方にだけ見せる」すっ
男「え、お、おう?」
女「これは誰にも見えたことはない事」
男(え、なんだ…マフラーを解いて…)
チャリ…
女「……見て」
男「………なんで首輪してんの?」
女「最近買ったの。お小遣いをためて」
男「……え?」
女「他にもいっぱいある。素敵な配色のやつとか、あとはロープのやつとか」
男「え、え、待って、え、ちょ、なにそれ」
女「私はずっと動物になりかった」
男「────」
女「こんな人間世界が窮屈で、退屈で、つまらなくて」
女「──動物みたいに自由に暮らしたかった」
男「…なに、いってるんですか、女さん」
女「けれど、認めてもいいんだよね」
女「──あなたがそう言ってくれたから」
男「……え?」
女「他にもいっぱいある。素敵な配色のやつとか、あとはロープのやつとか」
男「え、え、待って、え、ちょ、なにそれ」
女「私はずっと動物になりかった」
男「────」
女「こんな人間世界が窮屈で、退屈で、つまらなくて」
女「──動物みたいに自由に暮らしたかった」
男「…なに、いってるんですか、女さん」
女「けれど、認めてもいいんだよね」
女「──あなたがそう言ってくれたから」
男「………」
女「今晩九時に中央公園に来て」すっ
女「──首輪をつけて、待ってるから」ふりふり
きぃ パタン
男「………」
男「え、えー……」
~~~
猫『ぎゃーはっははははははは!!! な、なにそれ!? がははははは!!』
男「……何笑ってんだこの早とちりデブ猫!! お前のせいだなぁ!? お前の…!」
猫『なん、なんだそれ、マジかよ嬢ちゃん……こりゃたまげた根性持ってやがったわ…!』
女「今晩九時に中央公園に来て」すっ
女「──首輪をつけて、待ってるから」ふりふり
きぃ パタン
男「………」
男「え、えー……」
~~~
猫『ぎゃーはっははははははは!!! な、なにそれ!? がははははは!!』
男「……何笑ってんだこの早とちりデブ猫!! お前のせいだなぁ!? お前の…!」
猫『なん、なんだそれ、マジかよ嬢ちゃん……こりゃたまげた根性持ってやがったわ…!』
男「じ、じじじ自殺も何も関係ねぇーじゃねえか!!」
猫『だなぁ、いやーよかったぜ。マジで、おっちゃんマジで安心したわ』
男「更なる問題が山積みだよこっちは!!」
猫『いーいじゃねえか。おいおい、めでたくペット購入おめでとう』
男「このっ…!」むぎゅっ
猫『ぎゃー! 急にしっぽつかむんじゃねー!』
男「はぁ…はぁ…で、でも……よかったのかこれで…?」
猫『ペロペロ…んあ?』
男「…確かに自殺じゃなくてよかったよ、お前が見てた首吊りってのも、その……首輪だったみたいだし」
猫『んだなぁ。しっかしまぁ、お前もよく頑張ったよ。嬢ちゃんもそうだが、ガキも大した根性じゃねえか』
猫『だなぁ、いやーよかったぜ。マジで、おっちゃんマジで安心したわ』
男「更なる問題が山積みだよこっちは!!」
猫『いーいじゃねえか。おいおい、めでたくペット購入おめでとう』
男「このっ…!」むぎゅっ
猫『ぎゃー! 急にしっぽつかむんじゃねー!』
男「はぁ…はぁ…で、でも……よかったのかこれで…?」
猫『ペロペロ…んあ?』
男「…確かに自殺じゃなくてよかったよ、お前が見てた首吊りってのも、その……首輪だったみたいだし」
猫『んだなぁ。しっかしまぁ、お前もよく頑張ったよ。嬢ちゃんもそうだが、ガキも大した根性じゃねえか』
男「……」
猫『それで、コンバンくじ? だったか? そんときどーんな格好で現れるんだろうなぁ、嬢ちゃんってば』
男「…うっ」
猫『裸だったりして』
男「や、やめろよ…そういうこと言うのやめろ…」
猫『だって動物になりたいんだろ? じゃあ服を着てるのおかしいじゃねーか、だろ?』
男「……」
猫『おーおー興奮しとるなぁー』
男「だぁーもう! ふざけるなよデブ猫!?」
猫『ふざけてねえって。猫さんも真面目に考えてるよ』
男「…ったく」
猫『んで、行くのか?』
男「行くよ。行くに決まってるだろ、あそこまでのこと言っちまったんだし…」
猫『それで、コンバンくじ? だったか? そんときどーんな格好で現れるんだろうなぁ、嬢ちゃんってば』
男「…うっ」
猫『裸だったりして』
男「や、やめろよ…そういうこと言うのやめろ…」
猫『だって動物になりたいんだろ? じゃあ服を着てるのおかしいじゃねーか、だろ?』
男「……」
猫『おーおー興奮しとるなぁー』
男「だぁーもう! ふざけるなよデブ猫!?」
猫『ふざけてねえって。猫さんも真面目に考えてるよ』
男「…ったく」
猫『んで、行くのか?』
男「行くよ。行くに決まってるだろ、あそこまでのこと言っちまったんだし…」
猫『ガハハ、こりゃ面白くなってきたなぁガキ』
男「…こっちはちっとも面白く無い」
猫『いいじゃねえか。楽しもうぜ今をよぉ、だってよ、おれの声が聞こえなかったら…』
猫『…あの嬢ちゃんは、もっとヤバイやつに唆されていたのかもしれないんだぜ?』
男「うっ」
猫『猫のおれからみても分かるぜ。ああいった人間さんってやつは、脆いもんだ』
猫『どこぞの馬の骨とも知らねえ奴が…あの可愛らしい嬢ちゃんを飼っちまうこともありえた話だろう』
男「………」
猫『ここはひとつ、頑張ってみようとは思わねえかい。ガキよぉ』
男「…わ、わかった。頑張ってみる」
猫『おう、頑張れ』
男「…こっちはちっとも面白く無い」
猫『いいじゃねえか。楽しもうぜ今をよぉ、だってよ、おれの声が聞こえなかったら…』
猫『…あの嬢ちゃんは、もっとヤバイやつに唆されていたのかもしれないんだぜ?』
男「うっ」
猫『猫のおれからみても分かるぜ。ああいった人間さんってやつは、脆いもんだ』
猫『どこぞの馬の骨とも知らねえ奴が…あの可愛らしい嬢ちゃんを飼っちまうこともありえた話だろう』
男「………」
猫『ここはひとつ、頑張ってみようとは思わねえかい。ガキよぉ』
男「…わ、わかった。頑張ってみる」
猫『おう、頑張れ』
中央公園
男「っ…っ……」そわそわ
男(そ、そろそろ九時だよな。うん、時間は待ち合わせ通り…)
男「本当に、来るのか?」
女「来てる」
男「ぎゃー!!」
女「こんばんわ」コクリ
男「はぁっ…はぁっ…び、びっくりさせんじゃねえ!」
女「ごめんなさい」
男「いや、別にっ………いいんだが、その、えっと~」
女「とりあえず」
男「えっ?」
女「はい、リード」
男「っ…っ……」そわそわ
男(そ、そろそろ九時だよな。うん、時間は待ち合わせ通り…)
男「本当に、来るのか?」
女「来てる」
男「ぎゃー!!」
女「こんばんわ」コクリ
男「はぁっ…はぁっ…び、びっくりさせんじゃねえ!」
女「ごめんなさい」
男「いや、別にっ………いいんだが、その、えっと~」
女「とりあえず」
男「えっ?」
女「はい、リード」
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