のくす牧場
コンテンツ
牧場内検索
カウンタ
総計:123,566,639人
911,676,569頁
昨日:5,661人
6,276頁
今日:428人
484頁
最近の注目
人気の最安値情報

    私的良スレ書庫

    不明な単語は2ch用語を / 要望・削除依頼は掲示板へ。不適切な画像報告もこちらへどうぞ。 / 管理情報はtwitter
    ログインするとレス評価できます。 登録ユーザには一部の画像が表示されますので、問題のある画像や記述を含むレスに「禁」ボタンを押してください。
    VIP以外のSS書庫はSS+をご利用ください。

    元スレ女「ここから見える景色がとても素敵だから」

    SS スレッド一覧へ / SS とは? / 携帯版 / dat(gz)で取得 / トップメニュー
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : - ボクっ娘 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
    レスフィルター : (試験中)
    1 2 3 4 5 6 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitter
    1 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:28:36.24 ID:F6/vGNm50 (+125,+30,-142)
    「やあ」

    「おう」

    「久しぶりに、隣だね」

    「え? 高校入って初めての席替えだろ?」

    「そうだけれど、中学で隣になっただろう?」

    「そうだったか」

    「ひどいなあ。ボクがこっちに越してきた時、隣だったじゃないか」

    「……覚えてねえ」

    「まあ仕方ないよ。席替えは、小学生の時から何度もやっていることだからね」

    「悪いな」

    「悪くないよ。君がたくさんの女の子と隣になって、惑わしてきたのだから、僕を忘れるのも無理はない」

    「おい、聞き捨てならんぞ」
    2 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:29:09.87 ID:F6/vGNm50 (+90,+30,-92)
    「ボクも君に惑わされた一人だったんだね」

    「勝手な話をでっちあげるな」

    「えっちしてあげる? しかたないなぁ……」

    「でっちだ。肩を見せるな」

    「出尻……」

    「でっちりだ、それは」
    3 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:29:39.03 ID:pCGsbVDa0 (-8,+6,+1)
    つまんね
    4 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:29:40.22 ID:F6/vGNm50 (+90,+30,-99)
    「残念ながら俺はこの人生の中で一度も彼女ができたことがない」

    「愛人は?」

    「そんなのもっといねーよ」

    「未亡人は?」

    「いるはずがない」

    「友人は?」

    「いな……い、いる!」
    5 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:29:43.52 ID:q7iXxjaS0 (+14,+29,+0)
    チッ
    僕っこか
    6 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:30:21.02 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-87)
    「へえ、誰だい?」

    「それは……えっと」

    「ふふ、いつも休み時間に一緒にいる男の子達かい?」

    「あいつらは……どうなんだろ」

    「おや、どういうことだい?」

    「つるんでるんだけども、友人と呼べるかどうか……」

    「ふむ。じゃあ、君には友人がいるのかい?」

    「いるよ」

    「誰だい?」

    「お前、とか」
    7 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:30:51.19 ID:F6/vGNm50 (+90,+30,-53)
    「……ああ、ボクか」

    「なんだ今の間は」

    「ちょっと、ね」

    「おい、どさくさにまぎれて脚を広げるな」

    「この、脚の間っていやらしくないかい?」

    「なんだその間は」
    8 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:31:54.71 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-73)
    「それにしても、君は優しいね」

    「急に話を変えたな」

    「友人ならぬ優人だよ」

    「うまくねえ」

    「キスのことかい? どんな味がするのかな?」

    「キスの味なんて知らん。あと、話を変えるのが唐突すぎるぞ」

    「へえ……」

    「その目はなんだ……」
    9 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:32:42.49 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-70)
    「ああ、気にしないでくれ」

    「口を拭ってるのが気になったぞ」

    「ふふ、気にしてくれるのかい」

    「危険な気がした」

    「ボクから溢れ出る女汁にかい?」

    「なんだそれ気持ち悪い」

    「ん、愛液の方が良かったかな」

    「やめろ、それ以上言うな」
    10 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:33:13.65 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-63)
    「……」

