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    元スレあかり「あかりはいつでも傍にいるよ」

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    タグ : - ちなあか + - ゆるゆり + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    1 :

    \アッカリーン/

    あかり「こんにちはー」

    ちなつ「あ、あかりちゃん」

    あかり「ちなつちゃん、先に来てたんだね、探しちゃったよぉ」

    ちなつ「ごめんねー、結衣先輩に早く会いたくなっちゃって」

    あかり「え?」

    ちなつ「え?」

    あかり「今日は結衣ちゃんも京子ちゃんもお休みだよ?」

    ちなつ「……え?」

    ちなつ「……」ズゴーン

    あかり「ち、ちなつちゃん、そんなに落ち込まないでー!」

    2 = 1 :


    結衣先輩がいないなんて、今日はなんてついてない……。
    せっかく結衣先輩のために美味しいお茶の葉を持って来てたのに。

    ちなつ「はーあ……」

    思い切り溜息を吐いてやると、いるのかいないのかわからないあかりちゃんが
    「大丈夫だよぉ」と声をかけてくる。

    ちなつ「大丈夫ってなにが?」

    あかり「結衣ちゃんたち、明日帰ってくるから!」

    ちなつ「京子先輩はいらないけど」

    あかり「えっ」

    ちなつ「うぅ、結衣先輩~……」

    修学旅行に行ってしまったときのほうがもっと辛いけど、
    一日だけ校外学習でいなくても辛いものは辛いんです、結衣先輩……。

    3 :

    バデレ

    4 :

    素晴らしい

    5 = 1 :

    あかり「ちなつちゃん、元気出して」

    ちなつ「出せるかってんだー」バーンッ

    あかり「ひぃっ」ビクッ

    ちなつ「え?なに、あかりちゃん?」キョト

    あかり「う、ううん……」ガクブル

    ちなつ「……はあ……」

    あかり「……そ、そうだ!ちなつちゃん、お茶飲もう!」

    ちなつ「お茶ぁ?」

    お茶といえば持って来たお茶っ葉。
    イコール結衣先輩。
    先輩に会いたくて会いたくて仕方が無いというのにお茶なんて。

    あかり「あかり、ちなつちゃんのお茶、すっごく飲みたいんだぁ!」

    6 :

    あかりマジ天使

    7 = 1 :

    あかりちゃんの真直ぐな笑顔を見ると、そうも言えなくなる。
    私はしかたないなあと立ち上がった。
    今日持って来たのは明日、先輩が来てから淹れるとして、他に何かあったっけ。

    ちなつ「あかりちゃん、何が飲みたい?」

    あかり「うーん、何でもいいや、ちなつちゃんの飲みたいものでいいよ!」

    ちなつ「そっか」

    と、言われましても。
    私もなんでもいいから聞いてるわけなのに。

    がさごそと入れ物を探りながら私は考える。
    昨日はアップルティー、その前はレモンティー、その前の前は渋く緑茶……
    偏るのはだめかなあ。

    あかり「なんだかちなつちゃん、すごく真剣だねぇ」

    ちなつ「えっ、そう?」

    まあお茶汲みとしてプライドというかなんというか。

    8 :

    いいよいいよ

    9 :

    ほうほう、続けろください

    12 = 1 :

    けどよくよく考えてみれば今日はあかりちゃんだけで、毎回のお茶の種類のことなんて
    気にしなくてもいいのか。

    ちなつ「よし、それじゃあ普通に抹茶で」

    あかり「ふ、普通に?」

    ちなつ「前に京子先輩、お茶の道具あるって言ってたよね?」

    あかり「そういえば、言ってた気がする、かも……」

    どうせあかりちゃんと二人っきりなんなら今までやりたくてもできなかったことに
    挑戦すればいいのよちなつ!
    あかりちゃんなら何でも手伝ってくれるんだから!

    ちなつ「じゃあ早速探そっかー」

    あかり「えぇ!?でもあかり、どこにあるか知らないよ!?」

    13 = 1 :

    ちなつ「そのへん探せば出てくるでしょ」

    あかり「そんな簡単に行くかな……」

    ちなつ「どうして?」ガサゴソ

    あかり「だって、京子ちゃんがいっぱい物突っ込んだりしてるから……」

    ちなつ「いくら京子先輩でも……」

    そう言いながら私は押入れを開けて。
    「ちなつちゃーんっ!」とあかりちゃんの焦った声が聞こえたときには時既に遅し。
    ガラクタの津波が私を襲ってきていた。

    なにこれなんの別アニメよ!?

