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    元スレ夏奈「なんだ、またタケルが来てるのか」春香「カ、カナ!」

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    1 :

    夏奈「ただいまー。ん?」

    夏奈(この革靴は……)

    タケル「聞いてくれるかい? 実はね、仕事でね……でもね……レイコさんがね……もうね……」

    千秋「……」

    夏奈「なんだ、またタケルが来てるのか。最近、来すぎだろ。いい加減出入り禁止にすればいいのに」

    春香「カ、カナ!! あれを見たらわかるでしょ!!」

    夏奈「いや、分かってるけどさ。チアキだってそろそろ爆発するんじゃないか?」

    春香「いいじゃない。おじさんにはお世話になってるんだし」

    タケル「それでね……ダメだって……レイコさんがね……だからね……オレね……」

    千秋(お腹、すいたなぁ)

    2 = 1 :

    夏奈「チアキ、おつかれ」

    千秋「カナ、おかえり。そろそろ交代の時間だと思っていた」

    夏奈「そうか。宿題は済んだの?」

    千秋「まだだ。タケルの話に耳を傾けていたからな」

    夏奈「そうか、そうか。よし、もういいぞ、ゆっくり勉強しとけ」

    千秋「うむ。では、そうさせてもらおう」

    夏奈「よっこいしょ」

    タケル「ふふ……でもね……オレもね……がんばってね……レイコさんにね……」

    夏奈「……」

    春香「チアキ、あとででいいから、夕飯作るの手伝ってくれる?」

    千秋「はい、喜んでお手伝いします」

    春香「ありがとう」

    タケル「だけどね……レイコさんはね……オレのことをね……うぅ……」

    夏奈「……」

    3 = 1 :

    春香「――はぁーい、おじさん。夕飯にしましょうか」

    タケル「ハルカちゃん。ありがとう」

    春香「いえいえ。やっぱり、食べないと元気も出ないと思いますから」

    タケル「うん。そうだね。やっぱり、食べないとダメだよね」

    春香「はいっ」

    タケル「いただきます」

    千秋「で、カナ。結局、タケルはどんな話を私たちに聞かせていたんだ?」

    夏奈「さあ、よくわからん」

    タケル「うまいっ。やっぱり、ハルカちゃんの料理は美味しいよ」

    春香「ありがとうございます」

    夏奈「なぁ、タケル。最近、家に来すぎだぞ」

    タケル「え?」

    夏奈「そろそろ訪問頻度を下げてくれないと、こちらとしても……」

    春香「カ、カナ!!」

    タケル「だって……だってね……レイコさんがね……オレをね……」

    4 :

    スレタイからがらっと開けたらタケルと春香が一緒のベッドで寝てて
    春香がシーツで胸元抑えながらうろたえてるのかと思った

    5 = 1 :

    千秋「バカ野郎。なにをしている。余計にめんどくさいことになっただろうが」

    タケル「聞こえてるよ、チアキちゃん」

    夏奈「だって、事実なんだから仕方ないでしょー。タケルの不幸話を聞くぐらいなら、その辺の通行人の不幸話のほうが実りがあるよ!!」

    タケル「とても心に響く辛辣さだね、カナちゃん」

    春香「二人とも、おじさんの前でそんなこと言わないの。ご飯が美味しくなくなるでしょ」

    タケル「ハルカちゃん、それフォローじゃないよね。止めを刺しにきてるよね」

    千秋「とにかく、いつもご飯を食べたら帰るんだから、それまで藪を突くな」

    夏奈「まぁ、そうだけど」

    千秋「喉元過ぎれば熱さもタケルも忘れる。心配するな」

    夏奈「そーだね」

    タケル「忘れるんだ」

    春香「ご、ごめんなさい、おじさん。おかわり、いります?」

    タケル「うん。お願い」

    夏奈「チアキ、またあとで話し合うからな」

    千秋「分かっている。慌てるな」

    6 :

    タケルってまだ彼女と続いてるのか?