    「お前さ、変なこと言うなよな」

    「……」

    「……おい」

    「……」

    「わかった、もう喋っていいぞ」

    「ワンワン!」

    「犬か」

    「君がペットプレイを所望したんだろう」

    「してない」
    11 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:33:44.33 ID:F6/vGNm50 (+90,+30,-44)
    「猫が良かったかな」

    「……ちなみにどんな感じだ」

    「ニャーン」

    「くっつくな」

    「君がやれと言ったんだろう?」

    「くっついてくるとは思ってなかった」
    12 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:34:34.85 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-107)
    「好奇心というのは、良いことだよ。ボクも君のキツネプレイを見てみたい」

    「したことねーよ、そんなの。しかもキツネプレイってどんなんだよ」

    「コーン」

    「やらんでいい」

    「ごんぎつね……」

    「やめろ、目頭が熱くなる」

    「黄金ぎつね」

    「一気に高貴になったな」
    13 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:35:11.80 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-97)
    「おや」

    「あん?」

    「なんだかんだ、ほら」

    「ん、うおっ、もう陽が……」

    「君と話をしているとついつい時間を忘れてしまうよ」

    「放課後に話をするのも、考えもんだな」

    「そうかな。ボクは良いけれど」

    「でも、帰りが遅くなるだろ」

    「大丈夫だよ」

    「なんで」

    「だって、ボク達家も隣なんだから」
    14 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:36:21.63 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-57)
    「そうだけど、家の人、心配しないのか」

    「ふふ、ボクのこと、心配してくれるのかい?」

    「まあ、少しはな」

    「安心してよ。君と一緒なら、親も何も言わないから」

    「そうなのか」

    「それくらい信頼されているんだよ、君は」
    15 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:37:08.21 ID:F6/vGNm50 (+90,+30,-59)
    「まあ、それでもそろそろ帰るか」

    「うん。あ、でもちょっと待って」

    「ん」

    「君に渡したいものがあってね」

    「なんだ」

    「はい。大切な友人に、プレゼント」
    16 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:38:21.13 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-51)
    ヤツが差し出したのは、遊園地の招待チケットだった。

    「なんだそれ」

    「遊園地のチケットだよ」

    ヤツが笑いながら、俺にチケットを手渡した。

    「おい、一人で行けってのか」

    お前は鬼か。空しさで爆発するぞ。
    17 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:38:52.31 ID:F6/vGNm50 (+90,+30,-35)
    「そんなわけ、ないよ」

    スカートのポケットから、もう一枚チケットを出して、

    「ボクと行くんだよ」

    平らな胸に手をあてて、言った。

    「お前とぉ?」

    いきなりだな、おい。
    18 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:39:25.28 ID:F6/vGNm50 (+90,+30,-144)
    「いいじゃないか、友人なんだし」

    「そうだけども、なんで急に」

    「誘いなんて、基本急なものだろう」

    確かに一理あるが。

    こいつの場合、予告なしの誘いが多すぎる。

    家が隣だからって、早朝にインターホン押してきて、開口一番「エッチ……いや、遊ぼう」と言ってきたり。

    隣町に行きたいとかなんとか、夕方頃に言われて出発したから、帰りが遅くなったり。

    「なんだか、唸っているみたいだね」
    19 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:39:51.69 ID:oxi+ACN10 (-23,-11,-1)
    期待
    20 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:40:00.94 ID:F6/vGNm50 (+90,+30,-50)
    小さい体を屈めて、俺の顔を窺う。

    いつもよりはしっかりとした誘いだな。

    「別にいいぞ。いつ行くんだ」

    「よかった。日曜日はどうかな」

    「今度のか?」

    「もちろん」

    混みそうだな。
    21 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:40:35.24 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-53)
    「日曜って言うと、次の日は普通に学校あるだろ。土曜の方がいいんじゃないか」

    「ダメ」

    キッパリと断られた。

    いつものヤツとは違って、言い方が鋭い。

    「どうしても、日曜がいいんだ」

    「なんで?」

    「なんとなく、ね」
    22 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:41:07.53 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-92)
    どうしても日曜がいい理由がなんとなくって……。

    結局確固とした理由は教えてもらえずにヤツは踵を返して、

    「さあ、帰ろう?」

    ミニスカがヒラリと揺れる。見えそうで、ヒヤヒヤする。

    「わーったよ」

    そういえば、遊園地なんて、何年振りだろう。

    よく考えると、小学校以来かもしれない。

    「どうしたんだい?」

    既に教室を出て、ヤツは廊下で俺を見ていた。

    「ああ、今行く」
    23 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:41:54.54 ID:F6/vGNm50 (+90,+30,-73)
    わりと有名な遊園地の、無料招待券。

    何故こんなものを、コイツが持ってるんだ?

