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元スレ佐天「蟲が見える能力かぁ」
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――――深夜
佐天「」ウツラウララカ
初春「寝ちゃだめです佐天さん」パシーン
佐天「ぷあっ。ねぇ初春ぅ、もう帰ろうよぉ。今日は来ないってぇ」ネムネム
初春「いえ、コダマちゃんに聞いたところ周期的にこの時間に来るそうです」
佐天「えぇー……」
ガサッ
初春「!来ました!」
佐天「っと、ホントに来たんだ……よしっ」
???「よし、今夜も湧いてンなァ」
???「これを瓶に詰めて―――」
佐天「そこまでだっ!」バッ
佐天「」ウツラウララカ
初春「寝ちゃだめです佐天さん」パシーン
佐天「ぷあっ。ねぇ初春ぅ、もう帰ろうよぉ。今日は来ないってぇ」ネムネム
初春「いえ、コダマちゃんに聞いたところ周期的にこの時間に来るそうです」
佐天「えぇー……」
ガサッ
初春「!来ました!」
佐天「っと、ホントに来たんだ……よしっ」
???「よし、今夜も湧いてンなァ」
???「これを瓶に詰めて―――」
佐天「そこまでだっ!」バッ
佐天「―――って、白髪の人!?」
一通「オマエは……なンでこンなとこにいやがる」
佐天「そ、それはこっちの台詞ですよ!なんであなたがここに!?」
初春「なんでこの人がここに―――それは愚問ですね佐天さん。何故なら!この人が瓶を片手にここに居る理由はただひとつ!
木霊を採りにきたからです!!」
一通「……そォか、そォいやオマエこれらが視えるンだったなァ」
佐天「あなたはどうして―――以前会った時は視えてなかったのに」
一通「ああ、あの角の時か?あれから数日たったらいきなり視え初めてなァ。驚いたぜェ、最初は気がくるっちまったのかと思った」
一通「だがな、なんとなくコレ―――確か、蟲って呼んでたか?蟲は手を出さなきゃ問題ねェってこたァわかってきた」
佐天「だったら、どうして今は木霊を……!」
一通「ああ、コイツは木霊っつゥのか?ま、名前なンざどーでもいいが。手を出したのはな―――コイツの特性が必要だったからだよ」
一通「オマエは……なンでこンなとこにいやがる」
佐天「そ、それはこっちの台詞ですよ!なんであなたがここに!?」
初春「なんでこの人がここに―――それは愚問ですね佐天さん。何故なら!この人が瓶を片手にここに居る理由はただひとつ!
木霊を採りにきたからです!!」
一通「……そォか、そォいやオマエこれらが視えるンだったなァ」
佐天「あなたはどうして―――以前会った時は視えてなかったのに」
一通「ああ、あの角の時か?あれから数日たったらいきなり視え初めてなァ。驚いたぜェ、最初は気がくるっちまったのかと思った」
一通「だがな、なんとなくコレ―――確か、蟲って呼んでたか?蟲は手を出さなきゃ問題ねェってこたァわかってきた」
佐天「だったら、どうして今は木霊を……!」
一通「ああ、コイツは木霊っつゥのか?ま、名前なンざどーでもいいが。手を出したのはな―――コイツの特性が必要だったからだよ」
佐天「木霊の、特性……?けど、その蟲は木を長生きさせる程度でしか―――」
一通「はァ?オイオイ、それだけなわけがねェだろォが」
佐天「何……?」
初春「……そういえば、まだ話してませんでしたね。木霊のもうひとつの生態」
初春「木霊は確かに木に寄生し、宿主に長寿をもたらしますが―――それは、宿主が人であっても同じことなんです」
佐天「え……?」
初春「木霊を体の中にいれた人は、成長する速度が非常にゆっくりになります。それこそ、樹木と同じ時間を生きるかのように」
一通「そォいうこった。だからこそ俺がコイツが欲しかった―――コイツがあれば、アイツが成長しなくて済むンだ!」
佐天「……え?」
初春「……はい?」
一通「この蟲の存在を知った時はゾクゾクしたぜェ……なんたって、打ち止めをずっと天使のままでいさせられるンだからなァ!!」
