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    元スレほむら「あなたの欠片を」

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    1 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:14:37.38 ID:NkiPDUyL0 (+125,+30,-88)

    空を見上げる。
    夜を裂いて広がる銀河に、手を伸ばし、声を掛ける。


    「まどか、元気にしてる?」

    『うん、元気だよ』

    「今日はね、面白いことがあったんだよ」

    『何があったの?』

    「えっとね……」


    あなたと話しているだけで、私の心は満たされて。
    あなたの笑い声も笑う顔も笑う仕草も、すべて私の中に。

    でも、それは幻。
    私に相槌を打ち、反応し、言葉を返してくれるまどかは、私の弱い心が作り出した幻。
    そんなことは分かってる。
    2 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:16:42.92 ID:NkiPDUyL0 (+95,+30,-95)

    だから消えてしまう。
    哀しそうな笑みと共に、彼女の姿は闇に溶ける。


    私はいつまでもこの場から離れられない。
    雨の降りしきる中、あなたを失ったこの場所を。
    あなたの言ったお別れが、私の心を縛り付けて離さない。
    この痛みが癒えるまできっと、ここに来ては独り宙へと語りかけるのだろう。
    無駄と知っていながらも。

    暁の焔が空を紅に焼く。
    仄かに瞬いていた星たちは夜の果てへ。

    また夜は明ける。
    明けて一日が始まる。
    あなたのいない日常がまた。
    3 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:18:52.30 ID:NkiPDUyL0 (+95,+30,-189)

    彼女が概念となった世界。
    私は今も戦い続けている。

    引き絞られた弦から、矢が放たれ。
    高速で飛ぶ鏃に追従するように、魔力の弾丸が流星と流れ、魔獣を殲滅した。

    「ふむ、相変わらず見事な技量だね」

    「当たり前よ」

    繁華街。
    人の感情がよく集まるこんな場所は、魔獣どもにとって格好の餌場。
    私たち魔法少女にとっては、格好の狩場。

    投げかけられる称賛の言葉に、これといって感慨はない。
    幾百の魔獣を屠っただろうか。
    いつしか数えることは止めていた。

    穢れを吸い取り終えたグリーフシードを、後ろ手に放る。
    地を打つ音が無いことを確認して、歩みを進める。
    瘴気を肌に感じながら。
    彼女のリボンにそっと触れながら。
    4 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:20:56.89 ID:NkiPDUyL0 (+95,+30,-74)

    「今日は本当に瘴気が濃いね」

    「全部潰すだけ」

    迷いはない。
    それは私の生きる意味。
    ただ寂しさに溺れながら、今日も力を振るう。
    あなたの力を。


    ねえ、まどか。
    会いたいよ。


    思いは届かず、目の前に現れるのは醜い獣。
    蒸し暑い空気を力任せに裂くように、翼を広げ空を舞う。
    5 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:23:30.53 ID:NkiPDUyL0 (+93,+30,-141)

    「あら、先客ね」

    一人暗闇にたそがれる私に、声が投げ掛けられる。
    言葉の主は巴マミ。

    「こんな所に何の用が?」

    「その言葉、そっくりそのまま返すわよ」

    「それも、そうね」

    魔獣を狩り終えると私はいつも、朝までの時間をここで過ごす。
    かつてまどかと別れたこの場所で。
    何の変哲もないビルの屋上、そんなところに腰掛ける私。
    さぞかし彼女の目には奇妙に映るだろう。
    だからこそ私も、彼女のことを不思議に思う。


    「どうしてかしらね、パトロールをしていただけなのに」

    「自然と迷い込んだのなら、夢遊病の気でもあるんじゃないかしら」

    「もう、バカにしないで」
    6 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:26:03.93 ID:NkiPDUyL0 (+95,+30,-91)

