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元スレほむら「私は幸せ――」
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ほむら「終わりね。あとは時間停止の解けたピエロに殺されてしまうがいいわ」
ほむらの姿をした魔女は実に愉快そうに唇を歪めて、停止しているマミを一瞥した。
ほむら「そして今度こそ私はまどかと幸せになる。絶望したぶん、私は幸せにならなければならない!」
吼えるようにそう言って魔女は高らかに笑う。
そして髪を掻き上げ、撫で、嗅いで、恍惚とした。
ほむら「すてき、すてきよ! 私はきれい! 私は美しい! 嗚呼、私は幸せ!」
両手を広げ、時間の停まった空を見上げる魔女。
ほむら「私は幸せ――」
ほむらの姿をした魔女は実に愉快そうに唇を歪めて、停止しているマミを一瞥した。
ほむら「そして今度こそ私はまどかと幸せになる。絶望したぶん、私は幸せにならなければならない!」
吼えるようにそう言って魔女は高らかに笑う。
そして髪を掻き上げ、撫で、嗅いで、恍惚とした。
ほむら「すてき、すてきよ! 私はきれい! 私は美しい! 嗚呼、私は幸せ!」
両手を広げ、時間の停まった空を見上げる魔女。
ほむら「私は幸せ――」
その、左手の甲で輝いていたソウルジェムに、
ほむら「――っ?」
魔女のようなほむらの撃った銃弾が命中した。
ばちゃばちゃとほむらにまとわり付いていたどろどろがこぼれ落ちる。
ほむら「ソウルジェムを砕かれると、魔女だろうと死ぬのね」
笑顔のまま魔女が後ろ向きに倒れる。
同時にその体がブロック状に分解し、ばらばらと転がった。
ほむらは銃を盾に仕舞う。
ほむら「――お前のそれは幸せなんかじゃない」
ほむらが見つめるさきで魔女の破片がどろりと宙に溶けた。
マミ「――あああっ!」
時間が再び流れはじめ、マミは勢いよく地面に顔面をぶつけた。
ほむら「巴さん……」
ほむらはため息をついた。
空が白みだしている。夜が、明けようとしていた。
ほむら「――っ?」
魔女のようなほむらの撃った銃弾が命中した。
ばちゃばちゃとほむらにまとわり付いていたどろどろがこぼれ落ちる。
ほむら「ソウルジェムを砕かれると、魔女だろうと死ぬのね」
笑顔のまま魔女が後ろ向きに倒れる。
同時にその体がブロック状に分解し、ばらばらと転がった。
ほむらは銃を盾に仕舞う。
ほむら「――お前のそれは幸せなんかじゃない」
ほむらが見つめるさきで魔女の破片がどろりと宙に溶けた。
マミ「――あああっ!」
時間が再び流れはじめ、マミは勢いよく地面に顔面をぶつけた。
ほむら「巴さん……」
ほむらはため息をついた。
空が白みだしている。夜が、明けようとしていた。
杏子「で、今日はなんだっつーんだよ」
簡素なほむらの部屋で、杏子はどさりと腰を下ろした。
さやか「や、わたしもよくわかんないけど、大事な話とか」
さやかもその隣で膝を抱える。
マミ「ごめんなさい、遅れちゃったわね」
杏子「おーマミ、罰としてそのお菓子をアタシによこせ」
マミ「心配しなくてもちゃんとみんなのぶんあるわよ」
さやか「てゆうかあんたはずっとお菓子食べてんじゃん」
マミが持ってきた袋を座卓に置いた。
まどか「あ、マミさん。こんにちは」
ほむら「貴女が遅れるなんて珍しいわね」
水屋からまどかとほむらがジュースを運んできた。
それぞれが座卓を中心にして座る。
簡素なほむらの部屋で、杏子はどさりと腰を下ろした。
さやか「や、わたしもよくわかんないけど、大事な話とか」
さやかもその隣で膝を抱える。
マミ「ごめんなさい、遅れちゃったわね」
杏子「おーマミ、罰としてそのお菓子をアタシによこせ」
マミ「心配しなくてもちゃんとみんなのぶんあるわよ」
さやか「てゆうかあんたはずっとお菓子食べてんじゃん」
マミが持ってきた袋を座卓に置いた。
まどか「あ、マミさん。こんにちは」
ほむら「貴女が遅れるなんて珍しいわね」
水屋からまどかとほむらがジュースを運んできた。
それぞれが座卓を中心にして座る。
ほむら「……今日は、秘密にしていたことを話そうと思って」
