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元スレ黒子「上条黒子ですの」
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「と、とうまはね! 私の命の恩人なんだよ!」
一所懸命に計算した後でインデックスが言う。
「私が空腹で道に倒れていたところに偶然とうまが通りかかって、それから……」
「いえ、出逢いの云々ではなくて、何故居候を始めたのかを訊きたかったのですけど……」
「えっ……あ、え~っと……」
「こういってはなんですが、学園都市も表向きは男女関係に厳しいですので……まあ、実際は形骸化していますが、居候するとあらばそれなりに理由が必要ですので、聞いておきたいのですが?」
「えっと……えっと……とうまぁ、私なんでここにいるんだっけぇぇ……?」
涙ぐむインデックスに黒子は自分がいじめたみたいな気分になってしまった。
まったく……これではまるでわたくしがこの方を追い出したいみたいじゃないですの。
隣りに座る美琴は口を半開きにして成り行きを見守っている。
「インデックスがウチにいる理由? あ~、そりゃアレだ……えぇっと……」
対面式の窓から顔を覗かせてこめかみの辺りを叩いて記憶を引き出そうとする当麻だが、思考がある一線までくると一挙に口ごもった。
「あ~え~……なんて言ったらいいのやら……」
「もう、はっきりしなさいよ!」
痺れを切らしてテーブルを叩いたのは美琴だった。
「学園都市のIDから生徒情報読み出せば居候の理由ぐらいすぐにわかるでしょ!」
「おぉ! その手があったな御坂! さっすがレベル5、考えることが違う」
「レベル5関係ないでしょうがこんなこと……」
「お姉さまの凛々しきお知恵のおかげで解決ですの。それではインデックスさん、IDカードを」
「ぅえ!?」
「ぅえではありませんのよ。IDカード、学園都市にお住まいならお持ちでしょう?」
「えっと……えっと……」
「どうしましたの? 布教のシスターでも携帯しているはずですのよ?」
「その……えっと……」
「どうしましたの? まさか無くされたとか……」
「た、食べちゃったんだよ!!」
「「「えぇぇ!?」」」
「た、食べたって、IDカードをですの!?」
問い質すと、なぜかインデックスは胸を張って鼻息を吹く。
「そうなんだよ! あんまりにお腹ぺこぺこだったからつい食べちゃったんだよ! 全然味しなくておいしくなかったんだよ!」
「そうでしたの……それなら仕方ありませんの……」
「う、うん! そのとおりなんだょ--」
「んな訳ありますのくぁーっ!」
「きょえーっ! ついんてがメドゥーサみたいになってるんだよー!」
「IDカードがないということは、学園都市としては不審者と同じ扱いですのよ! 早く見せなさい!」
「つ、ついんて怖いからイヤなんだよ!」
「ジャッジメントですの! 早急にIDカードを提出しなさい!」
「なんか、今までで一番自然な流れでジャッジメントって聞いた気がするわ……」
自分を抱くようにして遠ざかるインデックスに黒子はつかみかかった。
「ほら! どこかに持っているでしょう! お出しなさいな!」
「ら、乱暴はダメなんだよーっ!」
「ジャッジメント権限ですの! さもなくばアンチスキルを呼びますのよ!」
「ついんて強引すぎるんだよー! 私はイギリス清教徒なんだから優しくするんだよー!」
「法の下には平等ですの! 大人しくなさい!」
「おい、やめろ白井!」
鋭い声は力強い握力を伴って黒子の腕を掴んだ。
黒子を止めたのは当麻である。真剣な顔つきで彼は黒子を睨みつけている。
「離しなさい類人猿! 身分の証明もできない浮浪者が学園都市をうろついているなどあってはなりませんの!」
「インデックスの居候理由なら俺のIDでもわかるだろ!」
当麻は右手にカードを突き出している。
風紀委員の自分より怪しいこの尼僧を擁護するのか! 不条理が黒子の癇に障り、声を荒げる。
「これはもうそういう問題ではありませんの! 身分証明がない以上、インデックスさんは身柄を拘束して理事会に通達! IDカードの再発行を申請しなければなりませんの!」
「ま、まあまあ黒子……何もそこまでしなくても……」
「お姉さままでこの類人猿の味方をしますの!? 風紀委員のわたくしより、この山猿を!!」
「そういうんじゃなくて、アンタの言うこともわかるけど強引すぎるって言ってんのよ」
「そうなんだよついんて、私はちょっとカードをなくしちゃっただけで、きちんとイギリス清教から派遣されたシスターなんだよ!」
「ですから、それがどうして男子生徒の下宿に居候しているのか聞いているんですの!」
「それなら、ほら、もうコイツのIDでアクセスしてるから、見なさいよ」
美琴がカードをスキャンした端末の画面を見せる。
引ったくるようにして目を通すと、学園生徒の生活実態の把握の一環と書いてある。きちんと統括理事会の了承を得たものだ。
「こんな……とってつけたような理屈が……」
画面にひびが入りそうなぐらい指を押しつけている。
「そんなこと言ったって、そうなんだから仕方ないんだよー」
「忘れていた分際で偉ぶらないでくださいまし」
「えぅっ」
「だいたい、学園生徒の生活実態の把握と言いながら、あなた自身がこの部屋の財政を圧迫しているではありませんの……」
「うぅっ」
「家主にパンの耳を食べさせ、浴室で寝かせる……本来ならばそれはあなたの立場ではなくて?」
「そ、それはとーまが……」
「そうだよ、俺がいいって言ったんだから……」
「そうやって甘やかすからつけあがるんですの。清教徒だというのなら一度浴室で寝てごらんなさい。それでよく清教徒だと胸を張れますわね」
>>465
同意
同意
いや別に。
相手は遠い国から来てこの町では上条以外に泊めてくれるだろう知り合いがいない(と黒子視点では思われる)中学生いくかいかないかくらいの女の子だぞ?