    「そんなに見つめられると、膜に穴があいちゃうよ」

    「あくかよ、そんなことで」

    「なんの膜かな?」

    ちょっと見ただけでこれである。

    「激しい視姦で体が敏感になっているよ」

    わざと体をビクビクさせるな。
    24 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:42:32.37 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-100)
    「なんか、お前と遊園地に行くの不安だな」

    「ボクもだよ」

    なんだと。

    「君が変な気を起こさないか、ちょっとね」

    「それはないから安心しろ」

    「どうしてだい?」

    「お前に興味ないから」

    「……」

    急に黙りこむ。どうしたんだ。

    「まさか、同性愛者かい?」

    「違う!」

    断じて違う!

    「だから彼女なんているはずがない……彼氏が……」

    「やめろ! そういうことじゃない!」
    25 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:43:05.28 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-69)
    ちゃんとハッキリさせておこう。

    「俺はな、お前みたいなやつには興味が無いって言ってんだ!」

    「おや、それはどういうことだい?」

    「胸に手を当ててみろ」

    「? 了解した」

    言われた通り、ヤツは胸に手を当てた。

    「それだ」

    「え?」

    「その、貧相で残念な胸がだ!」
    26 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:43:40.26 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-87)
    「!」

    巨乳を愛する俺は、堂々とやつのまな板を指摘した。

    ヤツは後退り、口をあんぐりと開けた。

    「胸……か」

    おい、自分で自分の胸を揉むな。

    「やめい」

    「そんな……君は巨乳が?」

    「そうだ。俺は巨乳派だ」

    「ボクだっていつかは」

    「虚乳はお断りだ」
    27 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:44:13.59 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-47)
    「……やっぱり、巨乳が好きか」

    さっきまでの驚きの顔から一転、すぐに笑顔に戻った。

    なんだよ、その言い方。

    「でも、胸は小さいほうがいいよ」

    「自分を肯定しようとするなよ」

    見苦しいぜ。

    「自慰だよ、自慰」

    勘違いされるぞ、その言葉の選択。
    28 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:46:02.18 ID:F6/vGNm50 (+90,+30,-44)
    「じゃあとりあえず聞くが、なんで小さいほうがいいんだよ?」

    「肩こりをしない!」

    「……」

    胸のせいでこったこと無いくせに。

    そしてヤケにドヤ顔である。

    なんか可哀想だぞ。
    29 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:46:41.38 ID:F6/vGNm50 (+90,+30,-49)
    「あと、すぐに脱げることかな」

    「は?」

    「障害がないからね」

    ほら、と。

    ヤツはいきなり制服を脱いだ。

    「ほら、簡単だろう?」
    30 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:47:28.46 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-84)
    「何やってんだ! 早く着ろ!」

    まさかと思い、俺は目を伏せた。

    夏服だぞ!?

    こいつ、いきなり脱ぐか? しかも外だぞ!?

    「どうして目を伏せているんだい? 興味が無いんだろう?」

    ニヤリと笑った気がした。こいつ、楽しんでやがるな。

    「安心してよ、本気で脱いでないからさ」

    「……本当か?」

    こいつだと上半身裸とか、平気でしそうだ。
    31 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:47:59.19 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-94)
    俺は恐る恐る、目を開けた。

    下から上へ、視線を移していくと、ヤツは変わらない様子だった。

    「おおげさだなあ」

    声をあげて笑ってやがる。

    「……ん」

    「どうしたんだい? そんなにジロジロ見たら……」

    胸元を見てみると、ブラウスのボタンが大幅に外れていた。

    どうやら気づいていないようなので、指をさして教えてやった。

    「え……? あっ……」
    32 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:48:51.26 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-94)
    顔を赤くして、俺に背を向けた。

    「も、もう、ダメじゃないか。外でこんなことをするなんて」

    なんで俺を見ながら言う。

    俺のせいになってるのか? 勝手だな!