ほむらがそう言うと、杏子はぴくりと反応して、じろ、とほむらのほうを見た。
まどか「あ、ごめんね。わたしから先にお話させてもらってもいいかな」
さやか「な、なによあんたら」
マミ「話す気になったのなら、聴きましょう」
まどか「ごめんね、ほむらちゃん」
ほむら「いいえ。かまわないわ」
ほむらは髪を払った。
一息ついて、まどかはほむらに語った改編の真実を話し出した。
ほむらがそう言うと、杏子はぴくりと反応して、じろ、とほむらのほうを見た。
まどか「あ、ごめんね。わたしから先にお話させてもらってもいいかな」
さやか「な、なによあんたら」
マミ「話す気になったのなら、聴きましょう」
まどか「ごめんね、ほむらちゃん」
ほむら「いいえ。かまわないわ」
ほむらは髪を払った。
一息ついて、まどかはほむらに語った改編の真実を話し出した。
さやか「なに、それ……。まどか、あんたそれ本当なの……?」
まどか「本当だよ。わたしのなかにはすべての魔女が重ね合わされて封じられてるの」
マミ「話してくれてありがとう、鹿目さん。ひとつだけ教えて。どうして、嘘をついたの?」
まどか「……ごめんなさい。ただ、新しい世界で幸せになっているのに、辛い『ほんとうのこと』を知る必要があるのかと思って……。
でもわたしの傲慢でした。みんなにはちゃんと伝えておかなきゃだめだった」
マミ「教えてくれてありがとう。嬉しいわ」
さやか「なんか杏子、反応薄いね」
杏子「んー。だいたい想像つくだろ。前に考えをまどかに話して、確かめてるしな」
さやか「なんですとーっ。教えてくれたっていいじゃんかー」
杏子「うっせーな、まどかが話さねーことをアタシが言えねーだろーが」
まどか「本当だよ。わたしのなかにはすべての魔女が重ね合わされて封じられてるの」
マミ「話してくれてありがとう、鹿目さん。ひとつだけ教えて。どうして、嘘をついたの?」
まどか「……ごめんなさい。ただ、新しい世界で幸せになっているのに、辛い『ほんとうのこと』を知る必要があるのかと思って……。
でもわたしの傲慢でした。みんなにはちゃんと伝えておかなきゃだめだった」
マミ「教えてくれてありがとう。嬉しいわ」
さやか「なんか杏子、反応薄いね」
杏子「んー。だいたい想像つくだろ。前に考えをまどかに話して、確かめてるしな」
さやか「なんですとーっ。教えてくれたっていいじゃんかー」
杏子「うっせーな、まどかが話さねーことをアタシが言えねーだろーが」
マミ「そうね。話す気になるまで待とうと、私も思ってたわ」
さやか「マミさんも気付いてたんですか!」
マミ「薄々、ね。なにか妙だと思ったもの。それで、今日話してくれた理由は、もしかして暁美さんにあるのかしら?」
マミの言葉にまどかは頷いた。
ほむら「それじゃあ、私の話をするわ」
そして、ほむらは、何度も繰り返した一ヶ月のことを話した。
ほむら「……だから、私は戦い続ける」
さやか「ほむら……」
ほむら「なによ美樹さや、……!」
泣き出したさやかにほむらはぎょっとした。
さやか「ほむ゛ら゛あっ、あん゛た、辛がっだんだねぇ~っ!」
さやか「マミさんも気付いてたんですか!」
マミ「薄々、ね。なにか妙だと思ったもの。それで、今日話してくれた理由は、もしかして暁美さんにあるのかしら?」
マミの言葉にまどかは頷いた。
ほむら「それじゃあ、私の話をするわ」
そして、ほむらは、何度も繰り返した一ヶ月のことを話した。
ほむら「……だから、私は戦い続ける」
さやか「ほむら……」
ほむら「なによ美樹さや、……!」
泣き出したさやかにほむらはぎょっとした。
さやか「ほむ゛ら゛あっ、あん゛た、辛がっだんだねぇ~っ!」
杏子「なんでさやかが泣いてんだよ……」
さやか「そーゆーあんただって、泣いてるくせにっ!」
杏子「は!? えっ!? うわあ見んな見んな!」
杏子は両手で顔を覆った。
杏子「なんで……アタシ二度目なのに……うぅ~っ」
マミ「暁美さん。今の私たちがあるのは、貴女のおかげなのね。ありがとう」
ほむら「そんな、こと……」
ほむらの言葉が途切れた。
その瞳からはらはらと涙が零れる。