一通「中学生みてェなババァにはさせねェ!!ここに!全人類が目指した結果があるンだ!」
一通「カキクケケコカキクケコカカコカカカ―――!」
一通「はァ?オイオイ、それだけなわけがねェだろォが」
佐天「何……?」
初春「……そういえば、まだ話してませんでしたね。木霊のもうひとつの生態」
初春「木霊は確かに木に寄生し、宿主に長寿をもたらしますが―――それは、宿主が人であっても同じことなんです」
佐天「え……?」
初春「木霊を体の中にいれた人は、成長する速度が非常にゆっくりになります。それこそ、樹木と同じ時間を生きるかのように」
一通「そォいうこった。だからこそ俺がコイツが欲しかった―――コイツがあれば、アイツが成長しなくて済むンだ!」
佐天「……え?」
初春「……はい?」
一通「この蟲の存在を知った時はゾクゾクしたぜェ……なんたって、打ち止めをずっと天使のままでいさせられるンだからなァ!!」
一通「中学生みてェなババァにはさせねェ!!ここに!全人類が目指した結果があるンだ!」
一通「カキクケケコカキクケコカカコカカカ―――!」
佐天「……うわぁ。これは、また」
初春「これはひどいです……」
一通「っと、そっちのハワイアン。オマエは中学生だがまだまだ見込みはあるぜェ。どォだ?コイツでずっと天使でいるつもりはねェか?」
初春「おことわりします」
佐天「そ、そうよ!初春の胸がこのまま成長しないなんてかわいそうにも程がある!」
一通「胸だァ?ンなもン脂肪の塊にしかすぎねェだろォが。ババアはすっこんでろ」
佐天「なっ……!あ、あんた、蟲をそんな風に利用していいと思ってるの!?」
一通「おっと言い返せねェから論点を変えてきたかァ?さすがババア、小賢しいなオイ」
佐天「(うっざぁああああ!!)」
佐天「ふ、ふん!なんとでも言いなさい―――ただね!蟲をそういう風に自分の利益のために利用してきた輩は、ことごとく
破滅してるんだから―――周囲を巻き込んでね!」
一通「そりゃソイツらがマヌケだったンだろ?俺は違う。それに、これは俺だけじゃなく全人類の夢なンだよ!」
初春「これはひどいです……」
一通「っと、そっちのハワイアン。オマエは中学生だがまだまだ見込みはあるぜェ。どォだ?コイツでずっと天使でいるつもりはねェか?」
初春「おことわりします」
佐天「そ、そうよ!初春の胸がこのまま成長しないなんてかわいそうにも程がある!」
一通「胸だァ?ンなもン脂肪の塊にしかすぎねェだろォが。ババアはすっこんでろ」
佐天「なっ……!あ、あんた、蟲をそんな風に利用していいと思ってるの!?」
一通「おっと言い返せねェから論点を変えてきたかァ?さすがババア、小賢しいなオイ」
佐天「(うっざぁああああ!!)」
佐天「ふ、ふん!なんとでも言いなさい―――ただね!蟲をそういう風に自分の利益のために利用してきた輩は、ことごとく
破滅してるんだから―――周囲を巻き込んでね!」
一通「そりゃソイツらがマヌケだったンだろ?俺は違う。それに、これは俺だけじゃなく全人類の夢なンだよ!」
佐天「聞く耳もたず、って感じか―――どうしよ、力づくでなんとかしようにも、相手は第一位だし」
初春「―――木霊の生態、その三」
佐天「え?」
一通「あ?」
初春「一つ目が樹木に長寿を。二つ目が人間に長寿を。そして三つ目が―――人間の五識を麻痺させること」
一通「なン……だと……?」
初春「視覚聴覚嗅覚触覚味覚―――これらが麻痺してしまった時、ヒトがどうなるかわかりますか?」
一通「……そォいや、最近打ち止めのやつどこかおかし―――」
一通「嘘だろ……なら、俺がやってきたことは、」
初春「えぇ。ひとりよがりで、その子を玩具にして、まるで人形のように扱っていただけなんですよ」
一通「……」ガクリ
初春「さ、その子の元へ案内してください―――木霊を抜きますから。佐天さんが」
佐天「ああ、それは私がやるんだね」
初春「―――木霊の生態、その三」