    そんな会話を二つ三つ繰り返して、
    少しの沈黙を経てから、ゆっくりと言葉が吐き出される。


    「ここ、何かあったのかしら」

    「何って?」

    「どう言えばいいのか分からないけれど。
     喪失感、虚無感、あたりが近いのかしら、それに誘われて、気付いたらここに居たのよ」

    「……」

    「美樹さんが導かれてしまった時。
     あの時あなたが零した言葉が、何故か胸から離れなくて」
    7 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:26:25.16 ID:fD2HNgBN0 (+22,+22,+1)
    ほむほむ
    8 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:26:44.78 ID:TyTQO/cV0 (+14,+29,+0)
    『がんばって』
    9 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:26:54.38 ID:SrMicPdp0 (+24,+29,-5)
    まどかSSは変態じゃないと見る気が起きない
    10 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:27:50.48 ID:ZcGgzkIu0 (+11,+21,+0)
    これは久しぶりに
    11 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:29:03.64 ID:NkiPDUyL0 (+95,+30,-103)

    覚えているということではないだろう。
    あったはずのものがなくなった、その不具合が出ているだけ。
    知らんぷりをしてしまえば、きっと日常に埋もれていくだけの小さな齟齬。

    だけど。


    「知りたいというなら、教えてあげる」

    「知りたいわ」

    「そうね、魔法少女が当然のように解している理。
     それがどのように作られたのか、考えたことがあるかしら」


    ただの概念になり果てたはずのあなた。
    あなたが生きた証は、記憶という形を取り私の心に残された。
    消滅の運命を免れて。

    それならば、語り伝えていくことで。
    何かを起こせると信じよう。
    12 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:30:15.92 ID:fD2HNgBN0 (+22,+22,+1)
    ほむほむ
    13 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:32:04.19 ID:NkiPDUyL0 (+95,+30,-61)

    「……信じられない」

    「聞いたのはあなたじゃない」

    「ええ、そうなのだけれど、さすがにそう信じられるものじゃないわよ」

    「僕も同じことを聞かされたけどね、その反応が妥当だろう」

    「あらキュゥべえ、いたのね」

    「ひどいなあ、マミ」

    「もう少し詳しく話した方がいいかしら」
    14 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:32:54.64 ID:fD2HNgBN0 (+34,+29,+0)
    まみまみほむほむ
    15 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:34:15.15 ID:NkiPDUyL0 (+95,+30,-103)

    「興味はあるのだけど、ごめんなさい。
     今は自分の中で情報を整理しないと、ちょっと混乱しちゃいそう」

    「まあ僕も、作り話として切り捨てるには、あまりに出来すぎていると思うかな」

    これくらいが限界だろうか。
    信じられないのはきっと無理もないこと。
    世界の在り様を変えてしまった魔法少女の存在なんて、作り話と思われない方が難しい。

    でも、彼女には信じて欲しい。
    あの子の師として。


    「もう少し時間を頂戴」

    「ええ」
    16 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:37:12.91 ID:NkiPDUyL0 (+95,+30,-127)

    それからは、やくたいもない世間話に花を咲かせた。
    学校のことや進路のこと、最近駅前に出来たショッピングモールのこと。
    夜になって幾分か空気も涼み、ビル風が程よく私たちの身体を冷やしていく。

    「随分と忙しそうね」

    「学生しながら魔法少女の仕事もこなさなきゃいけないんだもの、当たり前よ」

    「大変じゃない?」

    「今は佐倉さんやあなたが手伝ってくれているから、そうでもないわ」

    「そう言えば、杏子はどうしたの」

    「……また」

    「そう」

    「乗り越えるには、まだちょっと時間が要るみたい」

    「無理もないわ」
    17 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:37:34.59 ID:jILGjMFn0 (+24,+29,+0)
    こんな雰囲気も良い
    18 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:39:41.38 ID:NkiPDUyL0 (+95,+30,-127)

    「君達二人で回るには、ちょっとこの街は大きいし、早く復帰して欲しい所だけど」

    「あまり女の子を急かすものじゃないわよ」

    「ええ」

    「やれやれ、君達のためを思って言っているのにな」

    思わず耳を疑うような発言を努めて冷静に聞き流して。
    空が白み始めたことを確認し、腰を上げる。
    こんなビルにも、鳥の朝鳴きが聞こえてくる所は、いかにもこの街らしい。

    「あら、行くのかしら」

    「もう朝じゃない、学校はどうするつもり」

    「このまま行こうかなって」

    「お風呂くらい入りなさいよ」

    「ふふ、そうよね」
    19 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:42:11.85 ID:NkiPDUyL0 (+95,+30,-147)