    「俺のせいじゃねえよ」

    それにしても、あんなにはだけてもブラジャーが見えないってのは、どういうことだ。

    別に見たくないけどな。

    「ああ、バレてしまったなぁ」

    「ん、何がだよ」

    「ボクがノーブラだって、バレちゃったね」
    33 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:49:21.54 ID:F6/vGNm50 (+90,+30,-32)
    「……は?」

    「だから、ノー……」

    「いや、言わんでいい」

    いきなり何をカミングアウトしてんだ。

    「ふふ、ちょっとナンデモ発言だったかな」

    トンデモ、だろ。
    34 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:50:04.90 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-73)
    俺は、どうやら半無意識に頷いていたようだ。

    「ふふ……いやらしいなぁ、君は」

    こっちの台詞だ。

    ……ムッツリなのは認めてやろう。

    「そうだね、そんなに気にしなくてもいいと思うよ」

    「答えになってないぞ」

    「ボクだって、言うのは恥ずかしいよ」

    顔を逸らして、黙った。
    35 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:50:36.29 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-73)
    俺も、その後は何も言及しなかった。

    今更だが、下校中である。

    「……遊園地、楽しみかい?」

    不意に、ヤツが口を開けた。

    「……まあな」

    「そっか」

    振り向いて、微笑んできた。

    「ふふ、また時間を忘れてしまった。もう家だね」
    36 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:51:20.26 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-88)
    「そうだな」

    「それじゃあ」

    「おう」

    ヤツは手を振って、俺の家の隣へ駆けて行った。

    「遊園地……か」

    本当、久しぶりだ。

    ポケットから取り出して、チケット見てみる。

    「ん……?」

    よく見てみると、日曜日にはナイトパレードがある、と書いてある。

    「ははーん、なるほどな」

    俺は得意気な顔をして、家のドアを開けた。
    37 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:52:41.57 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-94)
    「遅い」

    「は~疲れた」

    「あのさあ、いっつも言ってるじゃん。遅くなるならちゃんと言ってって」

    「この匂いは肉じゃがかな」

    「大体お兄ちゃんはさあ」

    「うおっ、思ったより汗かいてるなぁ」

    「……」

    ジトーッとした視線が俺に突き刺さっている。
    38 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:53:40.69 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-45)
    「いやぁ~、あはは」

    笑ってごまかしてみる。

    「笑ってごまかしてもダメだから」

    失敗。

    「せっかく待ってた妹にただいまもないわけ?」

    「おーう、ただいま~」

    「……頭撫でないでくれる?」

    撫でていた手をはたかれた。
    39 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:54:29.76 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-73)
    「本当に信じらんない! お兄ちゃん自分勝手過ぎ」

    「悪かったって」

    「私だって色々言いたくないのにさぁ」

    じゃあ言わなきゃいいのに。

    「『言わなきゃいいのに』って思わなかった?」

    「は、はい?」

    なぜバレた。
    40 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:55:43.46 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-100)
    「……肉じゃが冷めちゃうから、早く食べてね」

    「母さんは?」

    「泊まりで仕事だって」

    今日もか。

    いつものことながら、俺と妹の二人か。

    父は単身赴任なので、家にはいない。

    ということは、肉じゃがは妹作かー……。

    「なんでため息ついてんの?」

    「いやあ、なんにも」
    41 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:56:18.06 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-59)
    またもやジロリと見られたが、妹は居間に移動した。

    まったく、どうしてあんなにしっかり者になったのか。

    別に嫌ではない。むしろ助かってるし。

    世間の妹よりも恵まれているとも思っている。

    「来ないなら片付けちゃうよー」

    「行く行くー」

    ちょっとせっかちなのが、玉に瑕だが。
    42 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:57:10.57 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-97)
    「いただきます」