「まともな」一般人なら、カード再発行が必要でもまずは衣食住を確保して「保護」という形にするところだろう
>>467はそれができないのかもしれないがね
相手は遠い国から来てこの町では上条以外に泊めてくれるだろう知り合いがいない(と黒子視点では思われる)中学生いくかいかないかくらいの女の子だぞ?
「まともな」一般人なら、カード再発行が必要でもまずは衣食住を確保して「保護」という形にするところだろう
>>467はそれができないのかもしれないがね
上条さんの家の環境を理解すれば黒子の言ってることは正論だよねー
「う、うぅぅ……私は……その……」
「なんですの? 言ってごらんなさいな。わたくしを納得させる正当な利用が?」
「黒子……ちょっと怖い……」
「なぁ、白井……それぐらいにしておいてやれよ……インデックスだってさ……」
だが、黒子は指を立てて当麻の言い分を遮ると、
「例えば、例えばの話ですのよ。わたくしが、この上条当麻と姻戚関係になったとして……」
「え、えぇ!?」
「あくまでも例えばの話ですの……それでもあなたは居候を続けますの? 妻たる者があなたを居候であることを認めないと言っても」
「つ、ついんては意地悪なんだよー!」
「インデックス!?」
立てた指で胸を突かれて追い詰められていったシスターは悲鳴をあげて飛び出してしまった。
インを責めても仕方が無い
イギリス生協はインの食い扶持を上条さんに渡すべきだろ!
イギリス生協はインの食い扶持を上条さんに渡すべきだろ!
黒子は一応能力者に狙われてると思ってるじゃん?
ならそういうことはアンチスキルに任せるじゃんよ
ならそういうことはアンチスキルに任せるじゃんよ
「おい、インデックス!」
当麻はインデックスを追いかけて同じように飛び出していった。
「ねぇ、黒子……いくらなんでも言い過ぎだったわよ……アンタらしくない……」
「……すみませんの、お姉様。つい熱くなってしまって……」
重々自覚していたはずの欠点に黒子も深くうなだれた。
風紀委員としての黒子からすればインデックスは怪しいところだらけであった。
インデックスは外部からの侵入者である。
侵入者が学園生徒をトラブルに巻き込み、その安全を脅かしている。
たとえインデックスが何かしらの事情で保護される必要があったとしても、シスターならば教会に行けば充分な保障がされるはずである。
それがわざわざ金銭面に不安のある生徒(しかも男子)の部屋に泊まっているということは不純異性交遊の可能性もある。
そういう判断があって、インデックスの事情を正確に把握するため追求したのだ。
「そうは言っても、アイツ作りかけで行っちゃったからねぇ……うーん、もう寮の門限になっちゃうから私は帰ることにするわ」
キッチンのポテトサラダをひとつまみ味わってから、美琴は靴を履く。
「すみませんの、お姉様……お構いもできなかった上に見苦しいところまで……」
「ま、アンタが仕事熱心なのはわかってるつもりだからさ、あんまり根詰めるんじゃないわよ……あ、そういえば……」
歯を見せて黒子ならずともくらりとなりそうな微笑みをしてから、美琴が念を押すように訊ねた。
「あ、アンタが言ってたことって……もちろん冗談よね……?」
「はい? わたくしが言ったこととは?」
「い、いやその……さ、あアイツといい姻戚になるとか……つつつ妻とか……」
「あぁ、そのことは完璧に例え話ですの。お姉様だけの黒子があんな類人猿なんかと一緒になるはずが……ハンッ、それこそちゃんちゃらおかしい冗談ですの」
「そ、そうよね! それはそうよね! うはは、アタシっば……あぁごめんね黒子変なこと訊いちゃってばいばーい」
「また明日ですのお姉様。はあ……お姉様ったら、動揺が実にわかりやすいですの」
普段の美琴ならば、お姉様の黒子などと言えば即座に拒絶反応を示すはずが、やはりあの上条当麻という男のせいだろうか。
インデックスと当麻に続いて美琴もいなくなった部屋で、黒子はやけに孤独を感じた。
「元はといえばお父様のせいですの……」
侘びしく暗く思えるのはこの部屋が住み慣れた場所ではないからだろう。
広くて暖かい実家。明るく心踊らされる寮の部屋--それらに比べれば、この狭い部屋のなんと脆弱で心細いことなのか。