    7 = 1 :

    タケル「美味しかったよ。今日はありがとう」

    春香「いえいえ」

    夏奈「今日も、の間違いだろ」

    千秋「藪は突くな」

    夏奈「はいはい。チアキー。こっちおいでー」

    千秋「うむ」

    タケル「……」

    春香「あの、本気じゃないですか」

    タケル「いいよ。オレ自身、最近本当によくお邪魔しているからね」

    春香「そ、そんなことないですよ。おじさんならいつでも大歓迎ですから」

    タケル「本当に?」

    春香「……あはは」

    タケル「……また、来るよ」

    春香「は、はい。おやすみなさい」

    タケル「おやすみ」

    9 :

    このタケル精神病んでるだろ

    10 = 1 :

    夏奈「ハルカ、本当に出入り禁止にしたらどうだい?」

    春香「そんなこと言わないの。おじさん、あまりに上手く行ってないみたいだから、色んなことが」

    夏奈「だから、ほぼ毎日来られたら困るでしょ、こっちだって」

    春香「そうだけど……」

    千秋「ハルカ姉さま。提案があります」

    春香「どうしたの?」

    千秋「流石に私たちの心労もピークですし、タケルの相手をいつまでもしているわけにはいきません。こっちだってやらねばならないこともありますし」

    春香「そうよねぇ……」

    千秋「援軍を呼びましょう」

    春香「援軍?」

    夏奈「チアキ姫、どこの国から援軍を引き連れてくるのですか?」

    千秋「うむ。わらわの学び舎に使える家臣が――だれが、姫だ。バカ野郎っ」

    春香「チアキ、えっと、もしかして……」

    千秋「タケルの相手は内田たちにさせます」

    夏奈「いいね。それでいこう。内田なら、大丈夫だろ」

    11 :

    生贄ですねわかります

    12 :

    タケル「俺達が地獄だ!」

    13 = 1 :

    別の日

    タケル「こんにちは」

    春香「あ、いらっしゃい。おじさん。どうぞどうぞ」

    タケル「ごめんね。一昨日も来たのに」

    春香「そんな、気にしないでください」

    タケル「今日もね……仕事でね……」

    春香「あー、えっと……」

    内田「おー!! タケルおじさん!! こんにちはー!!」

    タケル「え……?」

    吉野「こんにちは」

    冬馬「よー」

    春香「チアキの友達が来てるんですけど、いいですか?」

    タケル「構わないよ。賑やかなほうが嬉しいしね」

    内田「ささ、こちらへ」

    タケル「ありがとう」

    14 = 1 :

    タケル「あれ? チアキちゃんとカナちゃんは?」

    冬馬「買い物だって行ってたぞ」

    タケル「そうなんだ。オレのこと嫌いになったのかな?」

    内田「そ、そんなことないと思いますっ!!」

    タケル「本当に?」

    内田「たぶん!!」

    タケル「君の笑顔は全力で気持ちがいいね」

    冬馬「なんか、カナからはとりあえずおじさんの話を聞いてろって言われたけど。どんな話してくれるんだ?」

    タケル「聞いてくれるかい?」

    内田「私たちでよければ!!」

    タケル「ありがとう。実はね……今日もね……仕事でね……レイコさんがね……」

    内田「あ、あれ……? 吉野ぉ。一気におじさんが落ち込んじゃったけど……」

    吉野「大変だね」

    冬馬「おーい。どうした?」

    タケル「携帯電話もね……繋がらないしね……」

    15 = 1 :

    タケル「メールもね……返信がないしね……デートも……当日にね……キャンセルだしね……もうね……」

    冬馬「これだっ」

    内田「あー、それはだめぇー」

    冬馬「よしっ。あがりっ!」

    内田「あぁー、三連敗ぃ……」

    吉野「内田はすぐに顔に出るもんね」

    内田「顔に出てるの? ジョーカーの顔になってるのぉ?」

    冬馬「そーだなぁ。もっとポーカーフェイスを練習したほうがいいと思うぞ」

    内田「なにそれ? 食べ物?」

    冬馬「違う。どんなときでも表情を変えないようにしろってことだ」

    内田「えー? そんなのできるの?」

    冬馬「吉野を見ろ。吉野の表情には喜怒哀楽の楽しかないだろ?」

    吉野「そんなことないよ」

    内田「なるほど! じゃあ、私はずっと喜怒哀楽の怒でいるよ!! ふんっ!! んっ!!! んんっ!!!」

    冬馬「力んでるようにしか見えないぞ……」

    16 = 4 :

    JSキャバ状態とは羨ましい

    17 = 1 :