    ちなつ「うぅ……」

    あかり「ちなつちゃん、大丈夫!?」

    ガラクタの底に埋りながら助けての手を差し伸べていると、誰かの手が私の手を
    掴まえて引起してくれた。朦朧とした頭が一瞬結衣先輩だと勘違いしかけたけど、
    そんなことはあるはずもなく、青い顔をしておろおろするあかりちゃんだった。

    15 :

    いいすね

    16 = 1 :

    ちなつ「いたた……」

    あかり「ちなつちゃん!」

    ちなつ「あかりちゃん、ちょっとうるさい……」

    あかり「ご、ごめん!でも、大丈夫?頭とか打ってない?」

    ちなつ「軽く打ったかも……」

    まあそのおかげで結衣先輩の幻を見れたから良しとする。
    あかりちゃんが「保健室行ったほうがいいよぉ」と引っ張ろうとするのを、
    私は笑って止めた。

    ちなつ「大袈裟だよあかりちゃん」

    あかり「でも変なとこ打ってたりしたら大変だよぉ」

    ちなつ「ほら、平気だってば!」コオドリコオドリ

    あかり「ちなつちゃあん!やっぱり変なとこ打ったんだよぉ!」

    ちなつ「ち、違うよこれ!大丈夫って意味だから!」

    17 = 8 :

    しえん

    18 = 1 :

    あかり「ほんとに大丈夫?」

    ちなつ「うん、大丈夫!」

    あぁ、もうあかりちゃんは心配性なんだから。
    それにこれで私の頭がおかしくなったんなら京子先輩のせいなんだから!
    京子先輩のせいになって晴れて結衣先輩とラブラブで万々歳って思えば頭の痛みなんて!

    あかり「そっかぁ……あかり本気で心配しちゃったよぉ」

    ちなつ「ごめんねあかりちゃん。それじゃ探そっか」

    あかり「えっ、まだ探すの?」

    ちなつ「うん」キョト

    あかり「あ、そうなんだ……じゃ、じゃああかりも手伝うね!」

    19 :

    ちくしょう、やっぱいえねえや

    20 :

    ええぞ!ええぞ!

    21 = 1 :

    ちなつ「あ、うん……」

    ――やっぱり私、保健室に行ったほうがいいのかも。
    今一瞬、あかりちゃんの背後に羽が見えてしまった。

    あかり「それにしても、本当にいっぱいあるねー」

    ちなつ「京子先輩、一体どれだけ物を持って来てるんだか……」

    あかり「ほんとだよねぇ。でもこれ全部京子ちゃんらしいよね」

    ちなつ「全部京子先輩らしいって……」

    私は畳みに散らばった様々な物を見下ろして、なるほどと納得してしまった。
    ミラクるんの何かだったり一年生の教科書だったり、そりゃあ色々だけど。
    京子先輩がドヤ顔で持って来たところを簡単に思い浮かべてしまうことができる。

    22 :

    あかりちゃん天使すなぁ

    23 = 1 :

    ちなつ「持って来たのはいいけど持って帰るのが面倒臭くて放っておいたんだろうなあ」

    あかり「そこも京子ちゃんらしいよねぇ」ニコニコ

    そうかなと首を傾げながら、私はあかりちゃんからそっと目を逸らした。
    あかりちゃんって本当に不思議な子だ。
    この子なら誰が何してもなんでも許してくれるんじゃないだろうか。

    あかり「けどこんなに物があったらさすがにお茶の道具なんて探し出せないよー」

    ちなつ「うーん、そうだよねー……」

    あかり「掃除ついでに物をどかしながら探してみる?」

    ちなつ「あ、そうだね!そういえば最近部室の掃除してなかったし」

    帰って来た結衣先輩がピカピカになった部室を見て、
    「ありがとう、ちなつ……さすがちなつだよ結婚しよう」なんて……。
    キャーッ!

