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    元スレ魔王娘「おかえりなさい、あなた様……」勇者「ああ、ただいま……」

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    51 = 1 :

    若い「勇者の息子!? お前が?」

    少年「もういいですか? 日が暮れる前に最西の街に着きたいのですが」

    若い「おい! 話しの途中だぞ!! 無視するな!!!」

    少年「全く、面倒臭いな……」

    若い「何だと!」

    少年「……女戦士さん、荷物の整理は済んでいますか?」

    戦士「はい。指示のあった物はこちらの荷車に積み替えました」

    少年「仕事が早くて助かります。では、皆さん行きましょうか」

    僧侶「は、はいっ」

    若い「お、おいっ!?」

    商隊長「に、荷物が……」

    若い(何だこいつ……魔法は効かねぇわ、人の話は聞かねぇわ)

    少年「神はあなたの行いをご覧になれていますよ、きっとね」ニッコリ

    商隊長「うっ……は、はい……」

    52 = 1 :

    若い「なぁ……最西の街に行くんだよな?」

    少年「さっきからそう言っています」

    若い「街に何の用だよ?」

    少年「荷物を届ける以外、街には用はありません。何事もなければ、更に西へ向かう予定です」

    若い「名前の通り最西の街が人間の住む最西だ。街の向こうには何もねぇぞ」

    少年「それは直接行って確かめ……」

    僧侶「ゆ、勇者さま、それ以上は……」

    少年「……そうですね。では、行きましょうか」

    若い「……待てよ」

    少年「まだ何か?」

    若い「いや……食糧の事は助かった。ありがとよ」

    少年「私は何もしていません。礼なら食糧を提供してくれた教会に言ってください」

    若い「それは断らせてもらう」

    僧侶「何という恩知らずな……」

    54 = 1 :

    少年「ほらほら、そんなに怖い顔をしないでください。可愛らしい顔が台無しですよ?」ニッコリ

    僧侶「か、かわ、可愛らしい? わ、私がですか?///」

    少年「えぇ、あなたは聖職者なのですから、皆さんの為にも穏やかでいてください」

    僧侶「はっ、はいっ!///」

    若い(このガキ……目が笑ってねぇし)

    若い(あっちの女戦士は我関せずって体だし……何なんだ、コイツら?)

    戦士「では、参りますか?」

    少年「えぇ」

    若い「この荷物、最西の街の司祭宛てなんだろ?」

    少年「そうですね」

    若い「ふん、気をつけろよ。あの強欲司祭は一筋縄じゃいかねぇぞ」

    僧侶「司祭さまに対して無礼ですわ!」

    少年「ほら、また……」

    僧侶「は、はいっ///」

    57 = 1 :

    少年「……恵まれない子供達に配ったんです。きっと司祭殿もお喜びくださるでしょう」

    若い「だといいがな。まぁ、せいぜい気をつけてくれ」

    商隊長「はぁ……」

    少年「ご忠告、感謝します」

    戦士「勇者殿、急ぎませんと街の閉門に間に合わなくおそれが……」

    少年「わかりました。少し急ぎましょうか」

    ―――

    ――



    子供A「兄ちゃん、大丈夫かよ!」

    若い「あぁ。心配掛けたな、お前ら」

    子供C「これ、貰っちゃっていいのかな?」

    若い「くれるって言ってたんだ。遠慮なんてする事はねぇよ」

    子供B「でも……あの人達、大丈夫かな?」

    若い「わからん……が無事に街を抜けられるといいんだがな……」

    58 = 1 :

    ~~夕刻 最西の街にて~~

    商隊長「ふぅ……なんとか門前払いを食わずに済みましたな」

    少年「申し訳ありませんでした。途中で余計な時間をとってしまったせいで……」

    商隊長「いえいえ、それは構わないんですが……」

    僧侶「荷物、の事でしょうか?」

    商隊長「あ、あはは……そうですな。帳簿通りの積荷がないと何を言われるか……」

    少年「事情は私が説明します。あなたに非はないのですから」

    商隊長「まさか、聖堂までご一緒されるおつもりで?」

    少年「積荷を送り届けるとは、そういう事ではないのですか?」

    商隊長「そ、そうなんですが……参ったな」

    少年・女僧侶・女戦士「?」

    商隊長「ま、まぁ……行けばわかる事なんですが……本当にいらっしゃるんですか?」チラッ

    少年「私が行くと何か不都合でもあるのでしょうか?」

    59 = 1 :