    *****************************************

    「佐倉杏子」

    「……ん、ほむら」

    放課後を迎えた私の足は、自然とある場所へ向いていた。
    とある市営地下鉄のホーム。
    夕方ということもあり、多くの人が行き交う中、一人ベンチで佇む彼女。
    とても小さく、儚げに。

    「何の用さ」

    「グリーフシード。 届けに来た」

    「いらないって言ってんのに」

    「好きでしていることよ」

    ソウルジェムにグリーフシードを押し当てる。
    口では拒否していたけれど、抵抗するような素振りは見せない。
    片膝を抱えて縮こまる姿に、いつか見た雄雄しさは欠片もなく。
    20 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:43:02.19 ID:jILGjMFn0 (+19,+29,-2)
    杏子かわいそう……
    21 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:43:54.47 ID:HUaDRzyv0 (+14,+26,-1)
    ほむぅ…
    22 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:44:18.42 ID:NkiPDUyL0 (+95,+30,-110)

    彼女は口を開かない。
    ただ時間と人波だけが流れ続け、役目を終えたグリーフシードをキュゥべえに与えて。
    それからしばらくの沈黙を経て、ようやく私の口は言葉を紡ぐ。


    「ねえ」

    「何だよ」

    「どうして力尽きた魔法少女が消えてしまうのか、興味はある?」

    「まあ、それなりに」

    「話してあげる」


    また私は語り始める。
    そんな機会を与えてくれた、何処かの誰かに想いを馳せながら。
    23 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:46:23.41 ID:NkiPDUyL0 (+95,+30,-142)

    「世界の理そのものになった魔法少女ねえ、とんでもねえ話だな」

    「信じられないかしら」

    「そんな簡単に信じられるモンでもないだろ」

    「まあ、それもそうね」

    「大体、何でお前がそれを覚えてるんだよ。
     存在が一切合切消えちまって、記憶だけ残ってるって訳わかんねーって」

    「奇跡でも、起きたんじゃないかしら」

    消えてしまうはずだった、あの子の記憶を。
    私たった一人が引き継いだことが、奇跡でなくて何だろうか。

    「まーた根拠のないことを」

    「そうとしか言いようがないんだもの、しょうがないじゃない」

    「なんだってそんな突拍子もない話を、あたしにしたのさ」

    「道をあげようと思って」

    「道?」

    「ええ」
    24 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:48:28.63 ID:NkiPDUyL0 (+95,+30,-163)

    まどかが私に教えてくれたこと。
    何もかもみな消えてしまうこと。

    でも、心の中に残っている。


    「美樹さやかは消えた、もう戻って来ない」


    「でも、彼女が生きた証は、あなたの胸に傷跡として刻まれている」


    「彼女の想いを知っているのは、私と巴マミ、それにあなただけ」


    「誰よりも美樹さやかに近かったあなたが口を閉ざしてしまったら」


    「彼女は埋もれてしまう、時の中に」


    誰からも忘れ去られてしまうことは、きっととても怖い。
    それは真の空虚。
    だからこそ私が、世界を廻し続けた応報として、全ての記憶を保持し得たのかもしれない。
    あの世界の営みを忘れ去ってしまわないように。
    自分の事に多少の意識を取られていることを自覚し、改めて佐倉杏子に目を向ける。
    25 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:50:22.55 ID:jILGjMFn0 (+29,+29,-9)
    まどかずっとOPの水の上に浮かんでいたようなとこに居るのかな
    そもそも身体も無いか
    26 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:51:02.34 ID:fD2HNgBN0 (+22,+22,+1)
    ほむほむ
    27 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:51:03.03 ID:NkiPDUyL0 (+95,+30,-81)

    「あなたは、どうしたい」

    「あたし、は」


    本当はゆっくり考える時間をあげたかったけれど。
    この世界は、そんなに甘いことを許してくれない。
    結界が私たちを包み込み、魔獣がずるりと地面から生える。


    「うん、決めた」

    明朗な声と共に、炎が燃え上がるように。
    朱を基調とした装いが彼女の身を包む。

    「行きましょうか」

    「ああ」
    28 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:53:04.91 ID:fD2HNgBN0 (-26,-26,+0)
    あんあん!
    29 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:53:33.90 ID:NkiPDUyL0 (+95,+30,-157)

