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    元スレ魔王「勇者がワンパンで沈んだ」

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    51 = 1 :


    僧侶「ガアッ!」ブン!

    魔王「うぐっ」ビシ!


      側近「魔王さま!」

      勇者「問題ないかすっただけだ」


    魔王「あんたたちも闘えー!」

    52 = 1 :


    執事「とおっしゃってますが」

    側近「わ、わたしは根っからの文官です!」

    執事「わたくしも荒事は好みません」

    勇者「ふむ。ならば俺が行こう」


      魔王「早くしろやこらー!」

      僧侶「ウガアアア!」

    53 :

    ワンパンで沈む勇者に何ができる

    54 :

    簡単さ、力で勝てなければ利で勝てばいいんだよ

    55 = 1 :


    勇者「よし」スタスタスタ


      側近「な、なんだかずいぶんと余裕そうですね」

      執事「さて」


    勇者「僧侶!」

    僧侶「! ユウシャ!」

    勇者「僧侶、もうこんなことはやめるんだ」

    僧侶「グルルルルルル……!」

    魔王(うわあ、威嚇してる……)

    56 = 1 :


    勇者「俺は、君が本当は優しい娘だって事を知ってる」

    魔王(信じたくなかったけどやっぱり女の子なんだ……)

    勇者「だからおとなしく森へ帰るんだ」

    魔王「森って」

    僧侶「グルルァ!」ヒヒーン

    勇者「どう、どう」

    魔王「いやいや」

    57 = 1 :


    僧侶「ユウシャガワタシノモノニナラナイノナラ」

    勇者「……」

    僧侶「アナタヲ殺シテワタシモ死ヌ!」ズダン!

    魔王「危ない!」

    僧侶「アアアアアアアアアッ!」グワ!

    勇者「"消え去れ"!」ビシィ!


     ――ポヒョ


    魔王「って、あれ?」


      側近「消えた!?」

      執事「消えましたな」

    58 = 1 :


    魔王「あ、あれだけの質量を一瞬で……」

    勇者「……」

    魔王「……あんた、まさかあたしとやりあったときは手加減してたってこと?」

    側近「魔王さま! 大丈夫ですか!」

    魔王「なんで初めから全力を出さなかったのさ?」

    勇者「強い力には制限があるってことだ」

    魔王「制限?」

    勇者「制約による力の行使。
       それには代償がつきものであり、得るためには失う勇気が必要だ」

    魔王「……」

    勇者「背負うべきものが大きいほど、漆黒の刃は鋭く冴え渡り――」

    魔王「いやもういいよ……」

    勇者「む」

    59 :

    60 = 19 :

    勇者はタタラ場で、僧侶は森でそれぞれ暮らしていくんやな

    61 = 1 :


    魔王「ところでよかったの? あんなんでもあんたの仲間でしょ?」

    勇者「……」

    執事「魔王さま。よろしいですか?」

    魔王「なに?」

    執事「先ほどの勇者の魔術ですが」

    勇者「三日だ」

    魔王「へ?」

    勇者「俺の魔術は三日しか持たん。それを過ぎれば奴は暗黒の淵から再び姿を現すぞ」

    魔王「封印術?」

    執事「いえ、転移魔術です」

    魔王「あれ?」

    62 = 1 :


    執事「しっかりと解析しなければ分かりませんが、東に三百キロほどかと」

    魔王「今はそこにいるの?」

    執事「恐らくは」

    側近「ええ!? ってことは……」

    勇者「その通り、奴は再び我々の前に姿を現す」

    魔王「マジですか……」

    執事「おお」

    側近(あ、まずい。執事さんが楽しそうだ)

    64 = 54 :

    アレだけの質量って言ってるからボストロール級じゃね

    65 :

    ドーピングコンソメスープだ・・・!!

    66 :

    頑張って

    67 = 19 :

    この時勇者の額には肉の字が書いてあります

    68 = 1 :


    側近「に、逃げましょうよ!」

    魔王「城を捨てるのはちょっとねえ……」

    側近「そ、そんな!」

    勇者「これから俺たちは運命共同体だ。ははは、共通の敵を迎え撃つというのは心躍るな」

    魔王「踊らないよ。あんたを追いだせばいいんでしょ」

    勇者「無理だ。奴は俺の匂いをたどってくる。必ずここを通っていくだろう。そうなれば――」

    魔王「はた迷惑な。ていうか匂いをたどるって」

    勇者「あれを甘く見るな」

    魔王「規格外すぎる」

    69 :

    >>63
    後藤わろた
    倒すには鉄の棒が必要だな

    70 = 1 :


    魔王「規格外といえば三百キロを三日って」

    側近「で、でも規格外ですし……」

    魔王「考えるのが馬鹿らしくなってきた」

    勇者「そうだろう。俺も恐ろしくなって逃げてきたのだ」

    魔王「なんでさ。仲間でしょ?」

    勇者「あれと生涯を共にできると思うか?」

    執事「なるほど」

    勇者「天寿を全うするなど夢のまた夢だろう」

    魔王「とことん規格外」

    71 :

    魔王かわいい

    72 = 1 :


    執事「いやはや愉快なことになりましたな」

    魔王「全然愉快じゃないし」

    側近「また来たら転移魔術でどうにかすればいいんじゃないですか?」

    勇者「三百キロも転移させたからな。次に使えるのは十日後くらいだ」

    側近「そ、そんな」

    勇者「それに転移させたところで問題の先延ばしにしかならないだろう?」

    側近「それは、そうですが……」

    勇者「なら君、根本的な解決を目指さないといけないよ」

    側近(この人が原因なのになんで偉そうなんだろう)