佐天「え?」
一通「あ?」
初春「一つ目が樹木に長寿を。二つ目が人間に長寿を。そして三つ目が―――人間の五識を麻痺させること」
一通「なン……だと……?」
初春「視覚聴覚嗅覚触覚味覚―――これらが麻痺してしまった時、ヒトがどうなるかわかりますか?」
一通「……そォいや、最近打ち止めのやつどこかおかし―――」
一通「嘘だろ……なら、俺がやってきたことは、」
初春「えぇ。ひとりよがりで、その子を玩具にして、まるで人形のように扱っていただけなんですよ」
一通「……」ガクリ
初春「さ、その子の元へ案内してください―――木霊を抜きますから。佐天さんが」
佐天「ああ、それは私がやるんだね」
―――。
打ち止め「うーん、なんだか久しぶりにすっきりした気分!ってミサカはミサカは最近の体調不良が嘘だったかのように背伸びしてみる!」
一通「……その、ありがとな」
佐天「どういたしまして。でもわかりましたか?蟲なんて、人に利用できるもんじゃないんですよ」
一通「あァ……身にしみて感じた」
佐天「わかったら、今の打ち止めちゃんを愛してあげてください。そして、成長していく様を、喜んであげてください。
ロリコンさんの気持ちはよくわかりませんけれど、その子に対する愛が変わらなければ姿なんて問題ないはずです」
一通「そォだな……いろいろ、大切なことを忘れてたみたいだ。恩にきるぜ」
佐天「わかればいいです(私をババアと言ったことに関しては許してないけど)」
佐天「そういえば、どうして木霊の生態なんて知ってたんですか?」
一通「あン?そりゃオマエ、あの木にいた奴に聞いたに決まってンだろォが。ジャガイモみてェな、カラカラしたやつ」
佐天「なにそれこわい」
一通「え?」
打ち止め「うーん、なんだか久しぶりにすっきりした気分!ってミサカはミサカは最近の体調不良が嘘だったかのように背伸びしてみる!」
一通「……その、ありがとな」
佐天「どういたしまして。でもわかりましたか?蟲なんて、人に利用できるもんじゃないんですよ」
一通「あァ……身にしみて感じた」
佐天「わかったら、今の打ち止めちゃんを愛してあげてください。そして、成長していく様を、喜んであげてください。
ロリコンさんの気持ちはよくわかりませんけれど、その子に対する愛が変わらなければ姿なんて問題ないはずです」
一通「そォだな……いろいろ、大切なことを忘れてたみたいだ。恩にきるぜ」
佐天「わかればいいです(私をババアと言ったことに関しては許してないけど)」
佐天「そういえば、どうして木霊の生態なんて知ってたんですか?」
一通「あン?そりゃオマエ、あの木にいた奴に聞いたに決まってンだろォが。ジャガイモみてェな、カラカラしたやつ」
佐天「なにそれこわい」
一通「え?」
―――。
初春「ふー、一件落着ですねぇ」
初春「全く、変な人もいるんですから、姿が見られて嬉しくなったからっていろいろ喋っちゃだめですよ。めっ」
コダマ「」カラカラカラカラカラ
初春「可愛らしくとぼけても駄目です」
コダマが蟲の扱いを教えていたようです おわり
正直どうオチつけようか悩んだけど、一方さんが出てきてくれてうまくまとまった。すげぇぜ一方さん!
木霊とコダマの違い。佐天さんにはコダマは視えてないようで。
陰火は、昨晩ちょっとためし書きしてみたけど面白くならないし筆も進まないから無理です。
あと、どっかでキノや岩代作品以外でおすすめ上げろって言われたからざっと。
・月姫とか、型月作品。 ・ARIAとうみんちゅ ・和月作品全般 ・ニードレス
ざっと本棚みたらこんな感じだったよ。
初春「ふー、一件落着ですねぇ」
初春「全く、変な人もいるんですから、姿が見られて嬉しくなったからっていろいろ喋っちゃだめですよ。めっ」
コダマ「」カラカラカラカラカラ
初春「可愛らしくとぼけても駄目です」
コダマが蟲の扱いを教えていたようです おわり
正直どうオチつけようか悩んだけど、一方さんが出てきてくれてうまくまとまった。すげぇぜ一方さん!