    内田「んんっ!? 負けたよ!? なんでぇー!?」

    冬馬「いや、表情は分からなくなったけど、挙動がおかしいんだよ」

    吉野「ジョーカーを取らそうとするから」

    内田「だって、みんな取ってくれないんだもんっ!!」

    タケル「聞いてる?」

    内田「はい!!」

    タケル「そう。そんなに元気よく返事をされるともう追及できないね」

    冬馬「悪い。何も聞いてなかった。今日はババ抜きの調子が良くてさ」

    タケル「そこまで正直に言われるとオレは頷くしかないね」

    吉野「それで、レイコさんとは映画館に行ったあとの喫茶店で怒らせちゃったんですよね。やっぱり原因は映画の感想の不一致ですか?」

    タケル「君はちゃんと聞いてくれてたんだね! すごいね、好きになりそうだよ!」

    内田「あの、タケルおじさんもババ抜きどう?」

    タケル「え?」

    冬馬「そうだな。折角、おじさんもやろうぜ。気晴らしにはなるだろ」

    吉野「それじゃあ、私が配るね」

    18 :

    タケルと春香って案外良い組合せだよね

    19 :

    タケルに吉野ちゃんはやらん

    20 = 1 :

    冬馬「なぁー!! 負けたー!!」

    タケル「よし。オレの勝ちだ」

    冬馬「なんだよ! 子供相手に本気だすなよな!!」

    内田「おじさん、つよーい。どうしてーわかっちゃうのー?」

    タケル「ババ抜きは相手の目を見ることが大事なんだよ」

    冬馬「目って?」

    タケル「配り終えたときの目だよ。誰にジョーカーがあるのかを把握していれば、少なくとも負けることはないからね」

    内田「すごーい!」パチパチ

    タケル「いやぁ、それほどでも」

    吉野「かっこいいですね」

    タケル「いやぁ、ありがとう」

    冬馬「手品師みたいだな」

    内田「え!? おじさん、手品できるの!? やってやって!」

    タケル「あ、えーと……。じゃあ、少しだけ」

    吉野(できるんだ)

    21 :

    吉野が相変わらずすばらしい

    22 :

    今にして見ると中の人の青田買い大成功してるな

    23 = 1 :

    タケル「好きなカードを一枚引いてみて」

    内田「はい。じゃあ、これ!」

    タケル「それを良く見てね」

    内田「ハートの2です」

    タケル「言っちゃだめだよ?」

    内田「あ! ごめんなさい……」

    吉野「私が引いてもいいですか?」

    タケル「いいよ。引いてみて」

    吉野「これにします」

    冬馬(スペードのエースか)

    内田「ふむふむ」

    タケル「それを戻して」

    吉野「はい。……これでいいですか?」

    タケル「うん。ありがとう。そして、カードの山をよく切って……。はい。これで君が引いたカードはどこにあるのか分からなくなった。で、この一番上に君の引いたカードがあったらびっくりするよね?」

    吉野「はい。びっくりします」

    24 = 1 :

    タケル「さあ、見てみようか」ペラッ

    冬馬「おぉ……!!」

    タケル「ハートの4、かな?」

    内田「あー……」

    吉野「……」

    冬馬(はっ!? 吉野が考えてる!! これが単なる失敗なのか、それとも失敗と見せかけて違うところにカードがあるパターンなのかを!!)

    吉野「……はい。正解ですっ」

    冬馬(吉野の判断はどうなる!?)

    タケル「すごいでしょ?」

    冬馬(やった!!)

    内田「え? よし――」

    吉野「なに? ハートの4だったよ?」

    内田「あ、うん……そうだね……」

    吉野「こういう手品、趣味でやってるんですか?」

    タケル「そうだね。これぐらいの芸が出来たほうが受けると思ったんだ。デートのときとかね……そう……レイコさんにね……」

    25 = 21 :

    吉野はモテても仕方ないわ

    26 :

    スレタイからタケルに春香が襲われてるところだと思った

    28 :

    内田の馬鹿具合が良いね

    29 = 1 :