    24 = 15 :

    せやな

    26 = 1 :

    ちなつ「いやだぁ、結衣先輩ぃー」バンバンバンッ

    あかり「ち、ちなつちゃん……?」

    ちなつ「ハッ!ご、ごめんあかりちゃん!さっさと初めて終わらせちゃおう!」

    あかり「うん、そうだね!」

    ちなつ「それじゃあ物どかしていこっか。大きいものは右でゴミみたいなのやいらなさそうなのは
        真ん中、小さいのは左側に置いてって!」

    あかり「うん、あかり頑張るね!」

    素直な返事にうん、と頷き返すと、私は腕を捲し上げた。
    よーし、結衣先輩のために一肌も二肌も……。

    あかり「ち、ちなつちゃん!」

    ちなつ「なにっ?」クワッ

    27 = 1 :

    せっかく人が頑張ろうと想像の中に浸って……!
    そこで私の思考は止まってしまった。

    ちなつ「……」

    あかり「ち、ちなつちゃーん!」

    ちなつ「ひぃ、あかりちゃん来ないでぇ!」

    どうして!?
    どうしてあかりちゃんの頭に蝉!?今秋だよ!?季節はずれだよ!?
    しかもどうして蝉の脱げ柄が!?

    あかり「なにか、なにかあかりの頭についてるよぉ~!」

    ちなつ「こーなーいーでぇー!」

    ドタバタ部室を走り回っているうちに、最初にダウンしたのはもちろんあかりちゃんだった。
    ばたんと音がして振り返るとあかりちゃんがへなへな倒れこんでいた。

    ちなつ「あ、あかりちゃん!」

    あかり「あかり、もうダメだよぉ」

    慌てて駆け寄ろうとしたところで、あかりちゃんの頭についていた蝉の抜け殻が
    ぽとりとあかりちゃんの目の前に落ちた。

    29 = 4 :

    素晴らしい

    30 = 1 :

    ちなつ「あかりちゃん、見ちゃだめーっ!」

    あかり「え?」

    ぱちっ。
    目と目があったその瞬間に
    心がトキメキ 胸がドキドキ
    思考はパラドクス たちまち二人は恋に堕ちるエターナル!

    とか、そうじゃなくって!

    あかり「……」ワナワナ

    ちなつ「あかりちゃん、お、落ち着いて!大丈夫!大丈夫だから!抜け殻だよっ!」

    31 = 1 :

    あかり「……蝉さんの、抜け殻」ポロッ

    ちなつ「あかりちゃんっ!?」

    うわあ、泣いちゃったよあかりちゃん!
    どどどどどどうしよう!京子先輩、結衣先輩!

    あかり「……吃驚しちゃったよぉ……けど、蝉さんの抜け殻なんて」

    ちなつ「も、もしかしてあかりちゃんって蝉が嫌い?」

    あかり「……ううん」

    ちなつ「へ?」

    あかり「蝉さんも蛇さんも好きだよぉ……蝉さんの寿命が短いこと知ってるけど、
        でもあかり、蝉さんの抜け殻だなんて見たくないよぉ……!」

    32 = 10 :

    やっぱりあかりちゃんは天使だった

    34 :

    あかりちゃんは天使

    35 :

    37 = 1 :

    あかりちゃん……。
    なんだか私、すごく自分が恥ずかしくなってくるよ。

    ちなつ「……あかりちゃん、ほら、立って」

    あかり「ちなつちゃん……?」

    ちなつ「後で一緒にお墓作ってあげよう、ね?」

    自分でも驚くくらいに優しい声で私は言った。
    まるで小さい子をあやしてるみたい。

    あかり「……うん、そうだね」

    でもあかりちゃんはようやく笑ってくれた。
    きっとあかりちゃんは、子どもみたいな心もちゃんと持ってるんだろうな。
    なんだかちょっと、あかりちゃんが羨ましい。

    38 = 22 :

    大天使アカリエル

    39 = 8 :

    しえん

    40 = 1 :

    あかり「ごめんね、変なとこ見せちゃって」

    ちなつ「ううん、いいよ。それにしてもどうして蝉の抜け殻なんてあったんだろうねえ」

    あかり「あ、それは京子ちゃんが置いてったものだと思うよ」

    ちなつ「えっ」

    やっぱり京子先輩!
    明日あかりちゃんを泣かせた罰として怒らなきゃ!