    商隊長「不都合というか何というか……勇者様のような見目麗しいお方は少し……」

    少年「……どうも要領を得ませんね」

    戦士「勇者殿の容姿が何か?」

    商隊長「私の口からは……うぅむ……」

    僧侶「何か問題あるのでしたら、仰ってください」

    少年「ここで話をしていても時間を無駄にするだけです。とにかく積荷を届けてしまいましょう」

    商隊長「……そうですね。ただ、後で私を責めないでくださいよ?」

    僧侶「勇者さまに、何か危害を加えようというのではありませんわね?」

    商隊長「め、滅相もありません!」

    僧侶「では、どういう事なのです?」

    商隊長「ですから私の口からは……ご勘弁ください」

    少年「行けばわかるそうですから、一先ず積荷を届けに聖堂に向かいましょう」

    僧侶「ですが!!」

    少年「教会の遣いであるあなた方がいて、まさか危害を加えられる事はないでしょうから」

    僧侶「は、はい……」

    61 :

    しえん

    62 = 1 :

    ~~最西の街 教区にて~~

    商隊長「いつもお疲れ様です。聖堂に荷物をお届けに参りました」

    衛士「おぉ、お前かご苦労だったな」

    商隊長「いえいえ。私の苦労など衛士様と比べれば……」

    衛士「ふむ、そこの連れは見ない顔だが……ほう……これはなかなか」ニヤニヤ

    商隊長「こ、この者達は積荷の護衛でございます」ゴソゴソ

    衛士「……そうか。良しさっさと通れ」

    商隊長「はい、ありがとうございます」

    僧侶(今、何か……)

    戦士(賄賂……か)

    商隊長「ささ、早く参りましょう」

    ―――

    ――

    64 :

    商隊長がうだうだうぜーな

    66 = 1 :

    ~~最西の街 教区 聖堂内にて~~

    僧侶「教区の衛士が賄賂など……」

    商隊長「何も仰らないでください。衛士達と揉めると私の仕事がやりにくくなってしまうので……」

    僧侶「し、しかし!」

    少年「やめましょう。私達が商隊長殿の生活を保障できる訳ではないのですから」

    戦士「そうですね」

    僧侶「あ、あなたまで何を……」

    戦士「では、あなたが彼の生活を保障されるのですか?」

    僧侶「それは……」

    商隊長「まぁまぁ、皆さんその辺りで……いらぬ気遣いをさせてしまい申し訳ございません」

    少年「いつも、あのような感じなのですか?」

    商隊長「はははっ……残念ながら……」

    僧侶「これでは、あの野盗が正しい事を言っている事に……」

    少年「組織も大きくなれば……という事なのかもしれません」

    戦士「……」

    67 = 1 :

    少年「それにしても司祭殿は遅いですね。いつまで待てばよいのでしょうか」

    商隊長「いつもの事ですよ。司祭様はお忙しい方ですから……っと、みえられたようですな」

    司祭「あらあら、いつもご苦労ね」

    商隊長「いえいえ、滅相もございません」

    戦士(あれがこの街の司祭殿……)

    司祭「この者達は?」

    商隊長「国王陛下の命を受けたとの事で。王都からこちらの街に向かうとお聞きして、ご一緒に」

    司祭「こ、国王陛下ですって!? あなたは教会の人間のはずでしょ?」

    僧侶「はい。国王陛下と司教猊下の命で、こちらにいらっしゃる勇者さまのお供を仰せつかっております」

    司祭「ゆ、勇者殿ですって!? あなたが?」

    少年「……」

    僧侶「ゆ、勇者さま、ここは堪えて……」

    少年「……わかっています」

    司祭「ほぅ……なんと可愛らしい……」

    少年「……は?」

    68 = 1 :

    司祭「な、何でもありません/// それで、この街に何の用かしら?」

    少年「この街ではなく、更に西へ。詳しい事はご容赦ください」

    司祭「……陛下と猊下の命ですもの。機密事項なのは当然ね」

    少年「はい、申し訳ございません」

    司祭「気にしないでちょうだい。そんな顔をされたら、私が虐めているみたいじゃない」

    少年「そのような事……滅相もありません」

    司祭「でも、虐められた顔も見てみたいものねぇ……」

    少年「はっ?」

    司祭「な、何でもないのよ!? 何でも!」

    少年「……そうですか」

    司祭「それにしても……」ジロジロ

    少年「……」

    戦士(何だ……司祭殿のあの視線は……)

    司祭「本当に何でもないの。ただね、勇者殿があまりに可愛らしいものだから……」

    69 = 1 :