木霊とコダマの違い。佐天さんにはコダマは視えてないようで。
陰火は、昨晩ちょっとためし書きしてみたけど面白くならないし筆も進まないから無理です。
あと、どっかでキノや岩代作品以外でおすすめ上げろって言われたからざっと。
・月姫とか、型月作品。 ・ARIAとうみんちゅ ・和月作品全般 ・ニードレス
ざっと本棚みたらこんな感じだったよ。
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!::.::;r'i::.:.::;リvj、;ハ:;/ _,レ:.:.:! 私はありなのか?
ヽ:、!<ゞ:::j エニr rェj:.::/
` `ヾリ .j /v'′
r‐-r、ノ 丶.._ 一/
j \ヽ r{、´
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/7⌒ソニ´ヽ `Y^!、_,. -‐=ァ'7'´
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ミ゙ | / l X /! ` ー---゙‐'"´= ´ | 〉、,/ヽ ノ 彡
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夢野間だっけ
見た夢を現実に感染させる蟲の話で枕を切ったときに人まで傷ついたのがいまいち理解できないよ
どういうことなのぜ?
見た夢を現実に感染させる蟲の話で枕を切ったときに人まで傷ついたのがいまいち理解できないよ
どういうことなのぜ?
確か 枕にはその寝ている人の魂が入ってるから 傷つけたから自分も~ だっけな
2年前に見たままだから忘れた
2年前に見たままだから忘れた
淡幽「なぁたま」
タマ「なんでしょうお嬢様」
淡幽「私も今年で20と5だ」
タマ「そうでございますね」
淡幽「そろそろ結婚してもいい年齢―――というか適齢期はとうに過ぎてると思うんだ」
タマ「そうでございますね」
淡幽「……どうしたらギンコをその気にさせられるかなぁ」
タマ「なんでしょうお嬢様」
淡幽「私も今年で20と5だ」
タマ「そうでございますね」
淡幽「そろそろ結婚してもいい年齢―――というか適齢期はとうに過ぎてると思うんだ」
タマ「そうでございますね」
淡幽「……どうしたらギンコをその気にさせられるかなぁ」
タマ「何を言い出すと思えば」
淡幽「私はアイツに背負ってもらったことがあるんだ」
タマ「それは知っておりまする」
淡幽「確かに私の乳房はさしてふくよかではない。加えてこの厚着だ。あまり感触は伝わらないかもしれない」
タマ「いえいえ、お嬢様のお身体はとてもお綺麗だと思いますよ」
淡幽「いや、褒めてくれるのはありがたいんだがこの際それはおいておこう」
タマ「はぁ」
淡幽「でな、その、背負ってもらったときちょっとだけ、ほんとにちょっとだけ強めに抱きついてみたんだ」
タマ「まぁ」
淡幽「そうしたらアイツなんて言ったと思う?」
ギンコ『っと、悪いな、ズリ落ちそうか』
淡幽「なんだそれは。まるで私が重くなったみたいな言い方ではないか」
淡幽「私はアイツに背負ってもらったことがあるんだ」
タマ「それは知っておりまする」
淡幽「確かに私の乳房はさしてふくよかではない。加えてこの厚着だ。あまり感触は伝わらないかもしれない」
タマ「いえいえ、お嬢様のお身体はとてもお綺麗だと思いますよ」
淡幽「いや、褒めてくれるのはありがたいんだがこの際それはおいておこう」
タマ「はぁ」
淡幽「でな、その、背負ってもらったときちょっとだけ、ほんとにちょっとだけ強めに抱きついてみたんだ」
タマ「まぁ」
淡幽「そうしたらアイツなんて言ったと思う?」