    冬馬「なぁ、オレ、なんとなくこの人が彼女にフラれたのかわかった気がするんだけど」

    内田「どういうこと?」

    冬馬「相手にするの疲れたんじゃないか?」

    内田「トウマ、それは酷いよ」

    吉野「そうだね。おじさんもがんばってるし」

    冬馬「そうはいってもよぉ。カナやチアキが音をあげたにもわかる。これは身が持たないだろ?」

    内田「確かに吉野じゃないと、色々危ないと思うけど」

    吉野「うーん……。あ、そうだ。おじさん、おじさん」

    タケル「え? なにかな?」

    吉野「こんな手品は知ってますか?」

    タケル「どんなのかな?」

    吉野「まず、一枚を引きます。ダイヤの2ですね? これをテーブルに伏せて置きます。さて、このカードはなんでしょう?」

    タケル「え? ダイヤの2でしょ?」

    吉野「でも、めくってみると……。はい、スペードのエースでしたー」

    内田「うわぁ!! すごーい!!! えぇ!? なんでぇー!?」

    31 = 1 :

    タケル「オレのときよりも明らかに大きなリアクションだね!!」

    内田「いや、だって!! これすごい!!」

    冬馬「ど、どうやったんだ、吉野!?」

    吉野「ないしょ」

    タケル「あぁ……。でも、これはすごいよ。どこでこんな手品を?」

    吉野「この間、内田に誘われて本屋さんに言ったときに、たまたま立ち読みしたページに書いてありました」

    内田「えぇ!? あれ10分もいなかったよねぇ!?」

    タケル「君、天才なの?」

    吉野「タネが分かれば簡単ですから。あ、よかったら、おじさんの手品ネタの中に加えてください」

    タケル「いいの?」

    吉野「はい。別に私は手品を見せようなんて考えてませんから」

    タケル「なら、教えてもらおうかな」

    内田「吉野ぉ! 私にも!!」

    冬馬「オ、オレにも教えてくれ!」

    吉野「ダメだよ。これはタケルおじさんにだけだから」

    32 :

    吉野嬢は天使やでぇ

    33 = 1 :

    タケル「――こうか」

    吉野「そうですそうです。もう、大丈夫ですね」

    タケル「なるほど、確かにわかると簡単だね」

    吉野「これからはこっちの手品を披露したほうがいいと思います。新しいことをやっていきましょう」

    タケル「そうだね。さっきの手品も3年前ぐらいに仕込んだものだし。そうするよ」

    吉野「よかった」

    冬馬(吉野。さりげなく、ダメなほうの手品を封印させたな。流石だ)

    内田「ねーねー! よしのー!! 私にもおしえてよー!!」

    吉野「また今度ね」

    内田「えー!?」

    タケル「まさか、こんなところで新しい手品を覚えることができるなんて、得した気分だよ。本当にありがとう」

    吉野「いえ。生意気につまらないことを教えてしまってごめんなさい」

    タケル「そんなことないよ。いやぁ、これでまたレイコさんを楽しませることができるかもしれない」

    吉野「レイコさんに披露するときは、ハートのエースを使うとなんとなくロマンチックな気がしますね」

    タケル「それいいね!」

    34 = 21 :

    吉野さん大人すぎる・・・

    35 :

    この吉野は身体は子供、頭脳・精神大人だな

    36 = 1 :

    内田「おじさん、元気になったみたい」

    冬馬「そうだな。吉野のおかげだ」

    内田「これなら、チアキも喜んでくれるよ! きっと!!」

    冬馬「というか、文句なんか言わせるかよ。こっちは苦労したんだからな」

    内田「そーだ! そーだ!」

    タケル「いやぁ。なんか申し訳ないね。そうだ。教えてくれたお礼に……」

    吉野「なんですか?」

    タケル「これで好きなものを買ってくるといい」

    吉野「い、いえ! そんな!! お金なんて!!」

    内田「おぉ!? 1000円!?」

    タケル「オレの気が済まないから。受け取ってよ」

    吉野「いえ、そんなつもりなんてなかったですから。本当に」

    タケル「いいのかい?」

    吉野「はい。それは新しいトランプを買うときに使ったほうがいいですから」

    冬馬(吉野……すげえ……)

    37 = 1 :

    タケル「今日はありがとう! なんだか元気が出てきたよ!!」

    春香「おじさん、夕食はいいんですか?」

    タケル「うん! 帰って手品の練習しなきゃいけないし!」

    吉野「がんばってください」

    タケル「ああ! がんばるよ!! それじゃあ!!」

    春香「はい。またいつでも来てください」

    タケル「うん!」

    春香「――みんな、ありがとう」

    内田「ううん! いいよ!」

    冬馬「ハルカぁ、飯まだぁ?」

    春香「もう少しで出来るから。待ってて」

    吉野「ふぅ……」

    冬馬「吉野、大丈夫か?」

    吉野「ちょっと疲れちゃった」

    冬馬「だよな……。おい、内田。オレたちの為に頑張ってくれた吉野を労うぞ」

    38 :