    商隊長「し、司祭様! 積荷のご確認をお願いしたいのですが」

    司祭「……せっかくいい気分だったのに、何て無粋な男なのかしら」

    商隊長「も、申し訳ございません」

    司祭「ふん、まぁいいわ。人を遣るから積荷のところで待っていなさい」

    商隊長「はい、よろしくお願いします」

    司祭「ねぇ、あなた達。宿はまだ決まってないんでしょ?」

    僧侶「はっ、はい!」

    司祭「あなたには聞いてないの。ね、宿は決まってないんでしょ、勇者殿?」

    少年「はい」

    司祭「そうね……こちらで部屋を用意するから、今日はゆっくりしていくといいわ」

    少年「ご配慮、感謝します」

    司祭「気にしないで。王都からの客人……それも勇者殿に対して無碍(むげ)な扱いは出来ないもの」

    商隊長「では、私は積荷の所に控えておりますので……」

    司祭「わかったわ。それじゃ、私は失礼させてもらうわよ」

    商隊長「はい。貴重なお時間を割いて頂きありがとうございました」

    70 :

    子供殺される→司教殺す→若い男(盗賊)が仲間になる
    あると思います!

    71 = 1 :

    商隊長「……ふぅ、何とかご機嫌を損ねずに済んだようですな」

    僧侶「な、何なんですか……あれでも……」

    商隊長「しっ……あまり大声を出されては……」

    戦士「司祭殿は……随分と変わったご趣味をお持ちのようですね」

    商隊長「ま、まぁ、ご想像の通りです」

    少年「私は司祭殿に気に入られてしまった……という事ですか?」

    僧侶「気に入られたって……司祭さまは男の人なんですよ!?」

    商隊長「こ、声を抑えてください」ボソボソ

    僧侶「で、でも……」

    商隊長「驚かれるの仕方ない事だと思いますが、そういうご趣味の方なんですよ、司祭様は」

    少年「男色家という事ですか?」

    商隊長「まぁ、はっきり言うとそうなります」

    戦士「それなら勇者殿への反応も得心がいきます」

    少年「いえ、得心されても困るんですが……」

    戦士「そうでした。申し訳ありません」

    72 = 1 :

    僧侶「何て汚らわしい……」

    商隊長「ですから、私を責めないでくださいと申し上げたんですよ」

    戦士「明日の朝になるまで、街の門は閉ざされている訳ですから……」

    少年「そうですね、ここに滞在するしかないでしょう」

    僧侶「大丈夫、なんでしょうか?」

    戦士「大丈夫も何も……国王陛下と司教猊下から下命を受けているのですよ、私達は」

    少年「普通なら、何も心配する事はないんでしょうが……」

    戦士「街に入る前にあった一件でしょうか?」

    少年「そうですね」

    僧侶「街に入る前……野盗たちが言っていた事でしょうか?」

    戦士「はい。野盗達の言う事なので、全てを鵜呑みにするのはどうかと思いますが……」

    少年「もし、あの男の言う事が正しいのでしたら、私達も必ずしも安心とは言えないでしょうね」

    僧侶「そんな……」

    ??「失礼致します」

    少年「ん?」

    73 = 18 :

    男かよ!

    74 = 32 :

    妖艶なショタコン美女かと思ったら

    75 = 61 :

    綺麗なショタコンのお姉さんと思ってたのに…

    76 :

    可愛いねーちゃんで想像してたのにお前・・・

    77 = 1 :

    侍祭「勇者様方、お部屋の準備が整いました」

    商隊長「おぉ、お呼びのようですな。ここまでご苦労をお掛けしました」

    僧侶「いえ、こちらこそ仕事を果たせず申し訳ありませんでした」

    商隊長「まぁ、あれは仕方ない事でございますよ」

    少年「そう言って頂けると助かります」

    商隊長「いやいや……それより、どうかお気をつけください」ボソボソ

    少年「商隊長殿も」

    商隊長「ははは。では、私めはこれにて」ペコリ

    侍祭「ご挨拶はお済になりましたか?」

    僧侶「はい。お待たせして申し訳ありません」

    侍祭「お食事もご用意致しますので、しばらく部屋でお寛ぎいただければ」

    少年「何から何まで……ご厚意、痛み入ります」

    侍祭「それではご案内致します」

    78 :

    今北産業   …って、まさかのホモすれ!?

    支援

    79 :

    美人の男に脳内変換すりゃいいんだよ
    実際ゲスなのかもしれんからオッサンでも問題ないけど

    80 = 18 :

    >>78
    オネショタ
    ならず
    ホモショタ

    81 = 64 :

    荷物についてのフォローしてなくねぇか?

