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元スレレッド「――俺はマサラタウンのレッドだッ」
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>>1マダー
しばらく食後の団欒をしていた時だった。
サカキ「やァ、レッドくん。相変わらずだな」
店員が片付ける食器の山を見て、サカキが人の良さそうな顔で近付いてきた。
レッド「……」
サカキ「昨日のイーブイ、助けたんだろ?」
レッド「……」こくり。
サカキ「爪が甘いが、君らしいな」
と、親しげにレッドの肩に手をおく。
エリカ「…………」
サカキ「やァ、レッドくん。相変わらずだな」
店員が片付ける食器の山を見て、サカキが人の良さそうな顔で近付いてきた。
レッド「……」
サカキ「昨日のイーブイ、助けたんだろ?」
レッド「……」こくり。
サカキ「爪が甘いが、君らしいな」
と、親しげにレッドの肩に手をおく。
エリカ「…………」
カスミ「レッド、このおっさんと知り合いなの?」
サカキ「ハハハ、まあ40をとうに超えているが、若いつもりだったんだが。
せめてオジ様が望ましいな」
カスミ「俺はサカキだ。まあ、レッドくんの悪友といったところか」
レッド「……」
カスミ「へー。歳の離れたホウバイね」
サカキ「朋輩? ハハハ、渋い言い回しだな。
――生憎だが、そいつは違うだろうな、なァレッド?」
レッド「……」こくり
サカキ「ハハハ、まあ40をとうに超えているが、若いつもりだったんだが。
せめてオジ様が望ましいな」
カスミ「俺はサカキだ。まあ、レッドくんの悪友といったところか」
レッド「……」
カスミ「へー。歳の離れたホウバイね」
サカキ「朋輩? ハハハ、渋い言い回しだな。
――生憎だが、そいつは違うだろうな、なァレッド?」
レッド「……」こくり
エリカ「もしやサカキさん。貴方は、あのトキワの――」
サカキ「ほう、もう何年も姿を暗ましていたのだが、まだ俺の名は世に通っているようだ」
カスミ「え? トキワのサカキって、もしかして伝説のジムリーダーの?」
サカキ「伝説かどうかはしらないが、そのサカキで間違いない」
レッド「……」
カスミ「えッ? そんなことも知らずに、オジサンと仲良くなってたの?」
― サカキは『おっさん』から、『オジサン』に進化した! ―
エリカ「ジム戦の砦。難攻不落。
一時期、『ポケモンマスター』を目指す若者が減少するほどの兵ですわ」
サカキ「ほう、もう何年も姿を暗ましていたのだが、まだ俺の名は世に通っているようだ」
カスミ「え? トキワのサカキって、もしかして伝説のジムリーダーの?」
サカキ「伝説かどうかはしらないが、そのサカキで間違いない」
レッド「……」
カスミ「えッ? そんなことも知らずに、オジサンと仲良くなってたの?」
― サカキは『おっさん』から、『オジサン』に進化した! ―
エリカ「ジム戦の砦。難攻不落。
一時期、『ポケモンマスター』を目指す若者が減少するほどの兵ですわ」
サカキの表の顔。
それよりもレッドは、『ポケモンマスター』という響きに心動かされていた。
かつてマサラを旅立った時に、
オーキドが語り、グリーンが目指したもの。
――なぁ、レッド。
どちらが先にポケモンマスターになるか、勝負しようじゃないか?
いつかの、もしかしたら朋輩と呼べただろう、同郷の少年の声が蘇る……
その言葉の数時間後。
トキワの森でレッドは地獄を見るのだが――。
それよりもレッドは、『ポケモンマスター』という響きに心動かされていた。
かつてマサラを旅立った時に、
オーキドが語り、グリーンが目指したもの。
――なぁ、レッド。
どちらが先にポケモンマスターになるか、勝負しようじゃないか?
いつかの、もしかしたら朋輩と呼べただろう、同郷の少年の声が蘇る……
その言葉の数時間後。
トキワの森でレッドは地獄を見るのだが――。
エリカ「そんなお方に会えるなんて、今日は吉日ですわね。
よかったらサカキさん、座ってくださいな。
ジムリーダーの責務を放棄して、行方を暗ましていたのでしょう?
我々ジムリーダーの信用を落とした謝罪なんかを、ぜひ聞きたいですわ」
ニコッと悪意のない笑み。
そのわりに言葉の含みは辛辣だった。
サカキ「遠慮させてもらおう。
おっ、これはトマトジュースかな?