ギンコ『っと、悪いな、ズリ落ちそうか』
淡幽「なんだそれは。まるで私が重くなったみたいな言い方ではないか」
蟲師のキャラはなんであんなに愛嬌があるんだろうな
子供は愛らしくて女の子はかわいくて女性は素晴らしい
子供は愛らしくて女の子はかわいくて女性は素晴らしい
タマ「そういうわけではないと思いまするが」
淡幽「うん、たぶんそうだと思う。けれど私はちょっとばかり傷ついた」
淡幽「ほかにもな、私が蟲封じをし終えた時の話だ。蟲封じにはとてつもない痛みが伴うんだ」
タマ「存じ上げておりまする。このタマ、ずっとおそばで見てきましたから」
淡幽「うん。そんなタマだからこそわかると思うが、蟲封じを終えた私は、結構色っぽいと思うんだ」
タマ「はぁ」
淡幽「汗ばんで息が少々荒く、ほんのり頬を赤く染めた様はなかなかのものだと思う」
タマ「ご自分で言いまするか」
淡幽「うん。でな、ある日のこと、それに加えてちょっと、ほんのちょっぴり着物を乱れさせてみた」
タマ「まぁ」
淡幽「そしたらアイツなんて言ったと思う」
ギンコ『痛み、大丈夫か』
淡幽「なんだそれは。私の渾身のアピールは全く気にならず、墨色の足ばかり気にしているのか」
淡幽「うん、たぶんそうだと思う。けれど私はちょっとばかり傷ついた」
淡幽「ほかにもな、私が蟲封じをし終えた時の話だ。蟲封じにはとてつもない痛みが伴うんだ」
タマ「存じ上げておりまする。このタマ、ずっとおそばで見てきましたから」
淡幽「うん。そんなタマだからこそわかると思うが、蟲封じを終えた私は、結構色っぽいと思うんだ」
タマ「はぁ」
淡幽「汗ばんで息が少々荒く、ほんのり頬を赤く染めた様はなかなかのものだと思う」
タマ「ご自分で言いまするか」
淡幽「うん。でな、ある日のこと、それに加えてちょっと、ほんのちょっぴり着物を乱れさせてみた」
タマ「まぁ」
淡幽「そしたらアイツなんて言ったと思う」
ギンコ『痛み、大丈夫か』
淡幽「なんだそれは。私の渾身のアピールは全く気にならず、墨色の足ばかり気にしているのか」
タマ「それはお嬢様のお身体を心配しての言葉だとは思いますが」
淡幽「だろうな。アイツはそういう男だ」
淡幽「けどな、もうちょっと別の部分を見てくれてもよかったのではと思う」
タマ「例えばどのような?」
淡幽「それは、ほら、そのだな。うなじとか、首から肩にかけての、この線とか」
タマ「巷ではそういった箇所に欲情を覚えることを、まにあっくと申すようで」
淡幽「そ、そうなのか?知らなかった、さすがだな、タマは物知りだ」
タマ「いえいえ」
淡幽「だろうな。アイツはそういう男だ」
淡幽「けどな、もうちょっと別の部分を見てくれてもよかったのではと思う」
タマ「例えばどのような?」
淡幽「それは、ほら、そのだな。うなじとか、首から肩にかけての、この線とか」
タマ「巷ではそういった箇所に欲情を覚えることを、まにあっくと申すようで」
淡幽「そ、そうなのか?知らなかった、さすがだな、タマは物知りだ」
タマ「いえいえ」
淡幽「とにかく、ギンコとも随分付き合いが長い。タマと同じくらいか、それ以上の親密度だと思う」
タマ「それはそれは」
淡幽「でもこのままなぁなぁで進んでいけば、確実に進展しないと思うんだ」
タマ「確かに、ギンコの性格であれば遠まわしな表現では伝わらないでしょうな」
淡幽「うん。アイツはそういうやつなんだ。優しいからこそ、私一人を見てくれない」
すず「へっくし」
ミハル「どうしたの姉ちゃん」
すず「ん、なにかな。夏風邪かしら」
綾「ん、くしゅっ」
緒「どうしたの綾ちゃん」
綾「夏風邪、かな?」
タマ「それはそれは」
淡幽「でもこのままなぁなぁで進んでいけば、確実に進展しないと思うんだ」