涙を流していることに自分自身で驚いて、ほむらはそれに細い指で触れた。
さやか「そーゆーあんただって、泣いてるくせにっ!」
杏子「は!? えっ!? うわあ見んな見んな!」
杏子は両手で顔を覆った。
杏子「なんで……アタシ二度目なのに……うぅ~っ」
マミ「暁美さん。今の私たちがあるのは、貴女のおかげなのね。ありがとう」
ほむら「そんな、こと……」
ほむらの言葉が途切れた。
その瞳からはらはらと涙が零れる。
涙を流していることに自分自身で驚いて、ほむらはそれに細い指で触れた。
さやか「ち、ちょっと、ほむら?」
ほむら「美樹さやか。仲良くしようとしてくれたクラスメイト。いつも明るい貴女が絶望していくのは私も苦しかった。貴女を救えなくて、……ごめんなさい」
涙を流したまま、ほむらが淡々と言う。
ほむら「杏子。いつも私と戦ってくれた仲間。貴女の優しさには何度も救われた。それなのに助けられなくて、ごめんなさい」
さやかはまた溢れた涙を拭き、杏子は悔しそうに顔を伏せた。
ほむら「巴マミ。私たちの素敵な先輩。私が失敗したときも励ましてくれた。私から歩み寄れなくて……、ごめんなさい」
マミ「暁美さん……ぐすっ」
ほむら「美樹さやか。仲良くしようとしてくれたクラスメイト。いつも明るい貴女が絶望していくのは私も苦しかった。貴女を救えなくて、……ごめんなさい」
涙を流したまま、ほむらが淡々と言う。
ほむら「杏子。いつも私と戦ってくれた仲間。貴女の優しさには何度も救われた。それなのに助けられなくて、ごめんなさい」
さやかはまた溢れた涙を拭き、杏子は悔しそうに顔を伏せた。
ほむら「巴マミ。私たちの素敵な先輩。私が失敗したときも励ましてくれた。私から歩み寄れなくて……、ごめんなさい」
マミ「暁美さん……ぐすっ」
ほむらは隣を向いて、まどかを見つめた。
微笑みながら頷くまどか。
ほむら「まどか。私の大事な、最初の友達。貴女を……っ、貴女を……!」
言葉に詰まったほむらはただ手をまどかに伸ばす。
まどかはその手をとって、ほむらを抱き寄せた。
まどか「もういい。もういいんだよ、ほむらちゃん」
ほむら「まどか……! まどかぁ……っ、うわあぁん」
ついにほむらが泣き声をあげ、まどかに抱きすがる。
まどかは慈しむようにその頭を撫でた。
微笑みながら頷くまどか。
ほむら「まどか。私の大事な、最初の友達。貴女を……っ、貴女を……!」
言葉に詰まったほむらはただ手をまどかに伸ばす。
まどかはその手をとって、ほむらを抱き寄せた。
まどか「もういい。もういいんだよ、ほむらちゃん」
ほむら「まどか……! まどかぁ……っ、うわあぁん」
ついにほむらが泣き声をあげ、まどかに抱きすがる。
まどかは慈しむようにその頭を撫でた。
…
まどか「……というわけでほむらちゃんは魔女を撃退して、とりあえずの魔女化を防ぐことができた」
まどかが四人を見回す。
ほむらはものすごく恥ずかしそうにしている。
まどか「でもね、魔女はいつでも機会を窺ってるの。わたしのなかから這い出て、呪いを世界に振り撒こうとする。
だからみんなは、絶望しないで。すべての呪いはここにある」
まどかはそっと自分の胸を押さえた。
まどか「だから、みんなは絶望する必要なんて、ないの」
そういってまどかはほんのりと笑んだ。
マミ「さて! それじゃ、パーティを始めましょうか!」
マミが嬉しそうに手を叩いた。
杏子「なんの話だよマミ」
マミ「あら。プリ・マギカ・レギオン結成記念パーティをするってこの前話したじゃない」
杏子「初耳だぞ……」
さやか「ほーら杏子、コップ持って」
マミ「はい、じゃあかんぱーい!」
まどか「えへへ、乾杯」
杏子「かんぱー」
さやか「かんぱーいっ!」
ほむら「乾杯」
かちかちんとグラスが小突き合わされる。
マミが嬉しそうに手を叩いた。
杏子「なんの話だよマミ」
マミ「あら。プリ・マギカ・レギオン結成記念パーティをするってこの前話したじゃない」
杏子「初耳だぞ……」
さやか「ほーら杏子、コップ持って」
マミ「はい、じゃあかんぱーい!」
まどか「えへへ、乾杯」
杏子「かんぱー」
さやか「かんぱーいっ!」
ほむら「乾杯」
かちかちんとグラスが小突き合わされる。