    おもろい

    39 = 1 :

    千秋「ただいま帰りました、ハルカ姉さま」

    春香「おかえりー。どうだった?」

    夏奈「また、明日行ってくるつもりだ」

    春香「そう」

    千秋「お前ら、今日は悪かっ――」

    内田「吉野、おつかれさまぁ。足を揉んであげるね」モミモミ

    吉野「ありがとう。足は使ってないからマッサージの意味ないけど」

    冬馬「肩はこってないか、吉野? オレ、こう見えても肩揉みは得意なんだぜ?」

    吉野「肩はこってないよ。ありがとう、トウマ」

    千秋「なにがあった? 吉野が女王様のように見えるぞ」

    夏奈「千秋姫の対抗馬か」

    千秋「姫っていうな」

    冬馬「吉野が大活躍だったんだよ。カナも吉野を揉め」

    夏奈「どこを揉めっていうんだ」

    内田「でも、あの1000円はもったいなかったよねー」

    40 = 1 :

    夏奈「なるほど。吉野、よくやってくれたね!」

    吉野「がんばりすぎました」

    千秋「吉野。ありがとう。夕食は是非食べていってくれ」

    夏奈「しかし、あれだね! これはもうタケル専属のホステスは吉野で決まりだ!!」

    吉野「え?」

    夏奈「バイト代はその都度、タケルから徴収していいからね。私が許可する!」

    内田「えー!? タケルおじさんからお金もらえるの!? 私もホステスしたーい!!」

    千秋「トウマの話を聞く限りでは、内田は戦力にならなかったみたいだが?」

    内田「でも、笑顔は褒められたよ!! ね!? トウマ!」

    冬馬「あ、ああ。そこしか褒めるところがなかったって感じだけどな」

    内田「ほら、いけるよ。カナちゃん、私もホステスにしてみない? ねえねえ」

    夏奈「ダメだね! 吉野レベルの接待能力がないと」

    内田「えぇー!?」

    夏奈「どう。吉野。悪い話じゃないと思うんだけど」

    吉野「遠慮します」

    41 = 9 :

    ですよねー

    42 = 1 :

    千秋「――というわけで、吉野からはこれっきりにして欲しいと言われてしまった」

    夏奈「カナちゃんの苦労がわかっただけでも勉強になったから、なんて言われたらもう説得は無理だと姉は判断した」

    千秋「悪くない判断だ、カナ。あれ以上説得を続けていれば、私と吉野の間に大きな溝が出来てしまいかねない」

    春香「おじさんもとっても喜んでたのに……」

    夏奈「かといって、内田もダメだ。あいつは既に金に目がくらんでいたからな。あんな下心ではタケルを癒すことなんてできない」

    千秋「それは同感だ。内田はダメだ。トウマもめんどくさいと言い残して帰ったし、私の人脈ではだれも召集できない」

    夏奈「むー……」

    千秋「カナ、マコちゃんはどうだ?」

    夏奈「マコちゃん?」

    千秋「ああ。少し可哀想だが、マコちゃんの愛らしさと男らしさはタケルを癒すのに十分だと思うんだが」

    夏奈「だが、チアキ。マコちゃんだけでは負担が大きいだろう」

    千秋「なら、ケイコもセットで」

    夏奈「おお! よーし! 次はそれでいこう!!」

    春香「カナ、チアキ。無理を言ったらダメよ?」

    夏奈「分かってるって。無理強いはさせないから」

    43 = 6 :

    ついにマコちゃんの出番か

    44 = 1 :

    別の日

    タケル「やぁ、ハルカちゃん」

    春香「いらっしゃい、おじさん。今日は……えっと……」

    タケル「手品ね……見せようとおもったんだけどね……そのまえにね……断られてね……デートね……うぅ……トランプも……かったのに……」

    春香「ああ、あの……」

    マコ「どうも、こんにちは!!!」

    タケル「……君は?」

    マコ「オレはマコちゃんです!!」

    ケイコ「こ、こんにちは」

    タケル「こんにちは。あれ? チアキちゃんとカナちゃんは?」

    ケイコ「か、買い物に出かけたみたいです」

    タケル「そう……。やっぱり、オレは避けられるんだね。いや……わかってたんだけどね……でもね……レイコさんにもね……」

    マコ「か、鞄もちます!!」

    ケイコ「コート、脱いでください。かけておきますから」

    タケル「ありがとう……」

    45 = 4 :

