元スレ穏乃「憧の教典?」
SS覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
401 = 147 :
まこが広間から出て、久のところへ向かった、その瞬間だった。
東階段側の防火戸にかけたモップの閂が、ギシリと軋んだ。
久「ッ!!!!」
銃声が轟き、まこの身体が床に倒れる。
久「まこっ!!!」
久(扉の隙間から…!)
泉「あ、あかん…!来た来た来た……!」ガクガク
浩子「走れっ!反対側から逃げるんや!」
尭深「いや…ああ…うぅ……」ポロポロ
久「渋谷さん…!何やってるの!走りなさいッ!」グイイ
泣き出したい気持ちは、久も同じだった。涙を堪え、尭深を引き起こす。
久(咲のお姉さん、弘世さん、亦野さん…まこ…)
久(みんな、私達のために頑張ってくれた…!死ぬわけにはいかない…!)
402 = 147 :
久は、まこの遺体に後ろ髪を引かれながらも、広間を通って弾除けを迂回し、急いで西階段側へ向かう。
西側のバリケードを取り除き、あらかじめ用意していた緊急用の通路を出現させる。
久「モップ抜いて!」
そのとき、後方──東階段側の方で、再び銃声が響いた。弾除けに流れ弾が被弾し、甲高い音を立てる。
直後、防火戸がバリケードに激しくぶつかる音がした。防火戸が、開いたことを暗示していた。
浩子「モップがぶち抜かれたんや…!」
弾除けのせいで東階段側は見えないが、バリケードを破壊する音が続いている。
久たちは、3本のモップを全て外すと、防火戸を押しのけ、階段へと飛び出す。
403 = 241 :
どきどき
404 :
ワカメェ…
405 = 233 :
駄目だろうな……
406 = 388 :
ワカメ先輩のキングクリムゾンでも勝てないなんて……
409 = 147 :
咲「いやあああ!」ダッ
咲は、半狂乱になりながら、4階への階段を駆け上がる。
久「ダメよ、上に逃げちゃ!…咲っ!」
浩子「何しとるんです!はよ!」
咲以外の4人は、階段を駆け下りる。3階から2階への踊り場を曲がったとき、4人は絶句した
尭深「な……、これ…」
踊り場から先は、まるで久たちが3階に築いたバリケードのように、大量の机と椅子で封鎖されていた。
久「みんな、戻りましょう!」
きびすを返し、階段を駆け上がろうとしたそのとき、3階の廊下を、こちらに向かって疾走してくる足音が聞こえた。
そして、防火戸から、散弾銃を携えた憧が姿を現した。
憧「はろ~♪」
410 = 366 :
咲ちゃんが咲さんになれば勝てる可能性が・・・
411 = 190 :
この展開ではぐれるのは生存フラグ……!!
412 = 242 :
こんな目にあったら咲絶対トイレ行っちゃうだろ……
超支援
413 = 147 :
久「あ、新子さん!?」
憧「そうで~す!」
憧は、なんのためらいもなく泉に向かって発砲した。
広範囲に拡散した散弾が、傍にいた浩子を巻き込み、二人をなぎ倒した。
轟音に鼓膜が震える。
憧「竹井さん、あなたのバリケードを真似してみたの。どお?びっくりした?」
憧「1階の食堂からわざわざ運んだのよ、これ。いやぁ大変だったわー」
どうして私たちがバリケードを築いたことを知っていたのか、と一瞬頭をよぎった疑問も、轟音にかき消された。
尭深が狙撃された。尭深は、バットで殴られたように階段下へ吹っ飛んだ。
久「渋谷さん……!」ガクガク
414 = 233 :
やっぱり駄目だったか……
415 = 248 :
これは安価……
416 = 246 :
嘉門米美「先生、新子のこと誇りに思うぞォ~(はぁと」
417 :
SATでもなんでもいいから早く来てなんとかしてくれ胸が痛い
418 = 147 :
憧は、流れるような手つきで弾を装填する。
憧「あれー、4人?たしか、5人残ってたはずだけど?」
久「…3階にいたのは私達だけよ」
憧「あはっ!友達思いなんだねぇ…」
憧「でも、答えるまでに時間がかかりすぎなのが、玉に瑕ねー」
憧は、久へ銃口を向ける。
憧「で、本当は5人だったんでしょ?」ジャキ
久(ひっ……い、いや…!死にたくない…!)ガタガタ
久は、その場にへたり込み、懇願するような口調で答える。
助かる可能性が無いことは百も承知だったが、それでも、答えられずにはいられなかった。
久「さ、…咲は…うえに、行き、ました…」ボロボロ
久「おねがい…ころさ…ないで……」ボロボロ
憧「ありがと!それじゃ、さよならー」
ドオォォォン!!!