タマ「確かに、ギンコの性格であれば遠まわしな表現では伝わらないでしょうな」
淡幽「うん。アイツはそういうやつなんだ。優しいからこそ、私一人を見てくれない」
すず「へっくし」
ミハル「どうしたの姉ちゃん」
すず「ん、なにかな。夏風邪かしら」
綾「ん、くしゅっ」
緒「どうしたの綾ちゃん」
綾「夏風邪、かな?」
淡幽「だからな、そろそろ本気を出すことにした」
たま「具体的な案は?」
淡幽「うん。まずは、やはり歌を詠むのが一般的かと思う。これでも読み書きの勉強は人一倍にしてきたし、
なかなかのものだと思うんだ」
たま「なるほど、それはいい手でございますね」
淡幽「そうだろう。よし、善は急げだ。一筆したためてくる」
ギンコ「熊を殺してでも生き残る~、と」カタカタ
ギンコ「ん、文か」ガサガサ
ギンコ「狩房家……おたまさんからか?」
たま「具体的な案は?」
淡幽「うん。まずは、やはり歌を詠むのが一般的かと思う。これでも読み書きの勉強は人一倍にしてきたし、
なかなかのものだと思うんだ」
たま「なるほど、それはいい手でございますね」
淡幽「そうだろう。よし、善は急げだ。一筆したためてくる」
ギンコ「熊を殺してでも生き残る~、と」カタカタ
ギンコ「ん、文か」ガサガサ
ギンコ「狩房家……おたまさんからか?」
ギンコ「何何……淡幽から?珍しいな」
〝一日こそ人も待ちよき長き日をかくのみ待たば有りかつましじ〟
ギンコ「なんだこりゃ……ああ、そういうことか」
たま「ちなみに、どのような歌を?」
淡幽「うん、どうやら私には創作の才能はなかったようなので、いつか読んだ本から引用してみた。
〝一日こそ人も待ちよき長き日をかくのみ待たば有りかつましじ〟、とな」
たま「一日ならまだしも、長い間待たされると耐えられない、と」
淡幽「今まで必死で好意を示したのに気づいてくれなかったという想いもこめてだ」
たま「どうして恋という文字が入った歌を引き出さなかったのです?」
淡幽「だ、だってあまりに直接的だと恥ずかしいじゃないか」
たま「まぁまぁ」
〝一日こそ人も待ちよき長き日をかくのみ待たば有りかつましじ〟
ギンコ「なんだこりゃ……ああ、そういうことか」
たま「ちなみに、どのような歌を?」
淡幽「うん、どうやら私には創作の才能はなかったようなので、いつか読んだ本から引用してみた。
〝一日こそ人も待ちよき長き日をかくのみ待たば有りかつましじ〟、とな」
たま「一日ならまだしも、長い間待たされると耐えられない、と」
淡幽「今まで必死で好意を示したのに気づいてくれなかったという想いもこめてだ」
たま「どうして恋という文字が入った歌を引き出さなかったのです?」
淡幽「だ、だってあまりに直接的だと恥ずかしいじゃないか」
たま「まぁまぁ」
数日後。
たま「淡幽お嬢様、ギンコがいらっしゃいましたよ」
淡幽「ほ、ほんとか!今現れたということは―――」
たま「ええ、おそらくは」
淡幽「ふふ、ようやっとかぁ」
ギンコ「や、久しぶりだな淡幽」
淡幽「ああ、文は届いたか?」
ギンコ「でなきゃ来てねぇよ」
淡幽「なんだそれは。まるであの文が催促文だったような言い方ではないか」くすくす
ギンコ「ん?違ったのか?」
淡幽「えっ?」
たま「淡幽お嬢様、ギンコがいらっしゃいましたよ」
淡幽「ほ、ほんとか!今現れたということは―――」
たま「ええ、おそらくは」
淡幽「ふふ、ようやっとかぁ」
ギンコ「や、久しぶりだな淡幽」
淡幽「ああ、文は届いたか?」
ギンコ「でなきゃ来てねぇよ」
淡幽「なんだそれは。まるであの文が催促文だったような言い方ではないか」くすくす
ギンコ「ん?違ったのか?」
淡幽「えっ?」
ギンコ「そろそろまた蟲の話を聞かせろってことだろ?悪かったな、最近ちょいとほかの依頼で忙しくてね」