なんだ、飲まずに片付けるなら、頂こうじゃないか」
カスミが作った特性激辛ドリンクに、サカキは手をだした
よかったらサカキさん、座ってくださいな。
ジムリーダーの責務を放棄して、行方を暗ましていたのでしょう?
我々ジムリーダーの信用を落とした謝罪なんかを、ぜひ聞きたいですわ」
ニコッと悪意のない笑み。
そのわりに言葉の含みは辛辣だった。
サカキ「遠慮させてもらおう。
おっ、これはトマトジュースかな?
なんだ、飲まずに片付けるなら、頂こうじゃないか」
カスミが作った特性激辛ドリンクに、サカキは手をだした
カスミ「――あっ!(ま、いっか)」
その後の展開が楽しみで、本気で止めないカスミ。
ごく、ごく、ごく、ごく……
豪快に飲み干すサカキ。
唖然とする三者。
カスミ「……」
エリカ「……」
レッド「……」
サカキ「ごちそうさま。喉を突き刺すイイ喉越しだ!」
その後の展開が楽しみで、本気で止めないカスミ。
ごく、ごく、ごく、ごく……
豪快に飲み干すサカキ。
唖然とする三者。
カスミ「……」
エリカ「……」
レッド「……」
サカキ「ごちそうさま。喉を突き刺すイイ喉越しだ!」
サカキは別の席で注文をとり始めた。
エリカ「逃げられましたわ。
ジムリーダーを束ねる者として苦言したかったのですが。
ヤマブキのナツメさんは、ロケット団員宣言で失踪してますし。
残念ですわ」
レッド「……」
カスミ「っていうか、うっそでしょー。
厨房から唐辛子やハバネロとか借りてきて作ったのにッ」
レッド「…………」
カスミ「えッ? そんなものを飲ませようとしたのかって?
いや、あの、そのォ、ごめん、レッド!
だから、――らめぇぇ、そんな醒めた眼であたしを見ないでぇぇ!!」
エリカ「逃げられましたわ。
ジムリーダーを束ねる者として苦言したかったのですが。
ヤマブキのナツメさんは、ロケット団員宣言で失踪してますし。
残念ですわ」
レッド「……」
カスミ「っていうか、うっそでしょー。
厨房から唐辛子やハバネロとか借りてきて作ったのにッ」
レッド「…………」
カスミ「えッ? そんなものを飲ませようとしたのかって?
いや、あの、そのォ、ごめん、レッド!
だから、――らめぇぇ、そんな醒めた眼であたしを見ないでぇぇ!!」
■■■
― 同時刻。タマムシ、上空 ―
そこには巨大な赤き炎竜の姿。
タマムシの家々や地面に、暗い影を落としている。
青空に浮遊しているリザードンに、気づき始めた人が騒ぎ始めていた。
リザードンの背には、二つのロケット団員の影。
― 同時刻。タマムシ、上空 ―
そこには巨大な赤き炎竜の姿。
タマムシの家々や地面に、暗い影を落としている。
青空に浮遊しているリザードンに、気づき始めた人が騒ぎ始めていた。
リザードンの背には、二つのロケット団員の影。
地上で騒ぎ始める人々を見下ろして、不敵に笑う男と女。
ムサシ「何だかんだと聞かれたら!」
コジロウ「答えてやるのが世の情け!」
コジロウ「世界の破壊を防ぐためって――おいおい、マジでやるのかよォ。
いくらボスの命令でも、俺こえぇよッムサシィ!」
ムサシ「黙らっしゃいッ。ボスの命令は絶対よ!
だからこそボスに内緒で、ニャースに手配させてるんじゃないさ!」
タマムシの空に、緊張した二人の声が響く。
ムサシ「何だかんだと聞かれたら!」
コジロウ「答えてやるのが世の情け!」
コジロウ「世界の破壊を防ぐためって――おいおい、マジでやるのかよォ。
いくらボスの命令でも、俺こえぇよッムサシィ!」
ムサシ「黙らっしゃいッ。ボスの命令は絶対よ!
だからこそボスに内緒で、ニャースに手配させてるんじゃないさ!」
タマムシの空に、緊張した二人の声が響く。
コジロウ「でもよォ。これじゃ、本当に悪役だぜぇッ!?」
ムサシ「ハナからロケット団は悪の組織じゃないか!
給料天引きなんて、あたしはゴメンだわ!