湿度の高い空気は振り払われ、いつもの賑やかな雰囲気だった。
杏子「おーケーキだ! 毎日見てるけど食うのは久しぶりだなー」
さやか「そういや杏子、ケーキ屋でバイトしてんだっけ」
マミ「まじめで一生懸命で、いい子だってお店のひとも言ってたわよ?」
杏子「だッ、何言ってんだばか! もーっあのオッサン……」
ほむらは哀しい気持ちが消えていくのを感じた。
私はここにいていいのだ。
ここにいたいのだ。
胸の奥からなにかあたたかいものが拡がる。
ほむらはまた目が潤み出して、目をしばたいた。
杏子「おーケーキだ! 毎日見てるけど食うのは久しぶりだなー」
さやか「そういや杏子、ケーキ屋でバイトしてんだっけ」
マミ「まじめで一生懸命で、いい子だってお店のひとも言ってたわよ?」
杏子「だッ、何言ってんだばか! もーっあのオッサン……」
ほむらは哀しい気持ちが消えていくのを感じた。
私はここにいていいのだ。
ここにいたいのだ。
胸の奥からなにかあたたかいものが拡がる。
ほむらはまた目が潤み出して、目をしばたいた。
こんな高クオリティss久しぶりに見たわ・・・
この時間にvip覗けてよかった
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杏子「なんでマミがアタシのバイト先知ってんだよー…」
まどか「わたしが教えたんだよ、杏子ちゃん」
杏子「おいまどか。ちょっと表でんぞ」
さやか「まどかー今度いっしょにいこーよー」
まどか「それいいね、さやかちゃん」
杏子「やめろうぜぇ! 来たら殺す!」
さやか「ほむらもいっしょにいくよねーっ」
さやかが笑いかける。
まどか「わたしが教えたんだよ、杏子ちゃん」
杏子「おいまどか。ちょっと表でんぞ」
さやか「まどかー今度いっしょにいこーよー」
まどか「それいいね、さやかちゃん」
杏子「やめろうぜぇ! 来たら殺す!」
さやか「ほむらもいっしょにいくよねーっ」
さやかが笑いかける。
ほむら「――ええ、もちろん」
ほむらはその、確かなあたたかさを抱いたまま、やわらかく微笑んだ。
さやか「うおっ、ほむらが笑った! ち、ちょっと破壊力ヤバイよこれ」
まどか「ほむらちゃんはきれいだからね」
マミ「クラスの男子もめろめろなんじゃないかしら」
杏子は口の端を吊り上げて鼻を鳴らした。
さやか「ぬおーっあたしがクラス一の美人なのにー!」
まどか「初めて聞いたけど。というかさやかちゃんってラブレターすらもらったことないよね」
さやか「えっ、ま、まどかさん? なんか手厳しくないすか……」
ほむら「まったく、さやかは本当にどうしようもない愚か者ね」
ほむらはその、確かなあたたかさを抱いたまま、やわらかく微笑んだ。
さやか「うおっ、ほむらが笑った! ち、ちょっと破壊力ヤバイよこれ」
まどか「ほむらちゃんはきれいだからね」
マミ「クラスの男子もめろめろなんじゃないかしら」
杏子は口の端を吊り上げて鼻を鳴らした。
さやか「ぬおーっあたしがクラス一の美人なのにー!」
まどか「初めて聞いたけど。というかさやかちゃんってラブレターすらもらったことないよね」
さやか「えっ、ま、まどかさん? なんか手厳しくないすか……」
ほむら「まったく、さやかは本当にどうしようもない愚か者ね」
ここにいたい。
このあたたかい場所を守っていきたい。
これが私の気持ちなのだ。
ほむらはそう思いながら、もう一度、ほわりと微笑んだ。
そして誰にも聞こえないように呟く。
ほむら「私は幸せ――」
おしまい
このあたたかい場所を守っていきたい。
これが私の気持ちなのだ。
ほむらはそう思いながら、もう一度、ほわりと微笑んだ。
そして誰にも聞こえないように呟く。
ほむら「私は幸せ――」
おしまい
乙乙
久々に綺麗なSSだった
さやかちゃんは同性にしか貰ったことないからな<ラブレター
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さやかちゃんは同性にしか貰ったことないからな<ラブレター
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