    って……私がどうしてあかりちゃんのために。
    その前に結衣先輩に会うという大仕事があるのにね。

    41 = 1 :

    あかり「それじゃあ再開しよっかぁ」

    ちなつ「再開って言ってもさっき何も始めてなかったけどね」

    あかり「ご、ごめんねー……」

    ちなつ「あ、あかりちゃんのせいじゃないけど!」

    あかり「そう……?」

    ちなつ「うん、そう!ほら、あかりちゃんはそっちやって。私はこの辺りやるから」

    あかり「わかったよー、ちなつちゃん」

    改めて腕まくりすると、私は気合をいれて腰を屈めた。
    ギクッ
    うん?変な音がした気がしたけど、気のせいか。

    42 = 1 :

    ちなつ「なんかよくわからないの沢山あるねー」

    あかり「そうだねぇ」

    埃を被って真っ白になってるものも、真新しいフィギアだったり、本当に色々だ。
    ていうか京子先輩は学校に何しにきてるのか。
    私はぶつくさ文句を垂れながらもさっき自分で言った通り物をまとめていく。

    あかり「ちなつちゃん、茶道の用具みつからないねえ」

    ちなつ「うんー……」

    本当にあるのか、激しく不安になってきた。
    第一京子先輩の口からでまかせだったんじゃ。けれど確かにこの目で一度見たことがあるし、
    でまかせなわけはない。

    ちなつ「ないなあ……あ!」

    44 = 1 :

    あかり「見付かった?」

    声を上げた私を、あかりちゃんが後ろから覗き込んできた。
    私はううんと首を振りつつ見つけたそれをあかりちゃんに見せた。
    少し埃をかぶっているけど、幼稚園の名前と、ふなみゆいの文字。

    ちなつ「ねえ、これって!」

    あかり「わー、懐かしいー!あかりたちの通ってた幼稚園の卒園アルバムだよぉ」

    ってことは、結衣先輩の小さい頃のご尊顔が拝めるってわけね!
    さすが結衣先輩!
    こんな素敵なものを置いてってくださるなんて!

    あかり「ちょっと見てみる?」

    ちなつ「もちろんっ!」

    あかり「あかりも見てみたから嬉しいよぉ」

    ちなつ「えーっと、結衣先輩の写真は……」

    45 = 3 :

    あかりマジ天使

    46 = 1 :

    だいぶ手垢のついているアルバムを私は必死でめくっていく。
    ずらりと幼い顔が並んでいる中、いくら私でも結衣先輩の顔を簡単に見つけるわけには
    いかなかった。

    あかり「あ、これなもりちゃんじゃないかなぁ」

    ちなつ「な、なもりちゃん?」

    あかり「こっちはゆりちゃん!」

    ちなつ「えーっと……?」

    あかり「結衣ちゃんや京子ちゃんのお友達で、あかりもたまに一緒に遊んでもらってたんだぁ」

    ちなつ「へえ……」

    48 = 22 :

    なもりちゃんは水槽の中に

    49 = 1 :

    私がまったく知らない顔を指しながら嬉しそうに話すあかりちゃんを見て、
    なんだか私は複雑な気分だった。
    あかりちゃんや結衣先輩たちとは中学で会ったんだから、知らない関係があって
    当然なのに。

    ちょっと寂しいっていうか。
    ……結衣先輩、早く帰ってこないかなあ。

    あかり「あ、あった結衣ちゃんだよ!」

    ちなつ「えっ?ど、どれ?」

    あかりちゃんの声に私ははっと我に返った。
    あかりちゃんの指す顔に目が釘付けになる。
    あぁ、結衣先輩!小さい頃からなんて凛々しい!

    ちなつ「この写真百枚欲しい」

    あかり「えっ」

    50 = 1 :

    ちなつ「冗談だけど5枚は欲しいかな……」

    あかり「そ、そうなんだ……」

    ちなつ「京子先輩はこっち?」

    あかり「うん、そうだよぉ。二人とも小さい頃から仲良しさんだったから、ほら」

    ちなつ「あ……」

    あかり「写真もほとんど二人一緒」

    いいなあ、京子先輩。
    突然、そう思ってしまった。いつでも結衣先輩の傍にいられる京子先輩が、
    すごく羨ましかった。私ももう少し早く生まれてたら。

    あかり「あかりも実はここに写ってるんだよぉ」

    ちなつ「え、どこ?」

    あかり「ここだよぉ!」

    ちなつ「……あ、そうだね、うん」

    ちなみにあかりちゃんは、
    繁みの中にひっそりいたのが写っていた。


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