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元スレあかり「あかりにとって、初恋はあなたでした」
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突然、あかりちゃんがどうしてそんなことを聞いてくるのかわからずに、
私はそっとあかりちゃんの様子を伺った。
俯いたままで、正面からだとよくわからなかった。
ちなつ「……なんで?」
あかり「えっと……あかりの、クラスの子がね」
私が言うと、あかりちゃんは慌てたように言葉を付け足した。
それでもずっと、私と目を合わそうとはしないままに。
私を見るクラスの子も、私が今見ているあかりちゃんみたいに見えているんだろうかと、
そんなどうでもいいことを考えた。
あかり「あかりのクラスの子が、友達を好きになっちゃったんだって」
私はそっとあかりちゃんの様子を伺った。
俯いたままで、正面からだとよくわからなかった。
ちなつ「……なんで?」
あかり「えっと……あかりの、クラスの子がね」
私が言うと、あかりちゃんは慌てたように言葉を付け足した。
それでもずっと、私と目を合わそうとはしないままに。
私を見るクラスの子も、私が今見ているあかりちゃんみたいに見えているんだろうかと、
そんなどうでもいいことを考えた。
あかり「あかりのクラスの子が、友達を好きになっちゃったんだって」
ずきん、と心のどこかが嫌な音をたてた気がした。
ちゃんと聞いたわけでもないのに、「ないと思う」私は言った。
自分でもびっくりするくらい、冷たい声だった。
あかり「え?」
私の中で、あかりちゃんの言うクラスメイトとその友達は女の子同士だった。
それが徐々に私と結衣先輩に重なっていく。
夢と、そして先輩からの電話のせいで、私の中でおかしな思いが膨れ上がっていく。
ちなつ「ないよ、ありえないよ」
あかり「ちなつちゃん……」
ちなつ「その場に流されたりして、好きになっちゃったって思ってるだけじゃないかな、その子」
ちゃんと聞いたわけでもないのに、「ないと思う」私は言った。
自分でもびっくりするくらい、冷たい声だった。
あかり「え?」
私の中で、あかりちゃんの言うクラスメイトとその友達は女の子同士だった。
それが徐々に私と結衣先輩に重なっていく。
夢と、そして先輩からの電話のせいで、私の中でおかしな思いが膨れ上がっていく。
ちなつ「ないよ、ありえないよ」
あかり「ちなつちゃん……」
ちなつ「その場に流されたりして、好きになっちゃったって思ってるだけじゃないかな、その子」
女の子同士とか、ありえないもんね。
自分で言った言葉なのに、やけに重く暗く聞こえて。
私の心に深く深く沈んでいった。
ちなつ「あかりちゃんもそう思うでしょ?」
私は必死に笑顔を作って、あかりちゃんに訊ねた。
私よりも、あかりちゃんのその表情は傷付いているように見えた。
「……言い過ぎたかも、ごめん」
そう、言い訳のように呟くと、あかりちゃんはようやく首を振った。
あかり「……ちなつちゃんの言いたいこと、よくわかるよ」
ちなつ「……うん」
あかり「……あかりこそ、ごめんね。変なこと聞いちゃって」
私は必死に笑顔を作って、あかりちゃんに訊ねた。
私よりも、あかりちゃんのその表情は傷付いているように見えた。
「……言い過ぎたかも、ごめん」
そう、言い訳のように呟くと、あかりちゃんはようやく首を振った。
あかり「……ちなつちゃんの言いたいこと、よくわかるよ」
ちなつ「……うん」
あかり「……あかりこそ、ごめんね。変なこと聞いちゃって」
ほんとだよ、変なこと聞きすぎ。
えへへ、そうだよねぇ。
ここからはもう、いつもどおりの会話を交わしているはずなのに。
なんだか今日は少し、あかりちゃんの傍が居心地悪かった。
◆
時間が経つのが随分早いと感じるようになってからではもう遅い。
誰かがそんなことを言っていたような気がするけれど、確かにそのとおりで気付けばもう、
夏休みは終わって二学期に入っていた。
そろそろ高校受験という四文字で教室内が徐々にぴりぴりしてくる頃だ。
二学期でこんなだから、三学期になったら教室の雰囲気はどうなっちゃうんだろうなんて
ことを考えながら私はノートの端を小さく破った。
一学期のあの日以来、私とあかりちゃんの間になぜか溝が出来た気がする。
それは、私だけが勝手に思っていることなのかもしれないけど。