    「こんなもんかね」

    「久し振りにしては、まあ合格点かしら」

    「なんでそんなに偉そうなんだよ」

    「気のせいじゃない?」

    杏子と一緒に戦うのはとても久し振りで。
    それでも、自分の足で立つ彼女はとても強かった。

    あっさりと魔獣を片付け終え、地下鉄のホームに二人佇む。
    ラッシュの時間帯はいつの間にか過ぎていて、そこに人はほとんどいない。
    変身を解いた杏子は、屈託のない笑みを私に向けて。

    「ありがとな、もう大丈夫だよ」

    「助けになれたのなら、よかった」

    「あ、ただ一つ頼みがあってさ」

    「頼み?」

    「ほむらはさ、その魔法少女の事を語り継ごうとしてるんだよね」

    「ええ、そうね」
    30 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:54:54.80 ID:fD2HNgBN0 (+30,+25,+2)
    あんあんほむほむ
    31 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:55:59.70 ID:NkiPDUyL0 (+95,+30,-76)

    一拍。
    珍しく、言葉を選んでいるようで。
    その思いを受け止めるべく、私も心の準備を整える。
    そして。


    「さやかのこともさ、時々話してあげてくれないかな」


    「あいつはあいつなりにさ、ほむらとも折り合いを付けようとしてた」


    「なかなか素直になれないって、あたしに相談に来てたんだよ」


    「結局、こうして、だめだったけどさ」


    「あたしの口からに、なっちゃった、けどさ」
    32 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:58:41.15 ID:NkiPDUyL0 (+95,+30,-82)

    美樹さやか。
    ほとんどのループではいがみ合うばかりだったけれど、そういえば、確かに。
    ごく初めの頃は、私の数少ない友達だったっけ。

    もう記憶は薄れてしまっていて。
    それに気付いた途端、罪悪感が私の心を握り潰す。
    彼女を思い泣いている佐倉杏子の姿が、さらに胸を締め付ける。


    「約束する」

    「頼むわ」


    弁解しても、伝わることはないだろう。
    これからの行動で、消えてしまった彼女に報いよう。
    自己満足かもしれないけれど。
    33 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:59:13.67 ID:fD2HNgBN0 (+28,+28,+0)
    さやさや
    34 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:59:26.93 ID:b81/dWpj0 (+7,+22,+1)
    ほむほむ
    35 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 22:59:33.90 ID:jILGjMFn0 (+18,+28,+0)
    さやかちゃん……
    36 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 23:00:51.68 ID:5Fjpcvdi0 (+19,+29,-5)
    「僕が慰めてあげよう」
    37 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 23:01:28.20 ID:NkiPDUyL0 (+95,+30,-192)

    「んじゃ、またな」

    そう言い残して佐倉杏子は去っていった。
    どこへ向かうのかは知らないけれど、その目には力が込められていた。
    きっと自分のすべき事を見つけたのだろう。

    私のすべき事。
    語り伝えていくにしても、どうしよう。
    本でも書こうか。

    そう思って、踵を返そうとした時に。
    視界の端に、何かが映る。

    「……?」

    それは透明な欠片。
    グリーフシードと同じ、立方体の結晶。
    かつて美樹さやかが逝った場所に、不思議な存在感と共に。

    見て見ぬ振りをすることも出来たけれど。
    何故か放っておけず、拾って灯りにかざしてみる。

    「綺麗」

    きらきらと光を反射する。
    まるで吸い込まれてしまいそうなその欠片に、何故か親近感を覚えて。

    「キュゥべえにでも、聞いてみようかしら」
    38 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 23:01:53.10 ID:fD2HNgBN0 (+22,+22,+1)
    ほむほむ
    39 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 23:03:59.85 ID:NkiPDUyL0 (+95,+30,-131)