――ニャース、聞こえるッ!?」
ムサシと呼ばれた赤紫髪の女が、無線機をとって声をあげる。
ニャース『聞こえてるニャ!
ポケモンたちも逃がし終わってるニャ。
いつでもOKニャ!』
ムサシ「ハナからロケット団は悪の組織じゃないか!
給料天引きなんて、あたしはゴメンだわ!
――ニャース、聞こえるッ!?」
ムサシと呼ばれた赤紫髪の女が、無線機をとって声をあげる。
ニャース『聞こえてるニャ!
ポケモンたちも逃がし終わってるニャ。
いつでもOKニャ!』
ムサシ「怖じ気づいてるんじゃないよコジロウ!」
コジロウ「あァ、あァ、分かりましたよォ!
やってやるぜ。ムサシ一人にやらせて堪るかい!」
ニャース『ボスから指令メールが来たにゃ、40秒で支度しニャッ!』
コジロウ「あァ、あァ、分かりましたよォ!
やってやるぜ。ムサシ一人にやらせて堪るかい!」
ニャース『ボスから指令メールが来たにゃ、40秒で支度しニャッ!』
リザードンがギロりと二人を視た。
――まだか? という視線。
それに怯えながら、よし、と二人が頷いた。
コジロウ「男コジロウ。咲かせてみせよう悪の華」
ムサシ「連れ添いますは、時代の徒花ムサシ」
ムサシ・コジロウ「いけぇぇぇ、リザードン! 火炎放射だぁぁ!!」
――ぎゃしゃァァァァアアアア!!
リザードンの濁流のごとき炎が、とある森と建物に放たれた。
ロケット団員たちの狙いは、森に囲まれたタマムシのジムだった……
■■■
――まだか? という視線。
それに怯えながら、よし、と二人が頷いた。
コジロウ「男コジロウ。咲かせてみせよう悪の華」
ムサシ「連れ添いますは、時代の徒花ムサシ」
ムサシ・コジロウ「いけぇぇぇ、リザードン! 火炎放射だぁぁ!!」
――ぎゃしゃァァァァアアアア!!
リザードンの濁流のごとき炎が、とある森と建物に放たれた。
ロケット団員たちの狙いは、森に囲まれたタマムシのジムだった……
■■■
しばらく落ちます。
あと2日以内には完結したい。
今日は時間がなく、あまり書けなくてゴメン。
あと2日以内には完結したい。
今日は時間がなく、あまり書けなくてゴメン。
――タマムシ、ファミレス内。
破壊音と人々の悲鳴が轟いた。
エリカ「――何事ですのッ!?」
ガラス壁の向こう側で、炎があがっていた。
カスミ「エリカさん、あの方角って――」
エリカ「はい。あの森は私のジムですッ」
レッド「――――」
破壊音と人々の悲鳴が轟いた。
エリカ「――何事ですのッ!?」
ガラス壁の向こう側で、炎があがっていた。
カスミ「エリカさん、あの方角って――」
エリカ「はい。あの森は私のジムですッ」
レッド「――――」
エリカの携帯が鳴った。
エリカ「エリカです。一体何が起こったのですか?」
携帯越しにジム関係者と会話するエリカ。
それをレッドとカスミが見守っている。
すぐに向かいます、とエリカは携帯を閉じた。
エリカ「ロケット団の襲撃です。
リザードンの火炎放射で
我がタマムシジムが破壊されてました」
カスミ「そんなッ!
エリカさんの所が襲われる理由なんてないのに……」
エリカ「いえ、一つあります――」
エリカを見つめた。
エリカ「エリカです。一体何が起こったのですか?」
携帯越しにジム関係者と会話するエリカ。
それをレッドとカスミが見守っている。
すぐに向かいます、とエリカは携帯を閉じた。
エリカ「ロケット団の襲撃です。
リザードンの火炎放射で
我がタマムシジムが破壊されてました」
カスミ「そんなッ!
エリカさんの所が襲われる理由なんてないのに……」
エリカ「いえ、一つあります――」
エリカを見つめた。
レッド「……」
エリカ「はい、理由はレッドさんでしょうね」
カスミ「え?」
エリカ「トキワの森の放火の冤罪。
サントアンヌ号の、ナツメさんの協力。
ロケット団は、レッドさんに何かしら執着していますよね」
エリカ「そしてナツメさんの発言」
――この少年を覚えておくがいい!