419 :
憧「そうで~す!」
天使
420 = 190 :
折れてしまったか……
421 = 246 :
土壇場で泣き出す久ちゃん可愛い!
422 = 308 :
iPS美穂子ならこの憧も余裕で瞬殺なのに
423 = 147 :
PM 10:02
─4F
咲は、4階の廊下を走っていた。足がガタガタと震えて、歩くような速度しか出ない。
後方の西階段から恐ろしい銃声が聞こえるたび、心臓が破裂しそうになる。
咲(誰、か……助けてっ……!)ハァ ハァ
咲(もういやだ…!夢なら覚めてよ……!)ハァ ハァ
咲は、必死の思いでトイレへと駆け込む。むっとする濃密な血の臭いが漂っていた。
咲「ひっ…」ガクガク
胸部に風穴を開けた和が、血の海の中に倒れていた。
咲「う、うえぇぇえおええぇ」ボタボタ
咲は、その場に座り込み、嘔吐してしまった。
廊下から、足音が聞こえてきた。足音は、着実にこちらへ向かってくる。
そして、すぐ傍で止まった。顔をあげると、新子憧の笑顔があった。
424 = 250 :
しかし、散弾銃持っただけでここまで手に負えなくなるとは……
アメリカとかヤバいじゃん
425 = 361 :
>>424
だから自分らも銃持ってればあんしんだね☆
426 = 270 :
427 = 368 :
あこちゃーの敗因はしずもんの死をちゃんと確認しなかったこと
428 = 147 :
憧「おめでとう。あなたで最後だよ。宮永咲さん」ニコニコ
咲「あ……ぅ……」ポロポロ
憧「やっぱり麻雀が強いと運も強いのかな?」
憧「なーんか最後まで残りそうな気はしてたのよねぇ」
咲「お…お姉ちゃん……は…?」ボロボロ
憧「安心して。すぐに会えるよ。今、おねーちゃんのところへ連れてったげる」スチャ
憧「向こうへ着いたら、仲良く卓でも囲んでね」
咲は、全てを諦めたように目を瞑った。
ドオオォォォン………
429 :
>>425
原作である悪の教典には攻めるときには銃は有効だが、護身としては全く意味を成さないという一文がありまして…
430 = 147 :
PM 10:04
─4F
憧「…コンプリート達成ね」
足元に横たわる咲の死体を眺めてつぶやく。
憧(思い返せば、大変だったなぁ…)
憧(江口セーラといい、弘世菫たちといい、亦野誠子といい、竹井久といい…)
憧(みんな予想以上の大健闘だったよ。結構楽しかったな)
憧(さてさて、センチになるのはこれくらいにしておいて)
憧(まだ大事なことをやってないし、さっさと済ませちゃお)
431 = 160 :
>>429
アメリカだと実際は抑止力っぽいイメージ
432 = 157 :
思えば亦野さんはかなり頑張った方だったな
433 = 366 :
本編より活躍したマタンゴ
434 = 147 :
PM 10:06
─1F 食堂
憧「ハルエ、おまたせ~」
晴絵「~~~!~~!」モゾモゾ
晴絵は、相変わらず、毛布に包まれてミノムシのような姿で食堂に横たわっていた。
憧「落ち着いて、今、口のタオル取ったげるから。大声は出さないでね?」グイイ
憧(まぁ、出したところで聞く人は1人も生き残ってないんだけど)
晴絵「ぶはっ!!」ゲホゲホ
晴絵「なんだったんだ、あの銃声は!?灼は?無事なのか…!?何があったんだ!?」
憧「ちょ、落ち着いてって言ってんじゃん!」
憧は、晴絵の靴を脱ぎ、食堂に置きっぱなしになっていた自分の靴へと履き替えた。
435 = 270 :
立てこもりを残しつつ軽く逃げたい
436 :
憧「ロン」ドオォォォン!!!