    肉じゃがは、ちょっとじゃがいもが多めだった。

    ちょっとというか、ほぼじゃがいもだ。

    「美味しい?」

    「ん……美味いな」

    「ホント?」

    「母さんのには勝てないけどな」

    「同じレシピなのに」

    「あーなるほどな」
    43 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 15:58:54.95 ID:F6/vGNm50 (+90,+30,-48)
    「何が?」

    「お前には足りないものがある」

    「な、なに?」

    机の真向かいから、身を乗り出す妹。

    「それは、愛だ!」

    「……」

    キラキラしていた目は、一気に濁った瞳に変貌した。
    44 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 16:00:18.94 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-90)
    「はぁ……」

    何故ため息を吐く?

    「そんなさぁ」

    「甘くみちゃいけないぞ。やはりお前の味はまだまだだ」

    「なんでお兄ちゃんに、私が愛を注がないといけないのよ!」

    「いや、俺にじゃなく、料理にだぞ?」

    「えっ……」

    妹は決まりが悪そうにして、

    「そんなの……わかってるよ」

    机に突っ伏して「話しかけるな」オーラを出し始めた。

    よくわからん妹である。
    45 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 16:02:31.16 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-122)
    テレビつけて、バラエティー番組を観ながら肉じゃがを箸でつつく。

    「テレビ観ながらはダメってルールでしょ」

    「母さんいないからいいだろ」

    「ふんっ」

    バラエティー番組の笑い声だけが空しく響いた。

    妹の沈黙に耐えかねた俺は、テレビを消して、じゃがいもにかぶりついた。
    46 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 16:04:04.29 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-67)
    「あのさ」

    突っ伏したまま、妹は声を出した。

    「あんだ?」

    「日曜って、空いてる?」

    日曜日。

    「あー、空いてないな」

    「え?」

    俺がそう言うと、妹は勢い良く頭を上げた。

    「空いてない。土曜ならいいんだが」

    「……じゃあいい」

    「ダメなのか?」

    「……いい」
    47 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 16:07:58.19 ID:F6/vGNm50 (+93,+30,-66)
    低い声で答えて、妹は座り直した。

    「みんな日曜がいいんだな。絶対に土曜日の方が次の日休みでいいのに」

    「バカだね」

    いきなり暴言吐きやがった。

    「ひでぇなぁ。というか、何するつもりだったんだ?」

    「……言いたくない」

    どうせ無理だから、と。

    沈んだ声で言った。
    48 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 16:09:39.14 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-65)
    ふむ。

    素っ気ないな。思春期だろうか。

    俺も、こういう時があったのだろうか。

    「そうかい。ご馳走様」

    「おそまつさま」

    「おそ松くん?」

    「無視するね」

    無視すると宣言するスルーの仕方も、珍しい。
    49 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 16:10:46.09 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-54)
    俺は台所に皿を持っていった後、そのまま自分の部屋に直行した。

    「……」

    そういえば最近、妹の相手をしてなかったな。

    というより、今日は何だか様子が変だったな。

    急に雰囲気が変わったっつーか、なんつーか。

    一言でいうと、暗い。

    何があったのだろうか。
    50 : 以下、名無しにか - 2013/07/13(土) 16:16:38.70 ID:F6/vGNm50 (+95,+30,-135)
    ベッドに横になっていたのだが、どうしても気になって、妹のもとに向かった。

    俺の食器を洗っているだろうから、まだ台所かな。

    階段を降りる足は、音を立てないように慎重な歩調だった。

    一階に行くと、水の流れる音がした。

    やはり、妹は台所で食器を洗っていた。

    「なあ」

    声をかけるが、返事はない。

    「えーっと……土曜日にしてもらえるか聞いてみる」

    「いいよ、そんなことしなくて」

    こちらを見ずに、妹は言った。

    「でも、久しぶりにお前とどこか行きたいし」

    ピタリ、と手が止まった。

    「それは、女さんもそうだと思うよ」
    1 2 3 4 5 6 次へ→ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / SS スレッド一覧へ
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : - ボクっ娘 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。

    類似してるかもしれないスレッド


    トップメニューへ / →のくす牧場書庫について