    *****************************************

    「この世界の物質ではないようだね」

    「グリーフシードと、何か共通点はあるかしら」

    「似てはいる。
     けれど、本質的には違うような……いや、分からないな」

    「随分と曖昧なのね」

    「勘弁してくれよ、僕も全知全能って訳じゃあないんだ」

    そこまでのことを期待していたわけではない。
    むしろ、分からないという答えにこそ、価値はある。

    「イレギュラー、と捉えていいの?」

    「意思を持った人間ならばともかく、ただの石ころをそう呼ぶのは抵抗があるけど」
    40 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 23:06:29.68 ID:fD2HNgBN0 (+11,+11,+0)
    ほむっ
    41 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 23:07:13.28 ID:NkiPDUyL0 (+95,+30,-92)

    「ただの石ころなの?」

    「いや、まあそうとも言い切れないけど」

    「そう」

    キュゥべえにも分からないのなら。
    きっと私が考えても、分かることはないだろう。
    この欠片が、あの子と何か関わりのあるものだといいな、と、そんな楽観を抱きながら。

    「聞きたいことも聞いたし、今日は寝るわね」

    「杏子も復活したみたいだし、ゆっくりお休み」

    久しくまどろみに落ちていく。
    せめて夢の中では、幸せに過ごせますように。
    42 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 23:07:37.37 ID:fD2HNgBN0 (+22,+22,+1)
    ほむほむ
    43 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 23:09:25.25 ID:NkiPDUyL0 (+95,+30,-82)

    『ほむらちゃん、お願いがあるんだ』

    『この世界に広がってしまった、私の欠片を集めて』

    『魔獣に奪われてしまわないように』


    夢か現か。
    金縛りにあったように動かない私の体へ、想い人の声が降る。

    言葉の意味は、分からない。
    頭が動かず、ただ文字として耳を通り抜けていく。
    せめて忘れてしまわぬよう、その音を脳髄に刻み付ける。

    視界は闇。
    黒の中に少しずつ白が混じり。
    薄れる声と共に、闇は晴れていく。
    44 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 23:09:44.56 ID:fD2HNgBN0 (+26,+26,+0)
    まどまど
    45 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 23:12:01.38 ID:NkiPDUyL0 (+95,+30,-61)


    目を覚ましたら、そこは戦場だった。


    「起きたかい、暁美ほむら!」

    「状況を!」

    「魔獣がいきなり湧いた!
     マミがすぐに駆け付けてくれたけど、いつもとは違う、数が凄まじい!」

    「何を言っても起きないんだもの!
     あなたのソウルジェムを守るのも必死だったわよ、早く手伝って!」

    46 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 23:12:51.63 ID:fD2HNgBN0 (+22,+22,+1)
    ほむほむ
    47 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 23:14:24.78 ID:NkiPDUyL0 (+95,+30,-130)

    言われずとも、とうに戦装束は纏っている。
    結界の中には私と、巴マミと、キュゥべえと、魔獣の群れ。

    そして、あの欠片。
    この腕の中に。

    「ええ」

    頭の中で言葉を反芻させる。
    彼女の声が鮮明に蘇る。


    あなたの欠片を、
    決して離すものか。


    背から白い翼を生やし、空へと飛び上がる。
    感じる力は尽きる気配もない。
    エネルギーの塊を、弓に番えて撃ち放った。
    48 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 23:14:52.68 ID:fD2HNgBN0 (+22,+22,+1)
    ほむほむ
    49 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 23:16:50.82 ID:NkiPDUyL0 (+95,+30,-169)

    「ようやく……片付いたわね」

    「そう、ね」

    「お疲れ様、二人とも」

    疲弊しきった顔を、巴マミと突き合わせる。
    魔獣の量は怒涛の如く、こうして殲滅し終えたことが奇跡と感じられるくらいだった。
    数に押し潰されてしまえばそれで終わり。
    気付けば魔力の殆どを使い果たし、それでもなんとか生き永らえていた。

    結界が解けていく。
    戻る視界は、私の部屋の中。
    こんな所に、あんな数の魔獣どもが湧いたとは、この目で見ても信じられない。
    それは彼女も同じようで。

    「何だったのよ」

    「話すけれど、ちょっと休まないかしら」

    「そうね、さすがに、疲れたわ……」

    「出来れば、佐倉杏子も交えて話したいのだけれど」
    50 : 以下、名無しにか - 2011/08/12(金) 23:17:22.70 ID:fD2HNgBN0 (+34,+29,+0)
    ほむほむまみまみ
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