437 :
申し訳ないがハルちゃんに罪を押し付けるのはNG
438 = 147 :
晴絵「灼は、…どうなったんだ?」
憧「灼なら、ついさっき亡くなったよ…」ションボリ
晴絵「そん…な……」
憧(本日3回目だけど、大丈夫かなぁ?破れたりしなければいいけど)ブンッ
うなだれる晴絵の後頭部に、ブラックジャックを振り下ろす。
晴絵「あっ…」ガクリ
憧(さてと、ミノムシハルエのまゆを解いて…っと)ムキムキ
気を失った晴絵の拘束を解くと、壁際の椅子に座らせる。
散弾銃を床に立てると、銃口を晴絵の口に突っ込んだ。
憧(角度が不自然にならないように気をつけないとねぇ…)
憧(うーんと……こんな感じかな?)
憧は、片ひざをついた姿勢で、左手で晴絵を押さえながら、右手で引き金を引いた。
轟音とともに晴絵の後頭部が吹き飛んだ。手を離すと、晴絵の身体は床に転がった。
439 = 336 :
罪をなすりつける気マンマンだな
441 = 169 :
憧の死体がないとすぐにバレるだろ
442 :
実はシズが生きてワンチャンあると信じてる
443 = 190 :
>>441
調子悪くて個室で寝てればオッケー
444 = 436 :
風呂行きたいけどオチが気になる
445 = 147 :
憧(次は、空包を入れて、ハルエの右足の靴下を脱がせて、親指を引き金にかける)ヨイショ
パンッ!!!
憧(これでハルエの親指から、火薬の残滓反応がでるでしょ)
憧(足の親指で引き金を引く、典型的な猟銃自殺ね)ウンウン
憧(それから、散弾銃をさっきと同じ場所において、倒す)ゴトッ
憧(ふぅ。そんで、最後に一仕事ね)
憧(ハルエの拘束に使った道具を、全部まとめて…)ゴソゴソ
口内のタオル、ブラックジャック、ガムテープを毛布で包み、駐車場へ向かった。
晴絵の車から、晴絵の家から持ってきたポリ容器入りの灯油を取り出し、毛布にかけると、いったん食堂へと戻る。
憧(ハルエ。これ、ありがとね。返すよ)
晴絵の左足に靴を履かせ、車の鍵をポケットへと返却する。
憧(あとは、今までつけていた二重の手袋のうち…)
憧(硝煙反応の出る外側の手袋を晴絵の手に嵌めて…っと)
446 = 147 :
駐車場へ戻ってくると、100円ライターで毛布へ火をつけた。
ボオオオ…メラメラ…
憧(…きれい)ウットリ
憧(この煙と一緒に、みんなも天へ昇っていけることを祈りましょ)
憧(おっと、見とれてる場合じゃないって)
憧は、盗聴器のレシーバーを石で叩き壊し、炎へくべた。
ライターともう一枚の手袋も放りこむと、合宿場の管理室へと向かった。
448 :
鑑識課の手にかかれば犯人特定余裕じゃね
449 = 250 :
>>448
米沢さんの出番か
450 = 147 :
PM 10:12
─管理室
憧「さて、と…」
憧は、晴絵を拘束していたタオルで、器用に自身の両手両足を縛った。
憧「疲れたーっ!これで、やっと寝られるわー」ドサッ
憧「それにしても、お腹減ったなぁ」グウウ
しばらくして、遠くからサイレンの音が聞こえてきた。
銃声を聞いた通りすがりの通報か、久のSOSを受けての通報かまでは分からなかった。
憧(うわ、思ったより早かった!まったく、綱渡りもいいとこね…)ヒヤヒヤ
憧(後は、警察に任せましょ)
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