――この少年がいずれ、人類の大いなる敵になるだろう
エリカ「何故かロケット団はレッドさんを追い詰めたいように見えます」
エリカ「これはレッドさんの冤罪を晴らす為に動いてる
私への報復と脅しと見て間違いありません」
エリカ「はい、理由はレッドさんでしょうね」
カスミ「え?」
エリカ「トキワの森の放火の冤罪。
サントアンヌ号の、ナツメさんの協力。
ロケット団は、レッドさんに何かしら執着していますよね」
エリカ「そしてナツメさんの発言」
――この少年を覚えておくがいい!
――この少年がいずれ、人類の大いなる敵になるだろう
エリカ「何故かロケット団はレッドさんを追い詰めたいように見えます」
エリカ「これはレッドさんの冤罪を晴らす為に動いてる
私への報復と脅しと見て間違いありません」
カスミ「なんなのよ、ロケット団は!
こんな酷いことして、レッドに何をさせようっていうのッ!?」
レッド「……」
エリカは和服をなおし、席を立った。
エリカ「楽しい席でした。それでは失礼します」
たたたたたッ、からん、ころん。
カウベルの音を残して、エリカが去った。
こんな酷いことして、レッドに何をさせようっていうのッ!?」
レッド「……」
エリカは和服をなおし、席を立った。
エリカ「楽しい席でした。それでは失礼します」
たたたたたッ、からん、ころん。
カウベルの音を残して、エリカが去った。
レッドが立ち上がる。
レッド「……」
カスミ「罪悪感で動くんじゃないでしょうね?」
レッド「――」?
深刻な状況なのに、レッドは軽く返した。
カスミは驚いたあと、嬉しそうな声をあげる。
カスミ「アンタも分かってきたじゃん。
そうよ、朋輩だもんね。行くっきゃないって」
そういって二人して席を立った。
ファミレスを出る際。
気取られないように振り返る。
燃えさかる森を、コーヒーを啜りながらサカキは見つめていた……
レッド「……」
カスミ「罪悪感で動くんじゃないでしょうね?」
レッド「――」?
深刻な状況なのに、レッドは軽く返した。
カスミは驚いたあと、嬉しそうな声をあげる。
カスミ「アンタも分かってきたじゃん。
そうよ、朋輩だもんね。行くっきゃないって」
そういって二人して席を立った。
ファミレスを出る際。
気取られないように振り返る。
燃えさかる森を、コーヒーを啜りながらサカキは見つめていた……
■■■
― サカキ ―
我が麗しの悪友、レッドが去っていった。
コーヒーを啜りながら、団員の仕事っぷりを眺める。
――だめだめだな。
人もポケモンも、逃がしてると見た。
まだ壊せた筈だ。
まだ燃やせた筈だ。
まだ殺せた筈だ。
まだ轟かせた筈だ。
まだ慄かせた筈だ。
まだ、まだ、まだ、まだ――。
腹の底で、滾る悪意の塊。
頭蓋の芯に埋め込まれた、冷たい悪の因子。
仕事をこなした団員たちの、悪の足りなさをなじりたくもある。
― サカキ ―
我が麗しの悪友、レッドが去っていった。
コーヒーを啜りながら、団員の仕事っぷりを眺める。
――だめだめだな。
人もポケモンも、逃がしてると見た。
まだ壊せた筈だ。
まだ燃やせた筈だ。
まだ殺せた筈だ。
まだ轟かせた筈だ。
まだ慄かせた筈だ。
まだ、まだ、まだ、まだ――。
腹の底で、滾る悪意の塊。
頭蓋の芯に埋め込まれた、冷たい悪の因子。
仕事をこなした団員たちの、悪の足りなさをなじりたくもある。
まあ、いい。
所詮は手足。
心や頭ではない。
芯がないのだ。
――悪い病気は、俺だけが持っていればいい。
サカキ「ごっほッ、くッ――」
吐血するサカキ。
机の上にポタポタと滴る、赤い雫。
サカキ「チッ、もっと手筈を踏んで、計画に臨みたかったんだがな……」
――さぁて、クライマックスの幕を開こうか。
■■■
所詮は手足。
心や頭ではない。
芯がないのだ。
――悪い病気は、俺だけが持っていればいい。
サカキ「ごっほッ、くッ――」
吐血するサカキ。
机の上にポタポタと滴る、赤い雫。
サカキ「チッ、もっと手筈を踏んで、計画に臨みたかったんだがな……」
――さぁて、クライマックスの幕を開こうか。
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