    82 = 1 :

    ~~最西の街 教区 聖堂内 回廊にて~~

    侍祭「こちらでございます」

    僧侶「それにしても、素晴らしい聖堂ですわ」

    侍祭「お褒めに預かりありがとうございます。全ては司祭様の徳の賜物かと……」

    少年「王都の大聖堂と比べても、遜色のない造りですね」

    戦士「……勇者殿は王都の大聖堂をご存知なのですか?」

    少年「ええ、以前に一度……それが何か?」

    戦士「いえ……」

    僧侶「まぁ、中庭に綺麗な花が……」

    少年「あの花……」

    侍祭「どうか致しましたか?」

    少年「……いえ、中庭に綺麗な花が咲いていると思いまして」

    侍祭「ああ。あの中庭の植物は、我らが育成している薬草園ですね」

    僧侶「見た事のない花ですけど、何という名前なのでしょう?」

    侍祭「申し訳ございません、私は勉強不足にて名前rまでは……。さ、こちらにお越しください」

    84 = 1 :

    ~~最西の街 教区 聖堂内 客間にて~~

    僧侶「勇者さま?」

    少年「……何ですか?」

    僧侶「先程から難しい顔をされて……どうかしましたか?」

    少年「いえ、私の勘違いだといいのですが……」

    戦士「何か気になる事でも?」

    少年「さっき中庭に咲いていた花ですが……」

    僧侶「あの綺麗な花がどうかしましたか?」

    少年「あの花ですが、確か人間界と魔界の境にしか自生しない種のはずです」

    僧侶「まぁ、そうなんですか?」

    少年「えぇ……」

    戦士「随分と珍しい花のようですね。それで、どうして勘違いだと良いのですか?」

    少年「……」

    戦士「勇者殿?」

    少年「……この部屋に案内をしてくれた侍祭から、甘い匂いがしていたのお気付きですか?」

    85 = 1 :

    僧侶「甘い匂い、ですか?」

    少年「はい」

    戦士「そうですね、微かではありましたが。それが何か?」

    僧侶「ごめんなさい、わたしは気付きませんでした」

    少年「……ここの司祭殿は我々の想像以上に厄介かもしれません」

    僧侶「それはどういう……」

      コンコンコンコン

    少年「はい」

      ――ガチャッ

    侍祭「失礼致します。お食事の準備が整いました」

    少年「わかりました。では、せっかくですからご馳走になりましょうか?」

    僧侶「ゆ、勇者さま……」

    戦士「そうですね、司祭殿の御厚意ですから」

    侍祭「……では、ご案内致します。こちらへ」

    86 = 4 :

    夜までバイトだぁ
    残っててくれ!

    88 :

    サンジェルミ伯を想像した

    89 = 44 :

    落ちないといいんだけど

    90 = 1 :

    ~~夜半 最西の街 教区 聖堂内 客間にて~~

    戦士(勇者殿の様子から、食事に何かあるのではと警戒したが……)

    戦士(出された食事は特別に変わったところもなかった)

    戦士(食事の後、勇者殿は与えられた客室に籠もってしまわれた……)

    戦士(……)

    戦士(最初の挨拶以降、司祭殿が我々の前に姿を見せる事もなく……)

    戦士(勇者殿の様子を除き、特に変わった事も起きていない)

    僧侶「すーっ……すーっ……」

    戦士(慣れない旅の疲れか……)

    戦士(……)

    戦士(……駄目だな。どうにも気が張って寝付けない)

    戦士(少し夜風にでも当たろうか)

    戦士(そういえば、勇者殿が気にしていた中庭の花……)

    戦士(あの中庭なら、夜風も気持ちいいかもしれない……ついでに確認だけしておくか)

    戦士(……)

    91 = 33 :

    見てるよ

    92 = 1 :

    ~~夜半 最西の街 教区 聖堂内 中庭にて~~

    戦士(薬草園は確かあの辺りだったか……)

    戦士(うん? 人影?)

    少年「やぁ、こんばんは」

    戦士「ゆ、勇者殿!? どうしてここに?」

    少年「あなたこそ、どうして?」

    戦士「わ、私は眠れなくて何となく……」

    少年「そうですか。私はこの花が気になったので」

    戦士「そうでしたか……」

    少年「思ったとおり、人間界と魔界の境にしか自生しない種ですね、これは」

    戦士「自生しないという事は、ここにはる花は栽培されているという事でしょうか?」

    少年「えぇ、これ以外にも幾つか珍しい種の植物が栽培されているようです」

    戦士「そうなのですか? 流石は教会の薬草園ですね」

    少年「はい……この背丈の小さな花。これは葉を煎じれば傷の炎症を和らげる効果があります」

    戦士「勇者殿は博識でいらっしゃいますね」

    93 = 1 :