「いけませんわね……わたくしともあろうものが、このような感傷に--ッ!?」
自分を落ち着かせるために軽口で髪を払った直後、言い知れぬ肌の緊張に黒子は押し黙った。
「何か……いますの?」
インデックスと当麻に続いて美琴もいなくなった部屋で、黒子はやけに孤独を感じた。
「元はといえばお父様のせいですの……」
侘びしく暗く思えるのはこの部屋が住み慣れた場所ではないからだろう。
広くて暖かい実家。明るく心踊らされる寮の部屋──それらに比べれば、この狭い部屋のなんと脆弱で心細いことなのか。
「いけませんわね……わたくしともあろうものが、このような感傷に──ッ!?」
自分を落ち着かせるために軽口で髪を払った直後、言い知れぬ肌の緊張に黒子は押し黙った。
「何か……いますの?」
伊達にレベル4の空間能力者はやっていない。転移範囲内に何者かの気配があれば肌がピアノ線のように張りつめるように黒子の身体は出来ている。
「……お姉様では、ないですわよね」
足を滑らせるようにして黒子は玄関へ近づいていく。
「これが本当に魔法使いの相手だとしたら……」
ドアノブを握る手が汗ばむ。
両肩にとてつもなく重い物が乗っている気がする。紛れもなくそれは恐怖だ。
スキルアウトのアジトに乗り込んだりするのとは全く次元が違う。世界の全てが黒子に逃げろと言っているようにさえ思えてくる。
「いいえ、わたくしはジャッジメントですのよ」
深く息を吸い込んで黒子は目尻を吊り上げ、左手を足の針に当てたまま、一気に部屋を飛び出した。
「どなたです! ……の……?」
果敢に打って出たものの、そこには誰もいなかった。
静かな廊下があって、建物の外では夕時の喧騒がはっきりと耳に聞こえてくる。
「勘違い……ですの?」
だが、そうではないのは彼女自身よくわかっている。
確かにここには誰かがいた。その気配がはっきりと残っている。
「いったい何を狙っていたのやら……」
身構えてはいるが、肌の張りつめた感覚はなくなっている。
加速型か視覚阻害の類か……この場にはもういないようだ。
「お、白井」
獲物を探す肉食獣のようになっていた黒子に声がかかった。
見れば、上条当麻がインデックスを連れて戻ってきていた。
「やっぱりお前もインデックスを探そうとしてくれてたのか?」
「ま、まあそういうところですの……」
ここはそう言うしかない。当麻の裾をひっぱるインデックスに黒子はまず頭を下げた。
「ごめんなさいですの、あなたにも何かしらの事情があるはずですのに、ずけずけと言ってしまいましたの」
「つ、ついんては悪くないんだよ……私もちょっととうまに甘えすぎてたんだよ……」
「まあ、インデックスもこう言ってることだし、二人とも同い年ぐらいなんだし、仲直りしてくれよ」
「もともと、争うつもりなどありませんでしたの」
「ついんてには、電気を点けてくれて感謝してるんだよー」
「よかったよかった。上条さんは胸をなで下ろしますよ」
「ついんて、今日は私がお風呂で寝るからついんてはベッドを使っていいんだよー」
「いえ、わたくしはジャッジメントから寝袋を持ってきましたので、それで寝ることにしますから、ベッドは家主に返してあげてはいかがですの」
「あ、そうだったね、とうまー、ベッドで寝ていいんだよー」
「もともとあれは俺のものなんですけどね……いいよ、もう風呂で寝るのも慣れたし」
「ゆずりあい宇宙ですの」
今日はもう寝ます。遅くまでありがとうございました。
たしか何日か経つとスレが落ちるんじゃなかったっけ?
それまでには終わらせたいんですけど、いつまでかわかる方いらっしゃったら教えていただけたら幸いです
それではよい夜を
たしか何日か経つとスレが落ちるんじゃなかったっけ?
それまでには終わらせたいんですけど、いつまでかわかる方いらっしゃったら教えていただけたら幸いです
それではよい夜を
8日になってから保守が多いスレ確実に増えたよな…昔はサルくらうレベルで書いてたのに
とりあえずインなんとかはいらない娘
とりあえずインなんとかはいらない娘
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