    K子は抱き心地良さそう

    46 = 1 :

    タケル「今日も仕事でね……レイコさんのね……電話がね……繋がらなくてね……」

    マコ「ケイコさん、どうしたらいいですか?」

    ケイコ「わ、私に言われても……」

    タケル「うぅ……ぅぅ……手品……おぼえた……のに……」

    マコ「あ……えっと……手品みたい!!」

    タケル「え?」

    マコ「オレ、おじさんの手品すごくみたい!!」

    ケイコ(マコちゃん……)

    マコ「是非とも見せてください!!! オレに!! オレだけに!!!」

    タケル「……でも、つまらないかもしれないよ?」

    マコ「そんなの見てみないと分かりませんから!!」

    タケル「そうかな? なら……この前、教えてもらったやつから……」

    マコ「わーい。たのしみだなー」

    ケイコ(わ、私も頼まれたからにはがんばらないと……)

    タケル「いいかい? この一番上のカードを見てみるよ? スペードのエースだね? これをテーブルの上に伏せて……」

    47 = 1 :

    タケル「ほら、ハートのエースになるんだ」

    マコ「すごい!! これはすごい!! すごすぎる!!」

    ケイコ(タネが見えていなければ……)

    タケル「いやぁ。あれから自分なりにオリジナル要素も加えてみたんだけど、それがけっこうしっくりきてね」

    マコ「もっと見せてください!!」

    タケル「いいよ。じゃあ、この山の中から一枚引いてみて」

    マコ「わかりました!! クラブの9です!!」

    タケル「言ったら、ダメなんだよ」

    ケイコ「マコちゃん」

    マコ「あ、ご、ごめんなさい!! つい!!」

    タケル「でも、この手品は受けがよくなかったからね……。もういいか」

    ケイコ「あの、あなたのことはカナから聞いています。えっと、何があったのか詳しく話してみてくれませんか?」

    タケル「え?」

    ケイコ「話してすっきりすることもあると思うんです」

    マコ「そうですね。話を聞いたほうがいいかもしれない。大丈夫です。オレの聞き上手は母親譲りですから」

    48 = 1 :

    タケル「――ここ最近の出来事は、こんなところだよ。だからね、僕はね……デートのね……約束を……」

    ケイコ「ああ……」

    マコ「すっきりするどころか、更に落ち込んじゃった」

    タケル「ごめんね。こんなこと中学生の君たちに話しても仕方の無いことだっていうのは分かっているんだけどね」

    ケイコ「はぁ……」

    ケイコ(気まずい。聞いたのは間違いだった)

    マコ「どうしよう。チアキに元気付けるように言われているのに……!! ハルカさんにもこの人のことを頼まれているのに……!!」

    マコ「オレに……オレに何ができるんだ……!!」

    ケイコ「マコちゃん。耳貸して」

    マコ「はい! どーぞ!!」

    ケイコ「(私たちじゃ的確なアドバイスなんて出来ないと思うの)」

    マコ(ケイコさんの吐息がぁ……)ゾクゾクッ

    ケイコ「(だからね、カナたちとは違う方法で癒してあげない?)」

    マコ「(その方法って?)」

    ケイコ「(えっと……少し恥ずかしいけど……)」

    49 = 38 :

    リアルでこういう人いたら対応困るな

    50 = 1 :

    春香「――マコちゃん、ケイコちゃん。お茶でも……」

    タケル「あぁー。きもちいいよぉ……」

    マコ「そうですか!?」

    ケイコ「んっ……んっ……」

    春香「二人とも……」

    マコ「あ、ハルカさん!! どうも!!」

    ケイコ「ここは、どうですか?」

    タケル「お願いしてもいいかな?」

    ケイコ「はい」

    春香「ごめんね、二人とも。こんなことまで……」

    マコ「いえ!! これぐらいなら余裕です!! 父親譲りのサービス精神がオレに宿ってますから!!」

    ケイコ「はい。気にしないでください」

    タケル「あー。そこそこ」

    ケイコ「凝ってますね」

    春香(いたるところをマッサージしてもらって、おじさんも気持ちよさそう。二人にはきちんとお礼しておかないと)」


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