    75 = 1 :


    勇者「さあ今日はもう遅い、休もうじゃないか」

    魔王「……そだね。なんかもう考えるのが疲れたよ」

    側近「お部屋の用意はできております」

    勇者「ありがとう」

    側近「え、いや、あなたじゃなくて……」

    勇者「なに? じゃあ俺はどこで休めばいいんだ?」

    魔王「適当にそこらの床で寝ててよ。広さだけは無駄にあるから」

    執事「さすが魔王さま。寛大ですな」

    勇者「ありがたい」

    側近「ありがたいんですか」

    魔王「執事くんは後で被害状況を確認しておいてね」

    執事「御意」

    78 :

    ワンパンのアキオ

    79 = 1 :


    <次の日>


    勇者「僧侶対策会議だ」

    魔王「僧侶一人に対策会議って何かがおかしいよね」

    勇者「だが見ただろう。あれはただの人間ではない」

    側近「そもそも人間なんでしょうか」

    執事「魔物の血が入ってるのかもしれませんな」

    魔王「下手したら異世界からの使者かも」

    80 = 45 :

    この魔王が悪者のはずがない

    81 = 32 :

    熱圏か…

    82 = 1 :


    勇者「いや人間だ」

    魔王「そこは断言するんだね」

    勇者「かつて王都の酒場で会ったとき、あれは普通の女だったからな」

    側近「普通の?」

    執事「それは例えば筋繊維が異常に肥大化している程度の、といったような?」

    勇者「残念ながらそれはない」

    魔王「別に残念じゃないけど……」

    執事「……」

    側近「執事さんは残念なんですね……」

    83 = 1 :


    勇者「普通は普通だ。村女Aと言い換えてもいいくらいの普通さだ」

    魔王「それがなんであんな人外に?」

    勇者「話せば長いような、短いような……」

    魔王「とりあえず聞くよ」

    勇者「そうか? なら話そう」

    執事「……」ワクワク

    84 = 1 :


    <数か月前>


    僧侶「ごめんなさい勇者さま、足を引っ張ってしまって」

    勇者「気にすることはないさ」

    僧侶「でもわたしいつもこんなんで……」

    勇者「焦ることはない。徐々に成長していけばいい」

    僧侶「……わたし、頑張ります!」

    勇者「ああ、頑張ってくれ」

    85 = 5 :

    勇者が市ねばいいんじゃね

    86 = 33 :

    火に油注いでどうすんだよ

    87 = 1 :


    魔王「話し始めたところ悪いけどちょっと待って」

    勇者「なんだ?」

    魔王「それホントにあのバーサーカー?」

    勇者「ああ、本当だ」

    魔王「信じられない……てっきりもっと」

    勇者「もっと、なんだ?」

    魔王「……まあいいや。続けて」

    勇者「分かった」

    88 = 1 :


    僧侶「とは言ったものの、何からすればいいのかな……」

    僧侶「……」

    僧侶「わたしは聖職者。だったらとりあえず祈りの時間を増やしてみましょう」

    僧侶「神とのかかわりを増やす。これがわたしにできること」

    89 = 1 :


         ・
         ・
         ・


    僧侶「きゃあ!」

    勇者「大丈夫か僧侶!?」

    僧侶「これくらいの傷ならば大丈夫。治せます」

    勇者「ふむ。だいぶたくましくなったな」

    僧侶「ありがとうございます!」

    90 = 1 :


    僧侶「勇者さまもだいぶ成長なさいましたね」

    勇者「ん? ああ。そういえばそうかもしれないな」

    僧侶「ふふ。わたしたち、着実に前進してますね」

    勇者「そうだな」

    僧侶「でも……」

    勇者「?」

    僧侶「一度も敵に勝ったことがないのはどうなんでしょう?」

    勇者「なにか問題が?」

    92 = 1 :


    僧侶「いえ。ただ、逃げてばかりというのも」

    勇者「僧侶」

    僧侶「はい?」

    勇者「明日というのは、本質的にたどり着くことができないものだ」

    僧侶「そうでしょうか?」

    勇者「ああ。たどり着いてしまえば、それは今日というものでしかない」

    僧侶「……」

    勇者「俺はそれにたどり着きたいと思っている」

    93 :

    勇者と一緒に転移させればおk

    94 = 1 :


    僧侶「それが逃げることと何か関係が?」

    勇者「俺たちに寄り道している暇はない。ただただ邁進しなければならない」

    僧侶「……」

    勇者「寄り道している暇はないってことさ。余計な戦闘は避けるべきだ」

    僧侶「はい!」

    勇者「分かってくれるか」

    95 = 1 :


    魔王「無駄に素直な子だったんだね。訳のわからない理屈に誤魔化されちゃうくらい」

    側近「それがなんであんなことに……」

    勇者「……」

    執事「……」ワクワク

    96 = 1 :


     それからも僧侶の祈りの時間は続いた。
     自分を育ててくれた神への感謝。
     大いなる存在との交わり。

     気を整え
     拝み
     祈り
     構えて、突く。
     
     一日十時間以上を費やした。

    98 :

    イメージが一気にウヴォーになった

    100 :

    ふむ


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