    少年「ただ旅の生活が長かっただけですよ」

    戦士「ご謙遜を……」

    少年「しかし、まさかこんな物まで育成しているとは……」

    戦士「こんな物といいますと、この花に何か問題でも?」

    少年「……そうですね。この花の匂い嗅いでみていただけますか?」

    戦士「匂いですか?」

    少年「はい。匂いを嗅ぐだけでしたら、特に問題がある訳ではありませんから。ほら?」クンクン

    戦士「では、失礼します……」クンクン

    少年「どうですか?」

    戦士「この匂い……あの侍祭からした匂いと同じではありませんか?」

    少年「そうです」

    戦士「この植物も薬草なのですよね?」

    少年「薬草……とは少し違うかもしれません」

    戦士「どういう事でしょう?」

    少年「一度部屋に戻りましょう。どうも風が冷たくなってきたようですから」

    94 = 64 :

    またVIPが壊れはじめた

    95 = 1 :

    ~~夜半 最西の街 教区 聖堂内 客間にて~~

    少年「私の部屋でよろしかったですか?」

    戦士「はい、女僧侶は休んでいるので邪魔をしては……」

    少年「ここまでおよそ二週間。旅慣れない人には辛い旅だったかもしれませんね」

    戦士「そうですね。彼女はずっと街暮らしのようですから」

    少年「あなたは大丈夫ですか?」

    戦士「私はそれなりに鍛えていますので……」

    少年「そうですか」

    戦士「……」

    少年「……」

    戦士「あの……先程の花ですが……」

    少年「薬効は痛みの緩和、疲労感の抑制、多幸感」

    少年「副作用は倦怠感と情緒不安定、それに極度の依存性」

    戦士「そ、それは……」

    少年「えぇ、いわゆる麻薬です」

    97 = 1 :

    戦士「ど、どうしてそんなものが聖堂内に!?」

    少年「さぁ? 司祭殿に聞けばわかるのではありませんか?」

    戦士「そのような事、聞けるはずもありません!」

    少年「あまり大きな声を出しては、女僧侶さんが起きてしまいますよ?」

    戦士「あっ……も、申し訳ありません」

    少年「まぁ、理由はどうであれ、あれが聖堂内で栽培されている事は間違いようのない事実です」

    戦士「で、では、あの侍祭は……」

    少年「あれを摂取をすると、成分が分泌物に混じり、体から同じような匂いがしますから」

    戦士「な、なんという……」

    少年「それと……私が確認しただけでも、毒性のある植物も幾つか栽培されていました」

    戦士「教会がそんな物を栽培して良いはずがありません!」

    少年「そうでしょうか?」

    戦士「えっ!?」

    少年「何故、教会が毒性のある植物を栽培してはいけないのですか?」

    98 = 1 :

    戦士「そ、それは道義に悖(もと)る行いではないですか。そんな物を何に使おうというのです」

    少年「もしかしたら、世に知られていない薬効があるのかもしれませんよ?」

    戦士「でしたらあの侍祭は!?」

    少年「中毒になっている彼を救う為、ここに置いてる可能性は考えられませんか?」

    戦士「そ、それは……」

    少年「毒性を解毒する研究をする必要があるから、その植物を栽培しているのかもしれません」

    戦士「勇者殿」

    少年「なんでしょう?」

    戦士「私を試すような物言いはお止めください」

    少年「試している……と言えば、不愉快に思われますか?」

    戦士「……どういう事です?」

    少年「教会の命により、貴方と女僧侶さんは私の旅に同行してくれています」

    戦士「それが何か?」

    少年「女僧侶さんは信仰心も篤く、教会や司教殿に対して絶大な信頼をおかれています」

    戦士「そうですね。彼女の信仰は本物だと私も思います」

    99 = 1 :

    少年「ですから教会の命に従い、この任務を成し遂げようとしている事が日頃の言動からもよくわかります」

    戦士「私には任務を成し遂げようという姿勢が見えないと?」

    少年「そうではありません」

    戦士「では、なぜ試されなければならないのです!」

    少年「申し訳ない。『試す』という言い方は少し語弊があります」

    戦士「どういう事でしょう?」

    少年「私には、あなたが教会に属している理由が見えてこないのです」

    戦士「理由、ですか?」

    少年「申し訳ないが、あなたは教会に帰属する程に信仰心が篤いとも思えない」

    戦士「それは……」

    少年「野盗達に食糧を分け与えようとした時……」

    少年「私の指示があったとはいえ、あなたは喜んで荷物の整理をしているように見えました」

    戦士「……」

    少年「別にあなたが信用の出来ない人間と言っている訳ではありません」

    戦士「はい……」


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