淡幽「え……えっと?」
ギンコ「だが歌で催促してくるとはな。風情があってよかったぞ」
淡幽「そ、そうか……それはどうも」
ギンコ「?どうしたんだ妙な顔して。で、どうする?今から蟲の話初めても大丈夫か?」
淡幽「いや……お前も来たばかりで疲れているだろう。少し休んでからにしよう」
ギンコ「そうか。じゃ、そうさせてもらうかね」
おたま「お嬢さま……やはり恋という字をいれたほうがよろしかったのでは」
淡幽「ああ……あそこまで純粋に蟲のことを考えているとは思っていなかったよ」
淡幽「たまぁ……どうしよう」
おたま「おやまぁ」
淡幽「え……えっと?」
ギンコ「だが歌で催促してくるとはな。風情があってよかったぞ」
淡幽「そ、そうか……それはどうも」
ギンコ「?どうしたんだ妙な顔して。で、どうする?今から蟲の話初めても大丈夫か?」
淡幽「いや……お前も来たばかりで疲れているだろう。少し休んでからにしよう」
ギンコ「そうか。じゃ、そうさせてもらうかね」
おたま「お嬢さま……やはり恋という字をいれたほうがよろしかったのでは」
淡幽「ああ……あそこまで純粋に蟲のことを考えているとは思っていなかったよ」
淡幽「たまぁ……どうしよう」
おたま「おやまぁ」
たま「しかしご存じの通り、たまも蟲師として生きてきた身。ゆえに異性の口説き方には弱く」
淡幽「ああ、そういえばそうだったな……なんか、すまない」
たま「いえいえ、たまはお嬢様に使えることこそが使命。問題などありませぬ」
淡幽「たま……ありがとう。よし、なんだか元気が出たよ」
たま「それはそれは」
淡幽「よーし、私もあの頃から少しは成長したんだ。もう一度、その、色仕掛けだ」
たま「今は夏ですから、それもよいかと」
淡幽「やぁギンコ、またせたな」
ギンコ「いや、こっちも休めてよかったよ」
淡幽「そ、それにしても最近暑いな」パタパタ
ギンコ「今が一番暑い季節だろうな」
淡幽「(薄着してるんだからその辺り気にしてほしいんだがなぁ)」
淡幽「ああ、そういえばそうだったな……なんか、すまない」
たま「いえいえ、たまはお嬢様に使えることこそが使命。問題などありませぬ」
淡幽「たま……ありがとう。よし、なんだか元気が出たよ」
たま「それはそれは」
淡幽「よーし、私もあの頃から少しは成長したんだ。もう一度、その、色仕掛けだ」
たま「今は夏ですから、それもよいかと」
淡幽「やぁギンコ、またせたな」
ギンコ「いや、こっちも休めてよかったよ」
淡幽「そ、それにしても最近暑いな」パタパタ
ギンコ「今が一番暑い季節だろうな」
淡幽「(薄着してるんだからその辺り気にしてほしいんだがなぁ)」
ギンコ「さて、それじゃ始めるか。まずは―――オイ、大丈夫か、机につっぷして」
淡幽「いやな、この冷たさが気持ちいいなと」
淡幽「(お前の前では無防備な姿も見せるんだよというこの姿勢―――さぁどうでる)」
ギンコ「お前は好きに歩けない分体力少ないからな。夏の暑さもこたえるだろう。無理しなくてもいいんだぞ」
淡幽「(ま、こうなるか)」
淡幽「いや、すまない、大丈夫だ。さぁ始めるか」
ギンコ「そうか?辛かったらちゃんと言えよ。じゃあな、雷を作り出す蟲の話だが―――」
淡幽「(あぁ)」
淡幽「(ギンコのやつ、本当に楽しそうに蟲の話をする)」
淡幽「(もちろん、全て蟲と人が共に生きている話のときだけだが)」
淡幽「(普段は感情の起伏が少ない分、こういう姿を見ていると可愛らしくも思えるな)」
ギンコ「それで―――おい、ぼんやりして大丈夫か?」
淡幽「っえ?あ、ああ、大丈夫だ」
淡幽「いやな、この冷たさが気持ちいいなと」
淡幽「(お前の前では無防備な姿も見せるんだよというこの姿勢―――さぁどうでる)」