夏休みはお互い夏期講習で中々遊べなかったし、会えずにいたから。
時間が経つのが随分早いと感じるようになってからではもう遅い。
誰かがそんなことを言っていたような気がするけれど、確かにそのとおりで気付けばもう、
夏休みは終わって二学期に入っていた。
そろそろ高校受験という四文字で教室内が徐々にぴりぴりしてくる頃だ。
二学期でこんなだから、三学期になったら教室の雰囲気はどうなっちゃうんだろうなんて
ことを考えながら私はノートの端を小さく破った。
一学期のあの日以来、私とあかりちゃんの間になぜか溝が出来た気がする。
それは、私だけが勝手に思っていることなのかもしれないけど。
夏休みはお互い夏期講習で中々遊べなかったし、会えずにいたから。
あかりちゃんに会うのが怖いわけじゃない。
むしろ、私はあかりちゃんに会いたかったし、一緒にいたかった。
あかりちゃんと一緒にいることで、私の心はようやく休むことが出来るのだ。
先生「はーい、じゃあここの問題やっといてー」
先生がそう言ってプリントを忘れたとかなんとか言いながら教室を出て行ったのを
見届けて、破いた切れ端をさらに小さく破っていく。
さすがに大きいものを作る勇気はないし、京子先輩みたいでなんか恥ずかしい。
「なにやってるの?」
後ろの席の子が手元を覗き込んできて、ついドキッとした。
無理矢理手を退かせられる前に、自分から隠していた紙切れを見せる。
「なにそれ?」
きょとんとするクラスメイトに、私は「部活で使うの」
そう、得意げに言ってみた。
クラスメイトの女の子はさらにきょとんと首を傾げた。
むしろ、私はあかりちゃんに会いたかったし、一緒にいたかった。
あかりちゃんと一緒にいることで、私の心はようやく休むことが出来るのだ。
先生「はーい、じゃあここの問題やっといてー」
先生がそう言ってプリントを忘れたとかなんとか言いながら教室を出て行ったのを
見届けて、破いた切れ端をさらに小さく破っていく。
さすがに大きいものを作る勇気はないし、京子先輩みたいでなんか恥ずかしい。
「なにやってるの?」
後ろの席の子が手元を覗き込んできて、ついドキッとした。
無理矢理手を退かせられる前に、自分から隠していた紙切れを見せる。
「なにそれ?」
きょとんとするクラスメイトに、私は「部活で使うの」
そう、得意げに言ってみた。
クラスメイトの女の子はさらにきょとんと首を傾げた。
>>74
あれは熱い戦いだったな
あれは熱い戦いだったな
―――――
―――――
ちなつ「あかりちゃん」
部室には、やっぱり私より一足先にあかりちゃんが来ていた。
最近あまり寝てないと言っていた気がするけれど、その言葉通りあかりちゃんは
開けたノートを真っ白のまま、うとうととふねを漕いでいた。
呼びかけると、あかりちゃんはぱっと顔を上げた。
しばらくぼーっとした後、「あ、ちなつちゃん……」とようやく名前を呼んでくれる。
―――――
ちなつ「あかりちゃん」
部室には、やっぱり私より一足先にあかりちゃんが来ていた。
最近あまり寝てないと言っていた気がするけれど、その言葉通りあかりちゃんは
開けたノートを真っ白のまま、うとうととふねを漕いでいた。
呼びかけると、あかりちゃんはぱっと顔を上げた。
しばらくぼーっとした後、「あ、ちなつちゃん……」とようやく名前を呼んでくれる。
ちなつ「おはよ」
あかり「……えへへ、寝ちゃってた」
あかりちゃんはそう言いながら、ごしごしと目をこすった。
私の座る場所にはもう、しっかりお茶の用意がしてあった。
ちなつ「……」
あかり「ちなつちゃん、それじゃああかり」
帰るね、そう言い掛けそうなあかりちゃんの手を掴んだ。
中腰になったまま、あかりちゃんは「どうしたの?」と困ったような声を出す。
私は「ちょっとだけ待って」と言い置いて、がさごそと鞄の中を探った。
あかり「……えへへ、寝ちゃってた」
あかりちゃんはそう言いながら、ごしごしと目をこすった。
私の座る場所にはもう、しっかりお茶の用意がしてあった。
ちなつ「……」
あかり「ちなつちゃん、それじゃああかり」
帰るね、そう言い掛けそうなあかりちゃんの手を掴んだ。
中腰になったまま、あかりちゃんは「どうしたの?」と困ったような声を出す。
私は「ちょっとだけ待って」と言い置いて、がさごそと鞄の中を探った。
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