ギンコ「お前は好きに歩けない分体力少ないからな。夏の暑さもこたえるだろう。無理しなくてもいいんだぞ」
淡幽「(ま、こうなるか)」
淡幽「いや、すまない、大丈夫だ。さぁ始めるか」
ギンコ「そうか?辛かったらちゃんと言えよ。じゃあな、雷を作り出す蟲の話だが―――」
淡幽「(あぁ)」
淡幽「(ギンコのやつ、本当に楽しそうに蟲の話をする)」
淡幽「(もちろん、全て蟲と人が共に生きている話のときだけだが)」
淡幽「(普段は感情の起伏が少ない分、こういう姿を見ていると可愛らしくも思えるな)」
ギンコ「それで―――おい、ぼんやりして大丈夫か?」
淡幽「っえ?あ、ああ、大丈夫だ」
ギンコ「本当か?」ずいっ
淡幽「え?あ、ん……」
ギンコ「熱は――ねぇようだが」
淡幽「だ、だから大丈夫だと言っているだろ?ただやはり暑いからな、ふっと気が抜けてしまうんだ」
ギンコ「そうかい。んじゃちょっと休憩するか」
淡幽「そうだな、たまに茶をいれてもらってくるよ」
ギンコ「んな構うなよ」
淡幽「いいからいいから。私も、少し歩いて気を引き締めたい」
ギンコ「……んじゃ、頼んだ」
淡幽「ああ、少しばかり待っていてくれ」
淡幽「たまー!たまー!」
たま「おやおや、どうしました」
淡幽「え?あ、ん……」
ギンコ「熱は――ねぇようだが」
淡幽「だ、だから大丈夫だと言っているだろ?ただやはり暑いからな、ふっと気が抜けてしまうんだ」
ギンコ「そうかい。んじゃちょっと休憩するか」
淡幽「そうだな、たまに茶をいれてもらってくるよ」
ギンコ「んな構うなよ」
淡幽「いいからいいから。私も、少し歩いて気を引き締めたい」
ギンコ「……んじゃ、頼んだ」
淡幽「ああ、少しばかり待っていてくれ」
淡幽「たまー!たまー!」
たま「おやおや、どうしました」
淡幽「さっきな、ギンコがな、ぴとってしてすごく近かったんだ!」
たま「落ちついてくださいましお嬢様。何を申されているのかわかりかねまする」
淡幽「え?ああ、今さっきギンコがこう、この辺りまで近づいて、おでこを触って熱を計ってくれたんだ」
淡幽「勿論、今までギンコに近づいたことは何度もあったが、今回のは何か、こう、今までとは違う―――そう、ときめきだ。
ときめきのようなものを感じたんだ」
たま「大はしゃぎでございますね」
淡幽「柄にも無くな。っと、お茶と茶菓子を頼めるかな」
たま「承知いたしました」
淡幽「どうだ、いい菓子だろう」
ギンコ「普通に美味いね、これは。どこのモンだ?」
淡幽「ずっと西のほうのモノらしい。クマドが持ってきてくれたんだ、保存もきくしここを発つときに少し持たせるよ」
ギンコ「ああ、アイツの土産ね。元気にやってんのか」
淡幽「―――相変わらずだ」
たま「落ちついてくださいましお嬢様。何を申されているのかわかりかねまする」
淡幽「え?ああ、今さっきギンコがこう、この辺りまで近づいて、おでこを触って熱を計ってくれたんだ」
淡幽「勿論、今までギンコに近づいたことは何度もあったが、今回のは何か、こう、今までとは違う―――そう、ときめきだ。
ときめきのようなものを感じたんだ」
たま「大はしゃぎでございますね」
淡幽「柄にも無くな。っと、お茶と茶菓子を頼めるかな」
たま「承知いたしました」
淡幽「どうだ、いい菓子だろう」
ギンコ「普通に美味いね、これは。どこのモンだ?」
淡幽「ずっと西のほうのモノらしい。クマドが持ってきてくれたんだ、保存もきくしここを発つときに少し持たせるよ」
ギンコ「ああ、アイツの土産ね。元気にやってんのか」
淡幽「―――相変わらずだ」
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